目に見えない微細な「マイクロプラスチック」が蔓延 人体に与える影響とは

    マイクロプラスチックは、5ミリからナノレベルの粒子までの小ささにおよぶ。

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    近年、マイクロプラスチックに関する研究が盛んに行われている。研究者達が先を競って、マイクロプラスチックの広がりや、生態系と人体に与える影響を正確に明らかにしようと奮闘しているのだ。

    マイクロプラスチックは、プラスチックの微小な断片で、プラスチック片が風雨に晒されて細かくなったものである。マイクロプラスチックという用語には、洗顔料のマイクロビーズや合成繊維の繊維も含まれる。

    大きさの定義では、5ミリからナノレベルの粒子までを指す。複数の研究で、海洋に放たれたプラスチックの99%がマイクロプラスチックになり、その多くが裸眼では認識できないと示唆されている。

    10月に発表された研究では、国際的な家庭用食塩ブランドの90%以上にマイクロプラスチックが混入していることが明らかとなった。

    その同じ月発表された予備研究では、世界中の様々な国から参加した8名の被験者全員の排泄物からマイクロプラスチックが見つかった。ヒトの排泄物から見つかったのは、これが初めてである。

    今年発表された別の研究では、ボトル入り飲料水ブランドの水の90%に、マイクロプラスチックの混入が認められた。

    汚染を悪化させるマイクロプラスチックの問題は、1972年にカリフォルニアの海洋生物学者Ed Carpenter氏が発表した科学文献で初めて提唱された。

    Science誌に掲載されたその論文では、北大西洋の海面に浮かぶ大量の風化したプラスチック片について述べられ、プラスチックの生産増加が間違いなくマイクロプラスチックの増加につながると、Carpenter氏は推測した。

    今やマイクロプラスチックは、自然環境のいたる所に存在するようである。それらは海水および淡水環境、さらには農業土壌から大量に検出され、都会や北極の空気中を漂い、北極の氷の中にも凍結している。

    Environmental Science SolutionsのPaul Harvey博士はBuzzFeed Newsに対して、非常に多くの場所にマイクロプラスチックが存在することは、有毒な鉛が産業界で幅広く使われていたことに似ていると語った。

    マイクロプラスチックは環境中のどこにでも存在するので、「もはや安全なものはないように思える」とHarvey氏は話した。

    「これは地球規模の問題です。プラスチックを減らそうという社会の大きな動きがある一方で、3〜40年間プラスチックが環境を汚染してきた歴史があるのです」と彼は語った。

    マイクロプラスチックが身体の機能に与える影響については、まだほとんどわかっていない。しかし研究では、化学物質の混入により、細胞の機能に深刻な影響を及ぼす可能性があることがわかり始めている。

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    マイクロプラスチックが生命体に及ぼす影響に関しては、2つの考えがある。そのままの形で胃を通過する、あるいは、体内で分解される際に有害な化学物質が発生し、その後周囲の組織に吸収されるというものである。

    複数の研究で、ウニの幼生など特定の海洋生物がマイクロプラスチックを摂取しても、ほとんど影響がないことがわかっている。

    しかしその一方で、体脂肪分のより多い種において、生殖能力、代謝活動、脳機能が影響を受ける可能性を示唆する研究が存在する。これは、体内に高濃度のマイクロプラスチックを蓄積した小魚を摂取する捕食魚において確認されている。

    マイクロプラスチックを摂取した際に、有害な化学物質が体内組織の脂肪領域に吸収されるという理論に関して、科学的な証拠が増えつつあるとHarvey博士は語った。

    つまり、マイクロプラスチックとそれが分解されるときに発生する化学物質が、食物連鎖に侵入しているということである。

    「例えば、誰も自分の菜園に行って、そこに原油をまき散らし、その野菜を後で食べようとは思わないでしょう」

    「しかし、必ずしもプラスチックが目に見えるわけではないという滑稽な理由で、なにか人ごとのようになっているのです」とHarvey博士は話した。

    食滅連鎖を介したマイクロプラスチックの摂取は、10月に発表された研究で注目された。その研究では、イギリスのスーパーマーケットで売られていたムール貝からマイクロプラスチックおよびレーヨンとコットンの繊維が発見された。

    Harvey博士は、ポリ塩化ビフェニル(PCB)と同じ形で、マイクロプラスチックが人体に吸収される可能性があると考えている。PCBはかつて工業用冷却材として幅広く使われていた化学物質で、その後大規模な規制が行われた。PCBは授乳中の母乳を通過して、小児がんの発症、神経系の損傷、認知障害に関係し、さらに生殖機能にも影響を及ぼすことがわかった。

    人体での試験が行われたわけではないが、複数の研究では、極端に微小なマイクロプラスチック片が哺乳類(ハムスター)の血管に存在すると、血栓を誘発し、心臓機能に影響を及ぼす可能性があることが示唆されている。

    その一方で、研究においてマイクロプラスチックが人体に与える危険性を結論づけるのは早すぎると話す研究者も存在する。

    Harvey博士は、プラスチックの生産を世界規模で抑制する必要があると考えている。

    「例えば、EUでは使い切りのプラスチックを禁止しました。環境内にプラスチックの侵入を減らす素晴らしい方法です... プラスチック自体の流れを止めれば、マイクロプラスチックが『生まれる』ことも最終的にはなくなります」

    この記事は英語から翻訳・編集しました。

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