「トイレにポーチを持っていくのが恥ずかしい」憂鬱な生理の日をもっと快適に。“話題のアイテム”を10代が使って感じたこと

    10代のティーンの生理の悩みは大人と違ったものがあります。憂鬱な生理期間を快適にする、話題の最先端アイテムを使ってみたら……こんな新たなニーズが見えてきました。

    みなさん、生理用品はどんなものを使っていますか? 今、少しずつ注目を集めているアイテムが「吸水型」の生理ショーツです。

    吸水型ショーツの特徴は、クロッチ部分に吸水素材が使われており、下着本体が経血を吸収すること。

    ナプキンをこまめに取り替えたり、漏れてしまったらどうしようという心配がなくなるのが何よりのメリットです。

    人によってはナプキンやタンポンなしでこの下着1枚で過ごせるという優れもの。他の生理用品と併用する場合も、経血があふれる心配もぐっと抑えられます。「この楽さ、一度使ったら手放せない!」と愛用する人も増えています。

    日本でも認知度を高めつつある吸水型の生理用ショーツ。

    数年前までは、アメリカや台湾、韓国などのブランドがほとんどでしたが、国内でも複数の会社が続々と参入しています。2021年3月には、GUからも手頃な価格で登場し話題を呼びました。

    多くの商品が成人女性向けですが、2月にジュニアライン「ベア ペティート シグネチャー ショーツ」をいち早く発売したのがBé-A Japan。

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    最先端の快適さを子どもたちに届けたい、早いうちから少しでも生理への不安や抵抗感を薄めてほしい――。

    初潮を迎えたばかりで生理そのものへの対応に不慣れな子どもたちはもちろん、障がい児や介護の現場という新たなニーズも見えてきたと言います。

    Bé-A Japanの協力を得て、初潮を迎えたばかりの小学生、発達障がいの高校生の娘を持つ保護者の方の2人に体験談を聞きました。

    「トイレにポーチを持っていくのが恥ずかしい…」小学生のリアル

    まずお話を聞いたのは、小学5年生の宮川春美さん(仮名)。

    小4の終わりに初潮を迎えた春美さん。比較的体の成長が早かった方で、周囲の同級生たちはすでに生理がきている子、まだきていない子はまちまち。まだまだ友人同士で生理について気軽に話せるような雰囲気ではないそうです。

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    小学5年生の宮川春美さん

    「トイレに行く時にポーチを持っていくのは、生理だとバレてしまうので恥ずかしいです……。なるべく隠して、こっそり教室を出ていました。ナプキンを開く時のカサカサした音も目立ってしまって嫌だった。誰かに聞かれてたらどうしよう、って」

    ナプキン以外に何かよい生理用品はないのだろうか? と調べた母が吸水ショーツの存在を知り、使い始めました。今は同じものを2枚持っており、生理期間はナプキンを使わず吸水ショーツだけで過ごしていると言います。

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    「ナプキンがずれたらと思うと一日中なんとなく不安だったし、体育の時間も思うように動けなかった。今は安心して過ごせるようになりました」

    「友達の家に遊びに行ったとき、トイレで困ることがなくなったのもうれしいです。ゴミ箱がなくて、捨てたいともなかなか言えず、使用済みのナプキンをティッシュでくるんで持って帰ってきたこともあったので」

    春美さんのように生理を迎えたばかりの年齢だと、大人に比べて周期や量も安定していないことがほとんど。普通のショーツと変わらないシルエットで身につけられ、さりげなく生理に備えられるのも魅力です。

    春美さんの母も、子どもへのメリットをこう話します。

    「ナプキンを変える面倒や手間がないというのももちろんですが、『急にきちゃった』という時も安心なのが、精神的にもすごくよさそうです」

    「私も幼い頃に経験がありますが、下着やスカートを汚してしまうと、子どもにとってはすごくショックですもんね。今後、修学旅行や部活の合宿など、泊まりがけの行事でもとても役に立ちそう」

    「まだ生理に不慣れな子どもたちこそ、こういう商品に早いうちから触れておくと、失敗や恥ずかしい経験が減り、生理に対する抵抗感や苦手意識も薄まるのでは。私も子どもの頃にほしかったなぁ、と娘を見ていて思います

    「最近は私も一緒に、親子で愛用しています。周囲のお母さんたちにも『今はこんなのがあるんだよ!』と積極的にすすめています」

    見過ごされてきた「障がい者の生理」

    子どもたちに向けた商品を展開したことで、可視化された新たなニーズもありました。さまざまな事情で、ナプキンを適切に取り扱うことが難しい障がい児たちです。

    「正直、この子が男の子ならよかったのに……と頭によぎってしまうほど、親にとって大きな悩みでした」

    そう話すのは、岐阜県に住む松田晶子さん(仮名)。知的障がいがある高校2年生の娘・直子さんを持つ母親です。

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    高校2年生の直子さん。母の晶子さんは「もっと早く出会いたかった」「この商品で救われる方はたくさんいるはず」と話します

    直子さんが初潮を迎えたのは小5の頃。それから数年が経ちますが、毎月数日の生理期間中は親としても憂鬱で、ずっと心配が尽きなかったと言います。

    「直子は羽つきのナプキンの折り返し部分をうまく使用することができず、羽なしを主に使っていました。そうすると、サイズが小さく漏れやすいんですよね」

    「自分では取り替えるタイミングに気づくのが難しく、トイレに行く回数が少なかったり、うまくナプキンをつけられなかったり。生理に完璧に対処することは娘には難しい。服を経血で汚して学校から帰ってくる日も少なからずありました」

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    支援学級に通う子どもの男女比は、圧倒的に男子が多く、他の保護者との情報共有もなかなかできなかったそう。

    特に担任の先生が男性の場合は、細かい相談やお願いはしにくく、宿泊行事などがあると生理がかぶってしまわないか心配だったと言います。

    「本人も失敗した時に母に注意されることが嫌だったでしょうし、そもそも『血がついてしまって恥ずかしい』という意識自体が薄いので、周りの反応に混乱することもあったと思います」

    高校卒業後、直子さんが就職を希望している先は食品会社。経血が目立ってしまいそうな真っ白な作業着でより不安に感じていたところで、吸水ショーツの存在を知って購入したそうです。

    最初は「本当にこれだけで大丈夫なの?」と半信半疑で、外出の必要がない休日にトライ。吸水能力も十分で、本人にとっても既存の生理用品より格段に使いやすそうで感動したと言います。

    「こんなショーツがあれば学校や職場に安心して通わせられます。もっと早く出会いたかった」

    娘と同じように知的障がいや身体障がいがあり、トイレに思うように行けない人、上手く処置ができない人、そして保護者や介護者の方にもっと広まってほしいです」

    「障がい者の生理については可視化されることが少ない話題ですが、この商品で救われる方はたくさんいらっしゃると思います」

    「生理だから仕方ない」と諦めない未来を

    Bé-A Japan代表の髙橋くみさんは「大人用のショーツの次はジュニアライン、というのは当初からの願いでした」と話します。

    昨年6月、大人向け商品の先行販売をクラウドファンディングで行った際も資金の使い道としてジュニアラインの開発を明言していました。

    camp-fire.jp / Via camp-fire.jp

    先行販売では約9000人から1億円以上を集めた

    「クラウドファンディングの支援者の方からも『娘にも使わせたいのでジュニアラインに期待しています!』という声は非常に多かったです。『娘の生理を楽にしてあげたい』という親御さんの願いは当然のことなのだな、ということを改めて感じました」

    「試験や面接など大事な場面で思うように実力を発揮できなかったり、全力で体を動かせなかったり……。私たち大人は、生理との付き合いの中で、多かれ少なかれ何かを諦めてきたと思います。早い段階から生理ともっと上手く付き合うことができる商品があれば、少女たちの夢や目標の達成にも繋がるのでは」

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    代表取締役COO 髙橋くみさん(右)

    「家族に気付かれるのが嫌」が48%

    保護者やジュニアユーザーから多くの声を聞く中でわかったのは、生理というトピックが、学校だけでなく家庭内でもまだまだタブーであること。教育の必要性もさらに強く感じたと言います。

    「生理は恥ずかしいこと、隠すもの、という思いも未だ強く、親御さんがなかなか生理について教えることができずにいるということが見えてきました」

    「例えば、娘には生理について教えているけれど、息子にはさほど教えない、お父さんからは何も伝えないなど。むしろ、男兄弟やお父さんには隠したいという状況も多いようです

    「実際、弊社で取った10〜15歳向けのアンケートでは『自宅で、生理ナプキンを替えるのを家族に気付かれるのが嫌だと思ったことがありますか?』という問いに48%のお子さんが『はい』と答えていて、半分のお子さんが!? とびっくりしました」

    「子どもたちに生理や身体そのものの作りの違いや、性差について正しく詳しい知識を広く持ってもらうことは、将来的に社会課題のスムーズな解決につながると感じています。憂鬱になりがちな生理期間を早い内から快適に過ごしてもらうことで、『生理は恥ずかしいもの』『辛くて当たり前』という常識を変えていけるきっかけになれば

    新しい“当たり前”になる日

    吸水型ショーツは記者自身も利用していますが、「自分が子どもの頃にもあればよかったなぁ」とは確かに思います。

    10代の頃の方が周囲の目に敏感だったし、家族や友人とオープンに話すのも恥ずかしかったし、周期や量も安定しなかったし、失敗した時の精神的なショックも強かったし……。「子どもたちこそ使ってほしい」というのは多くの人が同意するのではないでしょうか。

    そして、障がい児や介護が必要な子どもたちにとってメリットが大きいというのも、背景を知ってなるほど! と思いました。

    今回お話を聞いたのは発達障がいのお子さんの親御さんでしたが、例えば、身体に障がいがあって外出先でトイレに頻繁に行くのは負担が大きい――などのケースもありそうです。

    「生理をもっと快適に」というムーブメントは盛り上がり始めたばかり。

    吸水型ショーツの選択肢はまだ少なめ、価格も高めですが、数年後にはきっと新しい当たり前になっているはず。もっともっと普及しますように!

    バズフィード・ジャパン ニュース記者

    Contact Haruna Yamazaki at haruna.yamazaki@buzzfeed.com.

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