2018年3月5日

    「アンナチュラル」面白さの秘密は? 脚本家が語る制作の裏側

    「実はミステリの“お約束”ばかりなんです」

    ドラマ「アンナチュラル」の脚本家・野木亜紀子さんと主題歌アーティスト・米津玄師さんがTBSラジオの特別番組で対談。大ヒットドラマの制作の裏側を明かしました。

    TBSラジオ

    野木亜紀子さん(左)と米津玄師さん

    「アンナチュラル」(金曜午後10時〜、TBS系)は石原さとみさん演じるミコトを中心に、法医学者たちの活躍を描いた1話完結型のミステリー。

    個性豊かなキャラクターたち、テンポのよい演出、そして骨太なストーリーが毎週話題を呼んでいます。

    TBSラジオ / Via tbs.co.jp

    脚本は「逃げるは恥だが役に立つ」「重版出来!」など人気ドラマを手がけてきた野木亜紀子さん。

    法医学という一般視聴者には馴染みの薄いテーマながら、各話魅力的に描く野木さんの手腕が光ります。

    「やりつくされている」法医学。今やるなら?

    「女主人公の法医学ドラマを作らないか、という大雑把な話から始まって…」

    TBS

    「アンナチュラル」企画の発端をこう振り返る野木さん。脚本は通常の連続ドラマよりかなり早い段階で決定し、第1話の脚本を書いていたのは昨年5〜6月頃。撮影も第1話放送前の年末には終了していたそうです。

    「法医学というテーマ自体はさまざまな作品でやりつくされているので『今なら何ができるだろうか』はかなり考えました」

    「架空の研究所UDIラボを設定することで、刑事モノから科学調査までいろいろなジャンルのエンタメをカバーする形をとっています」

    今夜はハジけるでぃ‼ まもなく!アンナチュラル6話🍀 #tbs #金曜ドラマ #アンナチュラル #石原さとみ #井浦新 #窪田正孝 #市川実日子 #松重豊 #竜星涼

    公式アカウントのオフショットもファンに人気

    ミステリの“お約束”を駆使して

    1話完結型のミステリーとしても評価が高いですが「実は、要素自体はエンタメの世界では死ぬほどやりつくされているものばかりなんです」。

    「主人公たちが冷凍車に閉じ込められる、朝起きたら隣に死体、殺人実況中継……どれもミステリの世界では一種のお約束です」

    「そういう意味では、スタートは『あるある』。でも、その先をどう描くか、どう落とし込むかで今の時代性や作品のカラーを付けられるんですよね」

    「TVドラマは時代性が必要。2018年に放送する作品である意味、今を生きる人、そして今命を落とす人をどう描くかは強く意識しました」

    ちなみに。アンナチュラルは一話完結の皮を被った連続する群像ドラマです。この手法は重版出来や掟上今日子とまったく同じ。例えばきらきらひかるや踊る大捜査線、HERO、IWGP&木更津&流星なんかも同じ形式ですね。あまり連続性のない一話完結ものの名作と言えば、古畑任三郎やリーガルハイ。

    アンナチュラルはCSIっぽいと言われたりもしますが、実をいうとCSIはタランティーノ回しか見たことがない。作るにあたって念頭に置いたのはBBCのシャーロック。あのスピード感と物語の密度と、一話完結ながらも次回を見ざるを得なくなる吸引力。とにかく面白い。おすすめです。

    自身のTwitterで「BBCのシャーロック」を意識したと話す

    仮想通貨が登場した理由

    第6話では、仮想通貨詐欺に手を染める人物が登場。コインチェックからのNEM大量流出が話題になったタイミングでもあり「ドンピシャすぎる」とネットで話題を呼びました。

    「これは私もびっくりしました(笑)。シンプルに今、こういう人たちがお金で揉めるとしたら、現金ではなく暗号通貨かなぁ、と。最初から社会派ドラマをやろうとしていたわけじゃなく『今』を意識し続けていったら自然にそうなってしまった」

    #アンナチュラル 第6話、ご覧くださりありがとうございました。録画の方もありがとう。書いたのは昨年9月でした。偶然of偶然。仕事終わりのビールは最高です。次週第7話、ミコトに勝負を挑む高校生の目的は?坂本vs中堂、その勝負の行く末は?タイムサスペンスな第7話、お楽しみに!

    6話後のツイート。「偶然of偶然」

    「例えば、あまりに時流とドンピシャすぎて、放送中止になってしまっても困るし難しいところですね……。1話を書いたのは去年の夏前で『これから放送までにMERS(中東呼吸器症候群)が上陸したらどうしよう』とヒヤヒヤしました(笑)」(※1話は感染症に関するストーリー)

    テーマとエンタメの両立

    本筋は遺体と死因に向き合う重い内容ながら、コミカルにポップに進む登場人物同士の会話も魅力のひとつ。

    野木さんも「テーマ性を押し出すとエンタメからは離れてしまうし……。とにかくバランスをとっていくしかない」と両立の難しさを語ります。

    「例えば、高校を舞台にした7話は、いじめに関する非常に辛い話。ですが、劇中では中堂さん(井浦新)と坂本さん(飯尾和樹)の対決のような少しふざけたシーンも入れています」

    「スタッフからはこの真面目な流れの中でふざけすぎでは? という意見も出たのですが、1時間のドラマがずっとシリアスだと視聴者は辛くない? という気持ちがあって」

    「もちろんそういう要素が話の邪魔になってはいけませんが、笑うこともできるし、考えることもできる、喜怒哀楽いろいろな感情を引き出せる作品にしたいと思って作っています」

    アンナチュラル8話では、ふたたび中堂&坂本が解剖室でコンビを組む⁉ クソ対決が繰り広げられますよー😆 このやりとりは見逃せません✨ 金曜日の放送まであと3日🍀 #tbs #金曜ドラマ #アンナチュラル #石原さとみ #井浦新 #窪田正孝 #市川実日子 #松重豊 #飯尾和樹 https://t.co/qUlq95cSqd

    最終話は「はぁ……って感じ」

    最終話まで残すところ2話。クライマックスの展開を聞かれ「なんかいろいろ大変なことになったままですよね(笑)」と笑う野木さん。

    いち視聴者として毎週楽しく見ているという米津さんは、最終話までの脚本をすでに読んでいるとのこと。

    「感想ですか? 『はぁ……』って感じ(笑)。もうため息しか出てこない。脚本を読ませていただいただけなので、これがどう映像化されるんだろう? と楽しみです」

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    主題歌「Lemon」は公開5日で1000万再生を突破

    「米津玄師×野木亜紀子アンナチュラル対談」は3月6日12時17分までradiko.jpでタイムシフト再生で聞くことができます。


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