「お家で休もう!」ある風邪薬の“頑張らない”広告にSNSで共感の声
これが当たり前になっていったらいいな〜!
「やっと当たり前のことを言ってくれる時代になった」

JR山手線や大阪メトロ御堂筋線で展開している車内広告で使われているコピー
風邪薬「パイロンPL」の広告コピー「かぜの時は、お家で休もう!」がSNSで注目を集めています。
従来の風邪薬のキャッチコピーのイメージといえば、「絶対に休めないあなたへ」「速攻! 一撃!」など、「休まず治す」「なるべく早く治す」をうたうものが多い印象。
その裏返しか、「時代にあっている」「世の中こうあってほしい」など多くの共感の声が集まっています。
このコピーを採用した理由は? シオノギヘルスケアの担当者に聞きました。
「かぜの時は、お家で休もう!」やっと当たり前のことを言ってくれる風邪薬の広告が出る時代になった
「つらくても頑張ること」を良しとしない
昨シーズン(2020年初頭)は、店頭のボードで「かぜの時は、しっかり休もう!」というコピーを使用していた「パイロンPL」。
今年は少し変更し、「かぜの時は、お家で休もう!」にアップデートしたそうです。
「風邪をひいた時、家族や友達、恋人など大切な人にうつしてしまうことが心配だという声が多かったことから、このコピーを採用しました」
風邪薬は、あくまで発熱やのどの痛みなどの症状を緩和するもの。
「風邪を治す」ために何より必要なのは、栄養をしっかり取って、しっかり休むこと。
「消費者の方にとって何が一番よいのか?を考えた時、『つらくても頑張ること』を良しとして、それを私たちが助長するのは適切ではないと感じました」
「しっかりと根本から風邪を治して頂きたい、お客様に寄り添うかぜ薬でありたいという想いをこめました」
つらい時は休める社会、になるように
新型コロナ以後は特に、微熱やせきなどの「頑張れば仕事に行ける程度」の症状でも無理せず休もうという機運が高まりつつあります。
ですが、いつでも気軽に休める――とはまだ言い難い人も多いのでは。
製薬会社として、トレンドの変化はどう感じているのでしょう?
「ひと昔前は『無理をしてでも頑張る』『つらくても頑張る』時代であったように思います。しかし、平成、令和になり働き方改革などが進み、特に、COVID-19の流行により、テレワークが一気に加速しました」
「消費者の働き方への意識が変化する中で、『かぜの時は休むこと』が当たり前になり、『つらい時は休める社会』になるよう願っています」