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世界は言葉で動かせる スピーチライターってどんな仕事?

政治やビジネスに欠かせない“影”の存在、スピーチライターの裏側を描く「連続ドラマW 本日は、お日柄もよく」が14日から放送される。主演の比嘉愛未さん、監修の蔭山洋介さんに、スピーチライターという職業の魅力、ドラマの見どころを聞いた。

世界を動かす“影”の仕事、スピーチライターを描く「連続ドラマW 本日は、お日柄もよく」(原作・原田マハ)が1月14日(土)からWOWOWで放送される(全4回)。

日本ではまだ馴染みの薄い職業「スピーチライター」の魅力や裏側を描く。

主人公は、ある出会いをきっかけに、普通のOLからスピーチライターを目指すことになる二ノ宮こと葉(比嘉愛未)。伝説のスピーチライター・久遠久美(長谷川京子)に弟子入りし、人と社会を動かすスピーチ作りに挑戦していく。

バラク・オバマ大統領の「Yes, We Can」、安倍晋三首相の「アベノミクス」など、誰もが耳にしたことのあるフレーズもスピーチライターが生み出したもの。

単に原稿を用意するだけでなく、現状や課題を分析などもおこない、コンサルタントや心理カウンセラーのような面も併せ持つ仕事だ。

BuzzFeed Newsは、主演の比嘉愛未さんと、ドラマの監修にあたったスピーチライター・蔭山洋介さんの2人に、スピーチライターという職業の魅力、ドラマの見どころを聞いた。

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スピーチライターって、どんな仕事?

――スピーチライター、と聞いてもイメージが浮かぶ人は少ないかもしれません。

比嘉愛未さん:そうですよね、多くの方と同じように私も「どんな仕事なんだろう?」と、まったく無知なところからのスタートでした。

資料をいただいて勉強して、蔭山さんを含めたさまざまな方にお話を聞いて、少しずつ理解していきましたが「なんて大変な仕事なんだろう」と率直に思いました。

蔭山洋介さん:スピーチを「書く」部分だけが仕事ではないんですよね。なかなか伝わりにくい仕事だとは思います。

比嘉:役者である自分の立場で考えると演者一人ひとりと話し合って、励まして、よりよく伝わる演技ができるよう、表舞台に立たずに導いていくところは「ドラマや舞台の演出家さんに近いのかな? 」と思いました。

蔭山:その通りですね、メンタルを整えるのも大事な仕事の1つです。大舞台に挑む前に「これだけ準備してきたんだから大丈夫ですよ!」とポジティブに持ち上げて緊張を和らげたり。口ではそう言いながら、内心不安でドキドキ……ということもありますが。

比嘉:気持ちは寄り添いながら、スピーチの間は祈るような気持ちで見つめるしかできないんですよね。こと葉として「がんばれ!」と念じてるあいだは演技ではなく本心で応援していて、不思議な感覚でした。

衣装も美術も「すごくリアル」

蔭山:比嘉さんや長谷川さんの振る舞いもそうですが、衣装や美術もすごくリアルで「仕事中、覗かれてたのかな?」と思うくらいでした。衣装、かなりたくさん着てますよね?

比嘉:はい、派手すぎず地味すぎず、シーンごとに少しずつ変化していく衣装は注目してほしいです。同じ1日でも、TPOや会う相手に合わせてインナーや着こなしが変わっているんですよ。

蔭山:僕も打ち合わせの合間に、合わせる小物や色使いを変えることはよくあります。基本は“影”ですが、大きな会社の社長や政治家の方であっても対等に信頼してもらえる存在でなくてはならないので、品よくあることには気をつけています。

演技とスピーチの違いは?

――役者さんも言葉を操る仕事ですが、スピーチと演技は違うものなのでしょうか?

比嘉:全然違いますね! 人前に立つという意味では同じですが、言葉の出どころがまったく違います。

お芝居のセリフは、与えられた言葉を自分の身体を通して表現するものですが、スピーチはそれ自体が「自分の言葉」でなくてはいけないんです。気持ちを込めるのではなくて、感情的になりすぎてもだめで。

蔭山:そうなんです、スピーチは「感情を込める」ものではありません。自分の思いをきちんと言葉に起こせれば、それ自体が真実の言葉になるので、感情を乗せる隙はないはずなんです。

比嘉:普段の私は、こと葉に似て気持ちで勝負してしまうタイプなので、すごく勉強になりました。

いつも全力で体当たり! では伝わるものも伝わらない。冷静でありながら、言葉の力で鳥肌が立つくらいの一体感や熱気を作れるのがスピーチの面白さだと思いました。

蔭山:実際、スピーチの指導を受けた後は「淡々と冷静にしゃべっているだけなのに、これまでと聴衆の反応が違いすぎる」「こんなに聞き入ってくれたのは初めて」と驚く人もいます。まるで魔法のように感じるそうですよ。

「つまらないことしか言えないから苦手で……」と言う方もいますが、つまらなくていいんです。大事なのは「あなたは何を感じたか」に素直に、誠実であることなので。

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政治家や偉い人だけのものじゃない

比嘉:ドラマや映画の撮影の打ち上げやパーティなどでちょっとした挨拶をするのが苦手だったんですが、この作品を通して、意識するポイントがわかってきました。「すぐに話し出さず、まずはじっと静かになるのを待つ」とか「会場全体を見回して語りかける」とか。

スピーチ大好き! という人はあまりいないですよね。言葉だけ聞くと、選挙や大統領選など大きな舞台のイメージが強いですが、「人に何かを伝える」ことは誰にとっても身近なものなので、ヒントになるシーンはたくさんあると思います。

蔭山:スピーチは、相手の行動がどう変わるかがすべて。人の心に寄り添って、人を動かす言葉を生み出す役割です。正しさや論理をふりかざして人が動くなら、こんな世界になってないですからね。

「人を動かす言葉」という考え方は、日々の生活の中でも応用できますし、使わない手はありません。これからもっと注目が高まっていくと思います。

――劇中ではスピーチのシーンも多いですが、特に印象的だった言葉はありますか。

比嘉:「愛せよ。人生において、よきものはそれだけである」。

第1話、こと葉がスピーチライターを目指すきっかけにもなる、久美さんの結婚式の祝辞の一節です。

メッセージ自体もとても素敵ですし、私の名前「愛未」に込められた思いとも通じる気がして、人生のテーマとして残しておきたい大切な言葉になりました。きっとこんな風に、みなさん一人ひとりの胸に響く言葉と出会えると思います。

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バズフィード・ジャパン ニュース記者

Haruna Yamazakiに連絡する メールアドレス:haruna.yamazaki@buzzfeed.com.

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