20世紀初頭、チフスやポリオ、インフルエンザなどの感染症が流行した。感染の拡大を食い止めるために当時の人々がどう対処したか、写真で振り返る。中には今では信じられないような方法もあった。


























この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:髙橋李佳子
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、手洗いやマスク着用といった対策が呼び掛けられている。スペイン風邪やチフス、ポリオなどが流行した約100年前、人々はどう予防を試みていたのだろうか。
20世紀初頭、チフスやポリオ、インフルエンザなどの感染症が流行した。感染の拡大を食い止めるために当時の人々がどう対処したか、写真で振り返る。中には今では信じられないような方法もあった。
1911年、チフスが流行していた頃。エリス島からニューヨークに到着した移民の子どもたちが、衛生官による検査を受けている。
(左)1910年頃、肺結核の流行を防ぐために、人々に唾を吐かないよう呼びかけるポスター。
(右)1897年、「インフルエンザ及びその他の呼吸器官の感染症の治療用消毒装置」の広告。消毒剤が混ざった気体を発生させる。
1917年、第一次世界大戦中。マラリア予防のため、イギリス兵士たちがマケドニア前線の沼地を開拓し干上がらせている。
1910年、パナマで撮影。パナマ運河の建設中、黄熱患者が簡易隔離ケージの中で横になっている。
1922年、ロンドンで撮影。インフルエンザの予防接種を待つ子どもたちの列。
1900年、ポリオを患った幼児が窓際で風にあたっている。当時は感染経路がよくわかっていなかったこともあり、横には「警告」の看板がある。
1916年、ポリオの大流行から逃れるためニューヨーク発の列車に乗り込む母子たち。
1926年撮影。マラリア予防のため、子どもを蚊帳で覆う女性。
1929年頃、ワシントンD.C.で撮影。ダニを捕らえるため、牛にキャンバス地の布を取り付ける農務省職員。当時流行していた家畜伝染病のアナプラズマ病は、マダニなどの吸血動物によって媒介される。
1917年撮影。男の子たちが首につけているのは、樟脳(しょうのう)を包んだもの。虫除けや芳香剤にも使われる樟脳は、当時インフルエンザ予防に効果があると言われていた。
1928年、フランス・リヨン大学の教授が「数分で風邪が治る装置」を開発したと発表し、実際に装着して見せている。
1919年、スペイン風邪の流行中に「インフルエンザマスク(治療用マスク)」を装着する患者。
1920年、ロンドンのバスで男性が床に除菌スプレーをまいている。
(左)1918年、ニューヨークで撮影。インフルエンザ予防のためにガーゼマスクをつける交通警察官。
(右)1918年、ニューヨークで撮影。同じくインフルエンザ予防のためマスクをつける清掃員。
1918年、スペイン風邪の流行中にマスクをつけたまま野球をする人々。
1933年、イギリス・ハートフォードシャーで撮影。手足口病が流行する中、男性が自動車を除菌している。
1922年、ロンドンで撮影。男性がインフルエンザの予防接種を受けている。
(左)1939年、インフルエンザの感染を防ぐため「キスをしないで」と書いたサインを首につける乳児。
(右)1930年頃、イギリス・マーゲートで撮影。母親と思われる女性が押す乳母車には、同じく「キスをしないで」の文字が。
1930年頃、ロンドンで撮影。インフルエンザ予防のために消毒マスクをつけるカップル。
1937年、女優たちが喉を消毒している。
1930年頃、ロンドンの売店で手作りのマスクを着用する店員たち。
(左)1937年、ハリウッドで撮影。インフルエンザの流行中にマスクをつけたままキスをするカップル。
(右)1936年、海軍士官のW. P. ブリッグスが「肺結核予防マスク」を発明した。
1940年、ロンドンのエルスツリー・スタジオで撮影。女優のモリー・ラモントが配給のオレンジを頬張る。栄養補給のため、各スタッフに1日3個ずつ配給された。
1933年、インフルエンザ予防のため並んでうがいをする英水兵たち。
この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:髙橋李佳子