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夏祭り「フェア」で撮った写真たちに刻み込まれたアメリカの歴史とは

「撮影場所としてのフェアは、アメリカンな人々や風景をカメラに収めるのに最適な背景のように思えた」

写真家のパメラ・リッキーは、リアーナやジェニファー・ローレンス、オプラ・ウィンフリーといった、世界的に有名で才能のある、おしゃれでクリエイティブな人々を撮り続けてきた。リッキーが撮る写真は、スポットライトが照らし出さない、有名人たちの素顔を捉えている。

リッキーは、話題を集めるこうした撮影の合間に、個人的なプロジェクトに集中して取り組むための時間も取っている。ときには、十分な結果が得られたと感じるまで、何週間も旅をし続けることもある。彼女の最も新しいシリーズ写真は、『アメリカン・フェア』というタイトルの写真集にまとめられ、ケーラー社から出版された。アメリカ各地のカウンティ(郡)で行われる夏祭り「フェア」にまつわる文化を見つめた、とても美しい写真集だ。各地域の中心地の横顔を写したそれぞれの写真は、何世代にもわたって地域社会を1つにしてきた、昔からの風習を私たちに見せてくれる。

アメリカ中を旅し、アメリカで最も古い伝統の1つであるフェアを記録してきたパメラ・リッキーが、BuzzFeed Newsに語ってくれた。

そもそも私がフェアに魅かれた主な理由の1つは、フェアが時代を超えたものだからだ。私は子どものころからフェアを訪れていたが、その当時からほとんど変わっていないというのは、素晴らしいことだと思う。こうしたフェアは、アメリカの不朽の伝統だ。その大部分は、近年、アメリカの多くを巻き込んだように見える対立にも、ほとんど影響を受けていないようで、励まされる思いがする。

このシリーズは、カンザス州コールドウォーターから始まった。車を使って1年の間に周れる詳細な行程を、あらかじめ作成していた。ほとんどのフェアは夏に開催されるので、1日4〜5時間かけて車で移動し、夕方から夜まで撮影することにした。2〜3週間の間に、ほぼ毎日1カ所のフェアに行けるようにするには、綿密な計画が必要だった。

ときには疲れ切ってしまうこともあった。中西部の夏はとても蒸し暑く、体に負担がかかる。フェアのスケジュールによって行き先が左右されたが、用がなければ決して訪れることはないだろう名もない道や小さな町を通った。様々なアメリカの側面を見ることができ、一生に一度の素晴らしい経験となった。

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私はロサンゼルスに住み、たいていはロサンゼルスで働いているが、それぞれ小さな町に息づくアメリカらしさ、その地域社会の仕組み、そこで市民が感じる人と人とのつながりに、昔から興味を抱いてきた。撮影場所としてのフェアは、アメリカンな人々や風景をカメラに収めるのに最適な背景のように思えた。私たちが共有する伝統を大切にしたい、人間として最も基本的なレベルで人とつながっていたいという想いは、今、これまでになく重要なものになってきている。

私にとって、心から気に入っている大好きな写真が何枚かある。写真を気にいる理由は主に、写っている被写体との出会いが素晴らしかったことが大きい。「corn fed(トウモロコシで育ったよ)」というタトゥーを入れた2人の男性(インディアナ州インディアナポリスで撮影)とは、実に楽しい会話をした。2人は子どものころからの親友で、おそろいのタトゥーを入れたかったのだそうだ。右側の男性が先にタトゥーを入れ、それから左側の男性が、ちょっとだけ刑務所に入っている間にタトゥーを入れたという。2人は強い絆でつながっていて、お互いへの愛にあふれていた。

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特に田舎のフェアの場合、来る人は、何世代にもわたってそのフェアにやって来ている。両親に連れられてきたが、その両親も子どものころ両親に連れられてきた、と代々続いているのだ。生涯忘れることのない思い出がたくさん詰まっている。私は、こうしたフェアが、昔から変わることなく、自然と地域社会の祝福の場として存在していることに心を打たれた。きっと100年前もそうだったのだろう。そして願わくは、これから先もずっと。

アメリカの社会的・文化的な仕組みは絶え間なく進化しているにもかかわらず、こうしたフェアは、あらゆる経歴の人々、さまざまな環境で育った人々を引き寄せ続けている。フェアは、地方の中心地や地域の多様性、地域社会を祝い称えるものだ。そしてこうすることにより、アメリカの文化と社会の理想、全体をひとつにまとめる懐かしい理想の持つパワーの意味を示している。

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パメラ・リッキーの作品は、ウェブサイト(pamelalittky.com)でご覧いただけます。

『アメリカン・フェア』は Kehrerverlag.comで購入できます。

この記事は英語から翻訳されました。翻訳:浅野美抄子/ガリレオ、編集:BuzzFeed Japan

BuzzFeed JapanNews
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