羽生善治「永世七冠」誕生! 藤井四段「羽生先生が積み上げてこられたものの大きさを改めて感じています」

    「前人未到というか……今後この記録に並ぶ人はいるんでしょうか」

    12月5日、羽生善治棋聖が渡辺明竜王に勝利し、竜王のタイトルを獲得。前人未到の「永世七冠」を達成した。

    永世七冠って?

    将棋界には現在、名人・竜王・王将・王位・王座・棋王・棋聖・叡王の8つのタイトルがある。

    そのうち2017年に新設された「叡王」以外の7つは、「通算5期」(名人)、「連続5期か通算7期」(竜王)など、それぞれ一定の条件を満たして複数回奪取すると永世称号を得られる。

    タイトルを1期獲得するだけでも大変な偉業だ。羽生善治棋聖は、たゆまず勝ち続け、今回の竜王戦に挑む段階で、6つの永世称号を獲得していた。

    1996年、25歳で「七冠」独占を達成した羽生善治棋聖。21年後の今年、47歳2カ月で新たな伝説的な記録を打ち立てた。

    ニコニコ生放送で解説を務めた村山慈明七段は「前人未到というか……今後この記録に並ぶ人はいるんでしょうか」「歴史的な瞬間です」と感慨深げに話した。

    【第30期竜王戦 七番勝負】渡辺明竜王 vs.羽生善治棋聖の第5局は、羽生棋聖が87手までで勝利し、14年振りに“竜王”奪取となり、史上初の『永世七冠』を達成しました。 現在感想戦を生放送中です。感想戦後、永世七冠誕生の記者会見も… https://t.co/tr6khnu1IX

    勝利の瞬間、ニコ生中継はコメントで埋まった

    藤井四段「羽生先生が積み上げてこられたものの大きさを改めて感じています」

    佐藤康光 日本将棋連盟会長、谷川浩司九段、加藤一二三九段、藤井聡太四段などもお祝いの言葉を寄せている

    佐藤康光 日本将棋連盟会長

    この度は四度目の竜王復位、並びに「永世竜王」の資格獲得、「永世七冠」の達成、誠におめでとうございます。前人未到の偉大な記録に改めて敬意を表します。どんな厳しい環境、状況下におかれてもそれを受け入れ、戦い続ける姿勢には畏敬の念にたえません。

    これからも体調にご留意され、益々のご活躍を祈念いたします。

    谷川浩司九段

    永世称号は一つだけでも大変なのに、七つ全てとは信じられません。羽生さんの飽くなき好奇心、探究心が、47歳になっても若手と最新型でぶつかり合う姿勢につながっているのでしょう。相手の得意形に飛び込み、相手も良い内容の将棋を指す中で、結果を出し続けるのが凄いと思います。永世竜王は4度目の挑戦、15年越しということで喜びも一入でしょう。心よりお慶び申し上げます。

    加藤一二三九段

    覇者として将棋界を牽引し続けて30余年。類い稀なる才能をたゆまぬ努力により開花させた羽生さんが、ついに前人未踏の金字塔を打ち立てられたことに最大限の賛辞を送りたいと思います。今後の活躍を益々楽しみにしております。

    藤井聡太四段

    竜王奪取そして永世七冠の獲得、おめでとうございます。

    「永世七冠」という言葉の重みに羽生先生が積み上げてこられたものの大きさを改めて感じています。今後ますますのご活躍を期待しています。