刑務所でも「クスリやりてえ!」が本音だった。田代まさしが赤裸々に明かす薬物依存

    「捕まる度に、もう二度とやってはいけないって強い意志を持つんだよ。それでもね、目の前に出されると、大切なものよりクスリの魔力が勝っちゃうんだ」

    「逮捕されてもやめようって思わないんですか?」「毎回思う、それは。毎回」

    元タレントの田代まさしさんが、薬物依存症に苦しんだ実体験を赤裸々に語る「教えて★マーシー先生」が7月4日、11日の2週連続でNHK Eテレで放送されます。

    覚せい剤取締法で過去3度逮捕され、計6年半服役した田代さん。

    1週目は、刑務所での暮らし、薬物依存の実態を語ります。

    「刑務所にテレビとかあるんですか? 」という質問には

    あるよ。1チャンネルしか見られないんだけど。……言っていいのかな? NHKだけね。

    と回答。刑務所の日常をコミカルに話しつつ、服役してもなお薬物を求め続けていた心境を明かします。

    (薬物で)捕まって刑務所にいるのに「ダメ。ゼッタイ。」のポスターが貼ってあるの。わかってるからね、ここにいるやつはみんな。

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    田代まさしが刑務所での暮らしを語る【バリバラ 教えて★マーシー先生1限目】

    ――刑務所の中にいた時の本音はどうだったんですか?

    クスリやりてえ!

    「断(た)ってる」んじゃないんだよ、「やめさせられてる」だけなんだよ。コントロールできないのが依存症なんです。

    捕まる度にファンをがっかりさせた、家族に心配をかけた、もう二度とやってはいけないって強い意志を持つんだよ。それでもね、目の前に(クスリを)出されたり辛いことが起きると、大切なものよりも(クスリを)魔力が勝っちゃうんだ。

    薬物依存症に詳しい精神科医の松本俊彦さんは、「刑務所にいても依存症は回復しない」「『気を引き締めて』『強い意志を持って』というのは無理な話」と患者の実態を説明。克服するには適切な治療が必要と語ります。

    2週目は、田代さんが通うリハビリ施設「日本ダルク」にカメラが潜入。

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    予告動画の中では、薬物依存症の当事者同士でざっくばらんに話し合う「ミーティング」の様子が紹介されています。誰が何を話しても、互いに意見しない、否定しないのがルールです。

    僕は若い頃シンナーを吸ってたけど、シンナーも時が来たらやめられたから、覚醒剤も同じようにやめられると頑なに強く思ってたの。でも全然、やめられなかった。こんなにやめられない病気にかかると思ってないよね。

    世間では自業自得って言われるんだな。

    メディア報道で苛烈なバッシングを受け、孤立感を深めていた当時の心境も。

    「クスリを使っている人は見るけどやめてる人を見たことがなかった。施設に通ってやめている人がいるのをもし早く知っていれば」と過去を振り返ります。

    「あしたはどうなるか分かりません」

    田代さんは今回の番組にあたって、以下のようにコメントしています。

    もちろん、僕の話は全員に納得してもらえる話ではないでしょう。それでも正直に自分の思いを話したつもりなので、依存症のことを知らない人とか、いま悩んでいる人とかいろいろな人に届いたらいいなー。

    それともうひとつ、ここまで元気になって話せるようになった僕ですが、あしたはどうなるか分かりません。これからも一日一日を積み重ねて、依存症から回復している姿を見せていきたいです。

    「教えて★マーシー先生」(全2回)の放送は7月4日夜8時からと、7月11日夜8時から。