原爆の日、2人の小学生が世界に伝えた「戦争をおこさない未来」への思い

    被爆74年目となった広島「原爆の日」の平和記念式典で、2人の小学生が平和への誓いを述べた。そこには、二度と戦争をおこさない未来への想いが込められていた。

    8月6日、広島は被爆74年目の「原爆の日」を迎えた。

    原爆投下の被害で、1945年12月末までに約14万人が死亡したと推計されている。

    原爆の恐ろしさ語り継いできた被爆者の平均年齢は今年で82.65歳となった。

    8月6日にとり行われた平和記念式典では、小学6年生の金田秋佳さん(広島市立落合小)と石橋忠大くん(広島市立矢野小)が、こども代表として「平和への誓い」を読み上げた。

    そこには、「二度と戦争をおこさない未来」への想いが込められていた。以下、全文を掲載する。

    ~「平和への誓い」~

    私たちは、広島の町が大好きです。
ゆったりと流れる川、美しい自然、
「おかえり。」と声をかけてくれる地域の人、
どんなときでも前を向いて生きる人々。
広島には、私たちの大切なものがあふれています。

    昭和20年(1945年)8月6日。
あの日から、血で染まった川、がれきの山、皮膚がはがれた人、たくさんの亡骸、
見たくなくても目に飛び込んでくる、地獄のような光景が広がったのです。
大好きな町の「悲惨な過去」です。
被爆者は語ります。「戦争は忘れることのできない特別なもの」だと。

    私たちは、大切なものを奪われた被爆者の魂の叫びを受け止め、
次の世代や世界中の人たちに伝え続けたい。
「悲惨な過去」を「悲惨な過去」のままで終わらせないために。
二度と戦争をおこさない未来にするために。 

    国や文化や歴史、
違いはたくさんあるけれど、大切なもの、大切な人を思う気持ちは同じです。
みんなの「大切」を守りたい。

    「ありがとう。」や「ごめんね。」の言葉で認め合い許し合うこと、
寄り添い、助け合うこと、
相手を知り、違いを理解しようと努力すること。
自分の周りを平和にすることは、私たち子どもにもできることです。

    大好きな広島に学ぶ私たちは、
互いに思いを伝え合い、相手の立場に立って考えます。
意志をもって学び続けます。
被爆者の思いに、私たちの思いを重ねて、平和への思いを世界につなげます。