もし、あなたに「政府が決めた運命の相手」がいたら。

    その運命、信じる? 信じない?

    映画「恋と嘘」が10月14日に公開される。政府によって「最良の結婚相手」が決められる近未来の日本を舞台に、高校生の恋を描くラブストーリーだ。

    BuzzFeed Newsは主人公・仁坂葵を演じる森川葵さんにインタビュー。今ドラマや映画に引っ張りだこの注目の若手女優に、撮影現場の裏話や演技の仕事への思いを聞いた。

    「運命の相手」に会える世界だったら?

    物語の舞台は「超・少子化対策法」が制定された近未来の日本。

    16歳になると、遺伝子情報などをもとに決められた“最良のパートナー”が政府によって通知される。原作である人気漫画の設定を生かしたアナザーストーリーだ。

    「運命の相手」に必ず出会えるロマンと、普通の恋愛が許されない不自由さ。森川さんがもしこの世界に生きていたら?

    「もし政府通知があったら……うーん、とりあえず会ってみたいですね。生きてて理想の相手に出会えるかどうか、この人が本当に一番かって、わからないじゃないですか。そういう人と出会えた時、自分がどう感じるのかは気になります」

    主人公・葵は、ずっと見守ってくれてきた幼馴染の司馬優翔(北村匠海)と、政府通知の相手・高千穂蒼佑(佐藤寛太)のあいだで揺れる。ほぼ同世代の3人は今回が初共演だ。

    三角関係のヒロインは少女漫画の定番。「女の子たちが憧れる理由がわかりました(笑)。2人ともタイプが全然違う上に、役のイメージともそれぞれ違って、最初は『キャスティング、逆の方がよかったんじゃ!?』と思ってしまったくらい」

    「匠海くんは3人の中で一番年下だけど、一番精神年齢が高くて落ち着いてて、なんでもまかせられる人」

    「逆に、寛太くんは、高千穂の時はあんなにクールなのにいつもは小学生みたいにやんちゃ! 寛太くんがいると現場がパッと明るくなります」

    主人公「仁坂葵」の名前は、原作者・ムサヲが2016年の新生児名前ランキング1位からつけたという。森川と同じだったのは偶然とはいえ、縁を感じるエピソードだ。

    「台本をもらった時、まだ役名が決まってないから仮で入れてあるのかな? と思っちゃいました」

    「匠海くんも寛太くんも監督も、普段は『葵ちゃん』なんですが、劇中では『葵』と呼び捨てになるので……ちょっとドキッとしますよね」

    キラキラきゅんきゅん映画…じゃないの!?

    2人の思いを受け止めるヒロインを演じる上で、古澤健監督から言われたのは「女から見て嫌な女にならないように」。確かに、自分に告白してきた人と政府通知の相手をわざわざ会わせるなんて、嫌な感じに見えかねない……。

    「でも、葵は純粋に、自分を支えてくれている2人に仲良くなってほしいと思ってるんですよね。だから変に考えすぎずに、2人に身を任せて自然体でいるように心がけました」

    想像していた「運命の王子様」と違う! と戸惑いながら、無愛想な高千穂と少しずつ距離を詰めていく葵。中盤の水族館でのデートシーンは恋愛映画らしく、ときめくシーンの連続だ。

    「水族館のシーンは、すねてる高千穂くんが、すっごくかわいかったです(笑)。彼はいつも葵を置いてどんどん先に歩いていっちゃうんですが、この時は少し雰囲気が違うんですよね。『なんだ〜! かわいいとこあるな〜!』って、ちょっとにやにやしちゃいました」

    終盤のハイライト、葵が司馬の秘密を知って一人で泣くシーン。古澤健監督からはこんなサプライズがあった。

    「私一人だけで、うまくできるかずっと不安だったのですが、監督が私に内緒で匠海くんを呼んでくれて。『司馬として、葵を側で見ててあげて』って、その日撮影がなかった彼をわざわざ現場に連れて来てくれたんです。監督の細やかな心遣いにも、匠海くんの優しさにも感動しました」

    心優しい“最高”の幼なじみと、政府が選んだ“最良”の結婚相手。葵はどちらを選ぶのか――物語は予想外の展開を迎える。

    「最初に台本を読んだ時、私もびっくりしました。これってキラキラきゅんきゅん映画じゃないの!? というラスト。エンドロールのあとまで見逃さないでほしいです」

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    モデルから女優へ、そしてこれから

    ファッション誌「SEVENTEEN」でモデルデビューし、この数年は女優としての活躍も目立つ。

    特に去年から今年にかけては、ドラマ「プリンセスメゾン」「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」、映画「花戦さ」「先生!、、、好きになってもいいですか?」(28日公開)など話題作に多数出演している。

    明るく爽やかな役から、影のある役まで幅広くこなすが、プライベートは「超インドア派」。

    人見知りで話すの上手じゃないし、休みの日はずっと部屋で寝たりテレビ見たりぼんやりしてるし……と小さく笑う。「仕事の時はスイッチ頑張って入れるんですが、普段はあんまり、です」。

    「少し前までは、自分の役だけに必死だったんですが、最近は物語の中での役割を考えるようになってきました。頭を使ってお芝居できるようになったというか……余裕が出てきたのかな。いま、演技のお仕事、楽しいです」

    BuzzFeed JapanNews