「おじさんたちねぇ、ほんっと自由なんですよ!」人気俳優は“爆弾処理”をやり遂げる
映画にドラマに引っ張りだこの俳優・濱田岳さん。日本を代表する100人の名優たちが集まった映画の現場では“爆弾処理班”を担ったそうで…?
見た目は若手、中身はベテラン。その俳優の名は…

濱田岳。今、映画にドラマに引っ張りだこの俳優です。
日本を代表する“名脇役”が本人役で登場し、大きな話題となったドラマ「バイプレイヤーズ」シリーズの待望の劇場版『バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~』に出演しています。
タイトル通り100人の日本を代表する役者たちが次々に登場。観ている側が「よくこんなに集まったな!?」と驚いてしまうほど豪華な顔ぶれです。
濱田さんはこの作品に、映画監督を志し、仲間たちと自主映画制作に挑む“若手チーム”の筆頭として出演しています。

32歳ながら、実はすでに20年以上のキャリアを持つ濱田さん。今回の現場では、“爆弾処理班”を担ったそうで…?
“厄介”なおじさんたちと
――映画『バイプレイヤーズ』、ドラマにも増して豪華なキャストでした。
豪華でしたよねぇ。ドラマよりも一気に役者が集まるチャンスが多かったので「贅沢だなあ!」「こんなに一気に揃うんだ」と一人の観客としてわくわくしました。
これまで共演した方もたくさんいらっしゃったので、撮影の合間にお久しぶりです! ってお話しするのも楽しかったですね。
――ドラマ版に続き、“元祖バイプレ”の4名(田口トモロヲ、松重豊、光石研、遠藤憲一)ストーリーテラーのような位置づけでした。

4人はホームグラウンドというか、独特のリラックス感がありましたね。ずっとやってきた先輩たちなりのペースがあるから、淡々と。
厄介だったのは……寄せ集められたおじさんたちですね。
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ドラマ版でいろいろあり、制作が頓挫した「アウトローの森」。映画では出演予定だったおじさんたちが小人になる「小さいおじさん」という新作に
――「小さいおじさん」チーム!
おじさんたちねぇ、ほんっと自由なんですよ(笑)。
突然奇声をあげる人がいたり、「俺、実は全然台本読んでないんだよ」って自慢する人がいたり。
――自慢する方向が…(笑)
「そうっすか」しか言えないですよね。この作品は好きにやっていいと思ってんのかな?(笑)好き放題やっている姿、傍から見ている分には楽しかったですけどね。

“爆弾処理班”のエース、柄本時生
――濱田さんも付き合わされました?
やってるやってる、と思って見ていたら、「こっちに球飛んで来た! めんどくせえ!」ってことはありました。
そういう時は(柄本)時生を「お前いけ!」って前に押し出して(笑)。全部、時生に拾ってもらっていましたね。

――松居大悟監督は、「濱田岳君の力量が大きい」「現場で何が来ても受けられるし、対応できる」と濱田さんの演技力、現場での振る舞いを絶賛していましたよ。
本当ですか? もしかしたらそれ、演技力というより“爆弾処理班”みたいな意味じゃないですかね? 「なんとかしてくれて助かった!」みたいな。
――あと、犬の演出も大変だったと。
それも、ほぼ時生の担当でしたね。ワンちゃんからアクの強いおじさんまで、なんでもやらされる時生。
――爆弾処理班のエースとして。
エースでしたね。大活躍でした。

現場で生まれた「木の実ナナ」
――ドラマの第1話から「コナン君のコスプレ」でネットを沸かせていましたが、どうでしたか?
どうもこうもないです! 何の感情もない!(笑)
第1話ご視聴ありがとうございました🙏🏻 #バイプレイヤーズ いかかでしたか💓? キャラが大渋滞していましたね🤣 最後は㊙️にしていた #濱田岳 さんのお写真を公開📸✨ 次回もぜひお楽しみに🍌🍌 #田口トモロヲ #松重豊 #光石研 #遠藤憲一
――1話から悪ふざけしてくるなぁ! と見ている側は楽しかったです。
連ドラ「チーム7」出演の面々が、各々勝手に有名刑事もののコスプレをしてくるというシーンだったんですよね。
時生が古畑任三郎、杉野くんが青島刑事(『踊る大捜査線』)、志田(未来)さんがスケバン刑事、近藤(芳正)さんが右京さん(『相棒』)、(渡辺)いっけいさんがコロンボ。
で、勝村(政信)さんが「え、誰……?」ってみんなでなって。
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「いや、どう見ても松田優作でしょ! 『太陽にほえろ!』だよ!」「見えないよ!」「木の実ナナかと思った」って盛り上がりました。
――あれ、そのツッコミ、本編でも使われていましたよね?
そうそう、みんなで大笑いしていたらセリフとして採用されたんですよね。そういう雰囲気の現場でした。

「いつまで続くかな」で今になった
――9歳から20年以上のキャリアを持つ濱田さん。ドラマでも「見た目は若手、中身はベテラン」とコナン君風のコピーがついていましたが、ご自身としてはいかがですか?
今もどの現場に行っても初日は緊張しますし、キャリアを積み上げてきた実感は正直自分ではあまりないんですよね。
でも、そう言ってもらえるくらいやってきたんだな、と教えてもらった気がします。客観的な意見を聞いて、恥ずかしいような、ありがたいような。

――役者をやめようと思ったこともありますか?
ありますよ。学業か仕事か? って人並みに迷うこともあったし。でもその時々でちょっとしたきっかけがあって、「じゃあもう少しやるか」と続いていますね。
なので、俺は役者でやっていく! と決めた瞬間があったわけではないんですよね。「9歳で始めたこれ、いつまで続くかな」って感覚かもしれないです、今も。
「勉強はいつでもできるから、目の前のチャンスを頑張ろう」と思っていたら32歳になっていた。
――いい意味で肩の力が抜けた雰囲気が濱田さんの魅力ですが、若い時はもっとギラギラでした?
どうだろう? そうでもなかったと思います。
同じような若さでも、役者を夢見て上京してきたようなタイプだと、もっと野心むき出しですもんね。
僕は学園もののグループショットで、前にグイグイ来ようとするやつに場所、ゆずっていましたよ。「おうおう、元気あるな!」「もっと前来なよ!いいとこ映りな!」みたいな(笑)

――バイプレイヤーズ=脇役の面白さはどこにあると思いますか?
主演の方々よりいろんな現場を経験できる、いろんな人に会えること。
あとは、自分たち次第でどうにでもなるぞ、というのは常に意識しています。素晴らしい主演の方がいても、最高の演出でも、周りの役者がダメだと駄作と言われることもある。責任が重いポジションだと思います。
――ドラマ、映画通して、基本はコメディですが「芝居にストイックなおじさんたち、カッコいいな」とぐっとくるストーリーになっていました。

演技力、技術力が素晴らしいのは言わずもがなですが、どなたも変に先輩風を吹かせない、分け隔てないのがカッコいいですよね。大先輩なんだからもっと偉そうにしていてもなんとも思わないのに!
改めて、この仕事を長く続けていく秘訣は人間力なんだろうなぁ、と感じました。
今振り返ってみても「もう二度と会いたくねえな!」みたいな人、いないですもんね(笑)。役者として長く生き残っていく人はそういう人間としての魅力がある人なんでしょうね。
