中国外務省の12月19日付の記者会見で、思わず笑顔がこぼれるシーンがありました。
日本人記者が、上野動物園で公開されたシャンシャンについて英語でコメントを求めました。
「ジャイアントパンダのシャンシャンが今日(19日)東京の動物園で一般公開されましたが、コメントは?」
それに対し、華春瑩報道官は…。
「日本が中国側と共に、4点の共通認識と4つの共同文書に照らし、問題を適切に処理するよう希望します」
なに!シャンシャンは日中政府間の共同文書に関わっているのか、と思えてしまう回答ですが、実は…。
日本人記者の「シャンシャン」の発音の仕方が、「杉山(Shanshan)」の中国語発音に似ていたため、華報道官が聞き間違え、日本外務省の杉山晋輔外務事務次官のことについて質問されていると勘違いしてしまったのです。
別の記者が続けて「多分、パンダのシャンシャンの質問だと…」と指摘すると、華報道官は自分の間違えに気付き、ついつい笑いのツボにはまってしてしまいます。
(華報道官が聞きまちがえたことに気付く瞬間はTBS NEWSの動画で確認できます)
「あぁ、そのシャンシャンですね!私はてっきり……アハハハ」
Twitterには、中国語を勉強したことのある人たちが、発音の難しさについてコメントをしています。
杉山さんも、パンダのシャンシャン(香香)も、カタカナで表記すると「シャンシャン」。でも、発音が微妙に違います。
香の発音は、xiāng。発音をカタカナで説明するとしたら、「シィアン」が一番近いです。
一方で、杉と山は、中国語で両方とも「shān」と発音されます。「シャラップ!」の「シャ」の音に似ています。
パンダのシャンシャン(香香)、そしてシャンシャン(杉山)外務事務次官です。
パンダのシャンシャン(香香、Xiang Xiang)。
そして、こちらが外務省のシャンシャン(杉山、Shanshan)外務事務次官です。
華報道官は、記者会見の最後にパンダのシャンシャンは「小さな使者」だと述べています。
「パンダは非常に可愛らしく、中国と海外の友好交流を促進してくれる『小さな使者』です。私たちは、日本の人々がシャンシャンを丁重に歓待してくれると信じています」
「また、シャンシャンが『小さな使者』というポジティブな役割として、中国と日本の人々の友誼を増進し、そして健全な中日関係を推進してくれることを希望しています」