ヤフオクで活字2トンが売り出される 出品者に聞いてみた

    10万円(すごい)

    「ヤフオクで活字一式が出品されている」という目撃情報がTwitter上で話題になっています。

    ページを見たところ、推定約2トンの活字が10万円で売りに出されている様子。どうしてこんなことになったの!? 出品者の山守正さん(61)に聞きました。

    ——今回出品した経緯を教えてください。

    うちは石川県白山市鶴来町にある印刷所です。兄と母が、大正から続く『山守有文堂』という印刷所を経営していました。しかし、道路整備の一環で、立ち退きになってしまったんです。運悪く兄も私もガンを患ってしまい、母も体調が良くないということで、店をたたむことになりました。廃棄するぐらいなら、一度だしてみようと思ったのがきっかけです。

    ——ずっと活版印刷を続けていたのでしょうか?

    活版印刷自体は20年以上前に止めています。今回出品したものは、長い間使われずに保管していた活字です。

    ——本当に2000キロあるのでしょうか。

    はじめは兄と相談し、200キロと適当に書いていました。数え切れないほどありますから(笑)でもちゃんと測ってみようと思って、こう活字が入った枠を持って、体重計にのって、自分の体重を差し引くという作業をして(笑)。計算したらどうやら2トンある。慌てて修正しました。

    ——10万円から、という価格設定は安いのでしょうか

    値付けは適当にしたのでちょっとわからないんですが……。肌感的には、5キロ1000円ぐらいで出品されてるイメージです。なので、うちは2000キロ10万円。5キロだと250円ぐらい? 安いですね。

    ——今回は印刷業者の方を対象にしているのですか

    もし買ってくれる人がいたらそうじゃないかなと思います。活字は1文字ずつでしょう。もし5キロとか量り売りで売ってしまうと、たくさんの文字からどれが欲しいか選んでもらわなきゃいけない。だから「一式」としました。単純に梱包時間がなかったのもあります(笑)

    ——配送はどのように行う予定ですか

    基本的には取りに来てくれる方限定、と書きました。でもどうしてもという場合には、友人たちを連れて2トントラックを借りて、配送することも考えています。

    BuzzFeedの取材に気さくに答えてくれた山守さん。元々オークションは趣味だったそうで、今回話題になったことで「過去最高閲覧数になった」と驚いていました。3月4日現在、入札は0。印刷所が取り壊しになる3月中旬までは出品を続け、入札がなければ廃棄する考えでいます。ヤフオクの連絡ページから、印刷所の見学なども受け付けているそうです。(更新:3月5日、無事落札されたとのことです)


    UPDATE

    ツイートを一部削除し、それに伴い本文を変更しました。また、文末に落札状況を追記いたしました。