東宝、公開日を「金曜」に前倒し 来年4月「名探偵コナン」以降

    土曜初日から変更。狙いは?

    2018年4月以降、邦画の公開初日を原則的に「土曜日」から「金曜日」に変更する――東宝が配給に関する新たな方針を示した。

    これまで「洋画は金曜初日、邦画は土曜初日」の傾向があったが、来春以降は様変わりしそうだ。他社の今後の動きも注目される。

    BuzzFeed Newsは、東宝をはじめ関係各所に変更の背景を聞いた。

    「名探偵コナン」金曜公開に

    11月28日、劇場版名探偵コナン第22作「ゼロの執行人」の公開日が2018年4月13日(金)と発表された。

    同シリーズをはじめ、これまで邦画の多くが土曜日が封切りだったが、今作の公開日は金曜日だ。

    2018年春以降の東宝配給作品を見ると「となりの怪物くん」も4月27日(金)が公開日になっている。

    東宝の返答は

    「2018年GW映画から、大人向け、ファミリー向けを問わず、基本的に東宝が配給する映画は金曜初日になります」

    東宝総務部は、BuzzFeed Newsの取材にそう答える。具体的には先述した劇場版「名探偵コナン ゼロの執行人」以降、切り替わっていくようだ。

    「洋画・邦画で初日が混在する状況を解消することで、お客様によりわかりやすくなれば」

    「プレミアムフライデーなどの言葉も浸透し、余暇の充実に関心が集まる中、これまでより1日早く金曜夜に映画館に足を運んでいただきたいという狙いです」

    他社も続くか? 劇場側は「大歓迎」

    映画業界のリーディング・カンパニーである東宝が金曜公開に踏み出したことで、他社にも同様の動きが広がっていくことが予想されている。

    映画館の支配人の一人は「他社もすぐに東宝に追随するだろう。劇場側としてはプログラムを組むのが楽になるので大歓迎だ」と語る。

    どういうことか。現状ではハリウッド映画の新作は金曜日に公開され、邦画は土曜日に封切られることが多い。すると、1週間に2回「新作映画」を考慮してプログラムを組み直す必要が生じる。

    金曜公開に統一できれば、1週間単位で上映スケジュールを決定できる。「時間変更を減らせて、お客様にもわかりやすくなる」。

    「働き方改革」影響の指摘も

    加えて、複数の映画関係者が指摘するのが「働き方改革」の影響だ。

    ある配給会社の社長は「企業コンプライアンスの一環で、土曜日の労働を減らしたいようだ」と推測する。

    邦画の場合、公開初日の土曜日にキャストが複数回舞台挨拶することが多い。金曜公開になった場合、現場ではどんな変化が考えられるだろうか。

    「初日金曜の夜、お仕事帰りの時間に合わせた舞台挨拶はありえると思いますが、例えば子ども向け作品のイベントは土日が中心であることは変わらないでしょう。作品によって都度検討していくことになると思います」(東宝宣伝部)

    続報:松竹も同様の施策を取るそう。12月半ばに正式発表となる。

    映画業界が変わる?公開初日が「金曜」に 東宝・松竹が来春から

    BuzzFeed JapanNews