「おい桐島、お前部活やめるのか?」タイトルを間違えても正解を教えてくれる図書館が話題
読書好きな方必見!読みたい本があるのに、書名を忘れちゃった!そんなお悩みは、ある方法で解決します。
「あ〜〜読みたかったあの本の名前なんだっけ……」

読みたい本の名前が思い出せない……そんな経験ありませんか?書名がわからないため、検索も出来ずに諦めてしまう方も多いのではないでしょうか。
そんな悩みをユーモアたっぷりに解決する方法を紹介した、あるツイートが話題になっています。
話題のツイートって?
4万5千以上リツイート、9万6千以上いいねを集め、大きな反響を呼んだのは…
《疲れたので福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」見てひとしきり笑ってた》
こんなコメントとともに、福井県立図書館のホームページに掲載されている「本のタイトル覚え違い」の事例を紹介したツイート。
「本のタイトルがよくわからない、うろおぼえ。 図書館のカウンターで出会った覚え違いしやすいタイトル、著者名などをリストにしました」と紹介されている覚え違いの数々。
いったい、どんな事例があるのでしょうか?
Q : 男の子の名前で「なんとかのカバン」
A : 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』J.K.ローリング/作,松岡佑子/訳 2001 静山社
気持ちは分かるよ……
Q : 村上春樹の「とんでもなくクリスタル」
A : 『限りなく透明に近いブルー』村上龍/著 1976 講談社
似たタイトルで、『なんとなく、クリスタル』田中康夫/著 新装版 2013 河出書房新社 もあります。
ちょっとずつ、全部違う。
Q : 「ラムネかサイダーみたいな名前の新人作家」「ミステリーで何かの賞を受賞した人」
A : 正しい作家名 清涼院流水(せいりょういん・りゅうすい)
もはやこの質問だけで、どうやって職員の方が見つけたのかがミステリーです……
Q : 「おい桐島、お前部活やめるのか?」
A : 『桐島、部活やめるってよ』朝井リョウ/著 2010 集英社
大喜利か!と、思わずツッコミたくなるような高難易度な覚え違いの数々。
図書館の職員さんは一体どうやって本を探し当てているのでしょうか……?
BuzzFeed Newsは福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」を担当している吉川さんを取材しました。

吉川さんは、「覚え違いタイトル集」3代目の担当者とのこと。先代の担当者から引き継ぎ、ページの更新を担っています。
「覚え違いタイトル集」を作った経緯には、「読みたい本が見つからず困っているお客様に、図書館のレファレンスサービスについて知ってもらいたい」という初代の思いがあったのだといいます。
レファレンスサービスとは、図書館の資料を使い、調べものなどの手助けをするサービスのこと。吉川さんは、こう語ります。
「レファレンスサービスでは、図書館の検索ツールを利用して、普通のインターネット検索では見つからない書名なども見つけることができます」
担当者が選ぶ、個人的ベスト「覚え違い」は?
3代目「覚え違いタイトル集」担当者の吉川さんに、個人的に印象に残っている覚え違いを聞きました。
「主婦の友」とかでよく見るんだけど、名前が読めない人の本。
→正しい作家名 奥薗壽子(おくぞの としこ)。
「強い風が吹いてきた」という本
→正しい書名『風が強く吹いている』三浦しをん著
一見全くヒントがなさそうに見えますが、本のジャンルや出版時期などから検索し、探し当てたのだといいます。
「頭で記憶するときに、少し言葉が違ってしまうだけでインターネット検索が出来ずに、諦めてしまう方が多いです。ぜひ諦めず、図書館の職員に聞いて頂ければと思います」
「図書館をもっと気軽に」

Twitterでの反響を受け、吉川さんはこう呼びかけました。
「こうしたことをきっかけに福井県立図書館を知っていただけることは本当に嬉しいです。レファレンスサービスは福井県立図書館に限らず、全国どこの図書館でも行なっているサービスです。これを機会に、もっと多くの方に図書館を気軽に利用していただければと思います」
図書館の職員さんってすごい!「うろ覚えだけどあの本がやっぱり読みたい……」そんな時は、ぜひ図書館のレファレンスサービスを利用してみて下さい!