• stayhomejp badge
  • covid19jp badge

「1日中スマホやゲームばかりなんですが…」臨時休校中、どう過ごせばいい?心理の専門家のアドバイス

「1日中スマホやゲームばかりで心配」「生活リズムが乱れそう」。思うように外出もできない臨時休校期間。長い休みを親子で乗り切るために、気をつけることは? 心理の専門家に聞きました。

全国の小中高校で3月2日から始まった臨時休校。4月の新学年までの約1ヶ月をどう過ごしていくか、悩んでいる家庭も多いと思います。

時事通信

臨時休校になり校内を開放して児童を預かる小学校=2日、さいたま市浦和区

普段の長期休暇、例えば夏休みと大きく違うのは、子どもたちの行動に制限があること。

部活動や多くの習い事が中止になるだけでなく、地域や学校によっては「外出禁止」としている学校も。友達とも遊べず、外にも出にくく、不自由な生活が続きます。

子どもたちのストレスがたまるのはもちろん、「子どもと家に一緒にいる時間が長くなり、イライラがたまりそう」「生活の乱れが心配」など不安を抱える保護者の方も多いのではないでしょうか。

親子それぞれがストレスや不安を溜め込まないために、気をつけるべきことは? 元児童心理司で心理カウンセラーの山脇由貴子さんに聞きました。

提供写真

児童相談所での勤務経験も長い、心理カウンセラーの山脇由貴子さん

Q.長い休みを乗り切る上で、親子それぞれが気をつけることはありますか?

まずは、「きっちり生活しようとしすぎない」ことですね。学校に通っているときのように毎日生活するのは絶対無理です。ある程度、生活の乱れを大目に見る寛容さ、管理しすぎないことが大事だと思います。

時間割を作ってその通り過ごすとか、毎日きちんと自学自習をすすめるとか、計画は立てられたとしても、両親が働いていると、うまくいかないことが多いと思います。そこで「今日もうまくいかなかった」とイライラしてしまったら元も子もありません。

勉強の進みも心配でしょうが、みんな遅れているのである程度仕方がないと思います。一足はやく来た春休みですから「勉強して!」とガミガミ言っても、なかなか机に向かいませんよね。親御さんの気持ちもわかりますが、あまりピリピリ、カリカリせずに過ごした方が長期的にはよいと思います。

時事通信

学童保育室でおやつを食べる子どもたち=2日、東京都足立区の千住あずま住区センター

Q.生活リズムを整えるコツはありますか?

お子さんの年齢にもよると思いますが「朝食は何時にきちんと食べる」「夜は何時に寝る」など最低限どうしても守ってほしいことを決めて伝えることでしょうか。

中高生にもなると、親の言うことを素直に聞かないのは当然だと思います。思い通りにならなくて当たり前。

なので、がんじがらめにするのではなく、「感染の可能性が高い場所を確認し、行かないように決める」「帰宅時間はちゃんと共有する」「誰と会っているかはきちんと伝える」など、具体的なルールを決めておくと過ごしやすいと思います。

それから、基本的なことですが、家族みんなで手洗いを徹底すること。新型コロナウイルスに関してはまだわからないことも多いですが、それだけは間違いないですからね。

Q.日中スマートフォンやゲームばかりやっているのがどうしても気になります。「依存症になってしまうのでは」という不安も……。

Matt Smith / Getty Images

イメージ写真

「スマホ依存になりそう」という悩みは普段からよくおうかがいするのですが、自分の経験からいって、そうそうありません。

今は退屈を持て余しているだけで、学校が始まったら始まったで行くし、友達ともたくさん遊ぶはず。これまで学校に行けていたお子さんは、そこまで心配しなくてよいと思います。学校が休みだからという理由に限らず、中高生にとってスマホは手放せないものですからね。

どうしても心配でしたら、最近のスマホやゲームの多くには使用時間の上限を決められる「ペアレンタルコントロール」機能も搭載されています。昼夜逆転して困っている、など、生活にまで影響があれば検討してみても良いかもしれません。

Q.小学生の子どもが体力を持て余していています。まだまだ続く休校、イライラが爆発しないか心配です。

小学生くらいだと、体を動かさないと寝ない、眠れない、ということはありますよね。思うように友達と遊べないのはストレスですよね。

低学年ですと一人で何かするのは難しいと思いますが、その分週末にたくさん遊ぶのはどうでしょう。

文部科学省も屋外での適切な運動や散歩を「重要」としていますし、専門家の話や国の発表を見る限りでも、人が密集していない屋外で遊ぶのは新型コロナウイルスの感染リスクは比較的低いと思います。

Recep-bg / Getty Images

イメージ写真

思いきりボール遊びしたり、鬼ごっこしたり……遊んだ後はきちんと手洗いするなどの対策はしつつ、ずっと家の中ではなく「遊んでいい」時間を作るとずいぶん違うと思います。

自粛ムードの中で自己判断するのは怖いかもしれませんが、しっかり情報収集して、両親で話し合って線引きすることは大切だと思います。

どうしても目先のことで不安になってしまいがちですが、冷静な判断を忘れずに。一人で不安を抱え込みすぎないで、夫婦や親子で共有してほしいです。

Q.在宅勤務も重なり、高校生の子どもと親子で家にいる時間が長くなり衝突が増えそう。ほどよい距離を保つコツは?

それくらいの年齢の子どもとは、話が合わないのが当たり前です。コミュニケーションとらなきゃ、私が面倒みなきゃ、と頑張るより、干渉しすぎず自由に過ごせばよいと思います。

別々の部屋で過ごしてもよいわけですし、息が詰まってイライラするなら外に出てちょっとお茶してもいいし……。何度も言いますが、「ちゃんとやろう」と思いすぎないことが一番大事です。

Q.学校に行けず、友達にも会えない1ヶ月はかなり退屈そう。精神的にリフレッシュできるよう、親としての心がけがありましたら聞きたいです。

どうしても退屈な時間、我慢する時間は生まれてしまうと思うので、「お母さん/お父さんがいる間は楽しく過ごそう」と意識することではないでしょうか。

でも、「『楽しい時間を過ごして』と言われても何したらいいかわからない」という親御さんは結構多いんですよね。本当に何気ないことでいいんです、例えばトランプとか(笑)。

飲み会も残業もなくて、家族が家にいる時間が多いからこそ、原始的なカードゲームで遊ぶと新鮮かもしれないですよ。今こそスマホやゲームに頼らない遊びを発見するチャンス、と逆に考えるのもありだと思います。

Hakase_ / Getty Images

イメージ写真

小学生のお子さんがいるなら、例えば一緒に料理をするとか。ちょっとしたことでも子どもたちにとってはちゃんとイベントになると思いますし、「お手伝いしてくれてありがとう」と伝えることもできます。

中高生くらいになるとこういうことはさすがに無理だと思いますが、それはそれで、お互い「楽しく」過ごしていれば十分だと思います。

いつまでこの状況が続くのか見通しが経っていない、そもそも4月にちゃんと新学期が始まるかわからない……。

そんな状態で不安が募るのは、当たり前だと思います。そして、その皆さんの不安は新型コロナウイルスそのものに対してではなく、先が見えないことへの怖さですよね。

でも、ずっとこのままということはありません。親が動揺すると、子どもも萎縮してしまいます。

先が見えないという点はどうしようもありませんから、せめて気持ちのうえでは「そのうち学校も行けるよ、友達とも遊べるようになるよ」「今は今で楽しもう」くらいにとらえて、おおらかに過ごしてもらえればいいなと思います。