月経カップについての初めて国際規模の研究が行われた。その結果、月経カップは安全かつ経済的で、経血の漏れる量が使い捨てナプキンやタンポンと同等かそれ以下であることが明らかになった。
研究を実施したのはイギリスのリヴァプール・スクール熱帯医学研究所。論文は医学誌「ランセット」に掲載された。
データ収集のため3300人の女性に月経カップを使用してもらったところ、約70%の女性が使い方に慣れれば月経カップを使い続けたいと答えた。
研究によると、現在199のブランドが月経カップを販売しており、99カ国で使用されているが、その認知度は未だ低い。27カ国での69のウェブサイトのうち、月経カップについて教育的な側面から触れられているのは21にとどまっている。
経血を吸収するナプキンやタンポンと違い、月経カップは膣に挿入して経血の受け皿となる。経血の量に伴い4〜12時間ごとに取り出して空にする。
カップの形状、大きさ、ステムの長さは様々。素材もシリコンやゴム、ラテックス、エラストマーなど多岐にわたる。研究者によるとカップは最長で10年もつという。
統計によると、世界人口の26%にあたる約19億人の女性が月経年齢だ。1年のうち平均65日にもわたり「月経期」を過ごさなければならない。
のべ293人の女性に異なる生理用品を使用してもらい、経血が漏れる量を比較する4種類の研究を行った。そのうちの3つで月経カップと他の生理用品との結果に差はなく、1つでは月経カップの方が顕著に少なかった。
月経カップを10年使い続けると仮定すると、経済面でも環境面でも他の生理用品よりも無駄が少ないと判明した。同じ10年間で、月経カップの購入費用と廃棄物量はナプキンやタンポンのそれと比べるとごくわずかだ。
1度の生理で12枚のナプキンを使用するとなると、代わりに月経カップを使えば(10年で)購入費用は93%、プラスチックゴミの量は94%も削減できる。
論文を執筆したペネロペ・フィリップス・ハワード博士によると、月経カップを使用する「何千」ものケースのうち、中毒性ショック症候群が発症したのは5例だった。しかし、この中には自己免疫疾患など他の寄与因子があったとも考えられる。
「今のところ、月経カップの安全性に問題があるようなデータは出ていません。しかし月経カップがより広まるにつれて、情報を集めるための検証と評価は欠かせないでしょう」とハワード博士はBuzzFeed Newsに語った。
また博士は一部の研究の質が低いことを指摘し、同分野においてより質の高い研究が求められると述べた。
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この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:髙橋李佳子