深夜まで忙しくあなた、自炊が苦手なあなた。コンビニで買える健康的なごはん、教えます。

東京労災病院治療就労両立支援センター がWebサイトで公開している「深夜勤務者のための食生活ブック―健康をめざすコンビニ食の選び方―」が注目を集めています。
この冊子を制作した、同センターの管理栄養士の平澤芳恵さんに背景を聞きました。
知らなんだ・・・東京労災病院両立支援センターのホームページにこんな資料の宝庫があった・・・ https://t.co/wzo0adq7Tk
深夜のコンビニ、軽食を買うなら何を?
深夜に働くタクシー運転手たちへのアンケートを元に作られたこちらの冊子。回答者538人のうち、71.9%が「深夜にコンビニを利用する」と答えました。

健康上の悩みや生活習慣なども同時にヒアリングし、コンビニでごはんを購入する時の選び方やポイントをまとめています。
夜勤前の食事の取り方はこんな風に3つにわけて解説。
- 勤務前(夕方〜夜):「日勤時の朝食をイメージ」し、エネルギー源となる炭水化物がしっかりと
- 勤務中(深夜):タンパク質や野菜を組み合わせ、400キロカロリー程度に抑えて
- 帰宅後(朝〜昼):油分の多い食事を避け、消化が良いもの

加えて、「高血圧が気になる人」「糖尿病が気になる人」「尿酸値が気になる人」「お酒の飲み過ぎが気になる人」「むくみが気になる人」など、9パターンのお悩みにフォーカスし、それぞれに合ったコンビニ食の選び方をアドバイスしています。
例えば「高血圧が気になる人」が深夜や明け方に食べる食事としては、「鮭おにぎり+海藻サラダ」「納豆巻+アボカドサラダ」「サンドイッチ」を提案しています。

夜勤がない人にも役立ててほしい
平澤さんによると、この冊子が作成されたのは2016年、Webで公開したのは2017年。
「夜勤が多いタクシー運転手の方に食生活についてアンケートしたところ、24時間開いており、駐車場がある店舗も多いコンビニの利用率は圧倒的でした。そんな身近な場所で、少しでも健康的な食事を選んでほしいと思って制作しました」
「タイトルには『深夜勤務者のための』とありますが、現代社会で深夜まで忙しく働く人、日常的にコンビニで食事を買う人は多いですよね。サラリーマンやOLさん、学生さんなどにも広く役立ててもらえれば」
実際、平澤さんの元には「若者が多い会社なので、コンビニや外食を活用した食生活のポイントを教えてほしい」などのセミナー依頼もあるそう。
今回のような資料を活用し、健康的な食事のポイントを広く伝えています。
「自炊しなさい、なんて言われてもみんな忙しい」
Webサイトには「管理栄養士が紹介する!コンビニ弁当&サラダ・お惣菜」という月2回更新のコーナーも。なんと10年以上に渡って更新され続けています。
目まぐるしく入れ替わるコンビニの商品をチェックし「今、おすすめなのはこのお弁当」を紹介。季節にあったメニューを解説してくれているのがうれしい!

このコーナーが生まれたきっかけは、平澤さんがさまざまな職種の人の食事相談に応じる中で「コンビニで買うならこれがいいよ、こういうの食べたらいいよ、と具体的に提案してほしい」という言葉を聞くことが多かったためだそう。
「一昔前の栄養指導は『コンビニなんてダメ』『自炊しなさい』でしたが、そうは言ってもみなさん忙しいですよね」
「食事は毎日のことですから、負担なく続けられる方がいい。選び方の知識があれば、応用できる範囲は広くなります」
「コンビニ各社はこの数年健康志向が高まっていて、もはや『コンビニ=不健康』というわけでもありません。紹介しているものとまったく同じメニューでなくても、似たようなものを選ぶ参考にしてもらえればいいなと思っています」