「ムーミン」は誰もが知っている物語。しかし、意外と知られていないのがキャラクターたちのダークなエピソードです。
ムーミン谷でこんなにシリアスな問題が起きていたこと、知っていますか?
1.ムーミンの物語は、“父の失踪”から始まる。
帽子をかぶったこちらがムーミンパパです。
ムーミンパパには放浪癖があり、小説の第一作は失踪したお父さんを探しにいいくところから始まります。
なんの説明もなしに、家を飛び出してしまうのです。
当時の状況を描いたショートストーリーでは、ムーミンママが彼の異変に気付いていたことも述べられています。
ムーミンママがあとになっていうには、「あの人はしばらくまえから、どこかへんだったのよ」ということでした。
2.失踪の理由と、ニョロニョロの謎
白いキノコのような、謎の生き物「ニョロニョロ」。ショートストーリーのなかでは、このように説明されています。
少しほっそりして、少しおくびょうで、はっきりと世間に背を向けている生きもの。それは半分危険な、とても変わった、世すて人たちでした。
小説の中でも、正体はハッキリ明かされていません。
ムーミンパパはそんなニョロニョロに魅せられ、自分でもよくわからないまま遠くへ行ってしまうのです。
彼はニョロニョロみたいに口をつぐんで、神秘なものになろうと、決心しました。
3.ムーミンには、逮捕歴がある。
ムーミンは、牢屋に入れられたことがあります。
草地で見つけた立て札を引き抜き、火をつけたことで罪に問われました。牢屋番には、こんなことも言われてしまいます。
「おまえらは、自分おおかした罪を白状するまでは、ここにはいっておらねばならん。それから、新しい立てふだをつくって、『するべからず』と5,000回ずつ書かねばならんのじゃ」
ムーミンたちは「なにもしてません」と言い切り、なんとか逃げることに成功しました。
4.いじめられ、体が透明になってしまった女の子も。
ムーミンの友達の「ニンニ」は、透明な女の子。
おばさんにいじめられ続けた結果、体がだんだんと透き通っていき、ついには見えなくなってしまいました。
毎日毎日、一日じゅう皮肉をいわれるものだから、とうとうあの子は青ざめてしまって、はしのほうから色あせていき、だんだん見えなくなったんです。
そんなニンニの心を癒そうとするムーミンたちですが、なかなか上手くいきません。
そんな時、ミイは厳しくこう言います。
「たたかうってことをおぼえないうちは、あんたには自分の顔は持てません」
愛らしいキャラクターが子供たちに人気のムーミンですが、その物語には大人も真顔になってしまう、シュールな一面がありました。