ハリーポッターを見て、魔女の宅急便を見て……「ほうきで空を飛びたい」と思ったことがある人は多いのではないでしょうか。私もその一人です。

ちょっと本当に飛べないかな…と思い、大学教授に相談しにいきました。
「こんにちは」

『はい、こんにちは』
「ほうきで空を飛びたいんですけ…」

『無理です無理です』

「無理なのは知ってるんですけど、どうして無理なのかしっかり知りたいです」
『では、夢を諦めてもらえるようにがんばります』
「お願いします」
ほうきだけなら浮かせることができる
『ざっくり言うと、ほうきだけなら時速50kmぐらいで引っ張れば浮きます』

「いけるじゃないですか!」
『ですが、人が乗って飛行するためには、翼の形と面積がとても大事なんですね』
『パラシュートを見てみましょう』

『翼の面積が広いですよね。風を捕まえやすいよう、角度も計算されています』

『それに対し、ほうきの翼部分である後部は面積も小さく、風を受け止めることができません』
『これでは、人間が乗って浮くことはできないのです』
「知ってた……そもそも構造的に翼が足りないのですね」
『そうです。なので、どうしても魔力が必要ということですね』
仮に飛んだとしたら
「せっかくなので、仮に飛んだとしたらどうなるかも教えてください」
『乗るとなると、バランスがとても大事です。まず、絶対にほうきの後部に乗らないと、逆さまになってしまいます』

『バランスが取れても、ほうきと人間が浮く速度で飛ぶと、約750kgの空気抵抗が発生するんですね』

『それに耐えられる握力があればいいのですが、無理なので』

『こうなって落ちます』
「うっ…」
『ジェットコースターに手で捕まる、と想像してもらえればいいと思います』

「無理じゃないですか」
『無理なんです。キキやハリーポッターは、魔力で全部どうにかしています』
「ほうきで空を飛ぶことへのやる気自体がなくなってきました」
『よかったです』
現代で一番「ほうきで空を飛ぶ」に近いもの
「それでも、近い体験だけでもしたい! と思った場合はどうしたらいいですか?」
『それならウイングスーツが一番近いと思います』

「これで飛べるんですか……?」
『滑空にはなりますが、翼が計算されているので飛べます。高いところからぽーんと』

『飛んで』

『滑空していくわけですね』

「ちょっとこれ画像見てるだけで、足がガクガクしてきました」
『アニメでもこのぐらいの高さと速度は出ているし、体感は似ていると思いますよ』
動画で見たい方はどうぞ。声が出るほどの恐怖。
「そもそも飛びたいだなんて思わなくなりました。こわすぎる……」
『よかったです。夢を壊してしまってごめんなさい。せめて空を飛ぶ楽しい夢(睡眠時)が見れるといいですね』
