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【参院選】18歳選挙権を親子に聞く 政治を語るのって気まずい?

家族と政治や選挙の話をしたことはありますか?

参院選の投票が始まっています。選挙権は18歳からに。まだ両親と同居している人も多い世代。選挙に興味を持つには、家庭が重要だという指摘があります。

家族と投票所へ行ったことがある子どもは、投票意欲を高まるという毎日新聞のアンケート結果に、政治学者の松本正生さんは「学校での主権者教育と同時に、家庭環境も大切だ」とコメントしました。

でも、普段、家の中で選挙や政治の話なんてします?

私の家族は、食事中には会話がよく弾みます。でも、政策の話を私がしようとすると、父は箸を忙しく動かし始め、母は何かを冷蔵庫から取りに席を外す。

なんとなく、気まずい雰囲気。

政治的な話や社会的な問題って、家庭で話題にしづらくないですか?

選挙に興味を持ち始めたのは、親がきっかけではなく、大学2年の頃から、地元の選挙管理委員会で、投票所の準備や案内などのバイトをしていたからです。

BuzzFeed Newsの記者となり、18歳選挙権が始まった時に、気になりました。選挙や政治に関する親子の会話って、どういう感じなんだろう。

18歳の子供と親に話を聞いてみました。都内で自営業をしている芳村聡子さん(52)、音楽を学ぶ大学1年の早紀子さん(18)です。


「めんどくさい」投票権

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早紀子さんはお母さんと仲良し。「お母さんとお父さん、どっちが話しやす......」と聞こうとしたら、質問を終える前に「お母さん」と即答するくらい。

大学の講師が話したこと、お昼に食べたもの。なんでも話し合える関係です。

18歳から投票できるようになったと聞いた時、早紀子さんは思わず本音をお母さんの前でこぼしてしまいました。

「めんどくさい」

聡子さんは思いました。「そうだよね。私もそうだったもん」

同時に、ぜひ、投票に行って欲しいとも思いました。

そんな聡子さんは、早紀子さんとどのようにコミュニケーションをとっているのか。なんで、政治について親子で話すのは難しいのか。3人で話しました。


いきなり、周りが大騒ぎ

——18歳に選挙権があると聞いて、どう思いましたか?

早紀子さん「ピンときませんでした。でも、18歳から投票できるようになった時に、先生が授業で選挙の説明の時間を設けてくれたりして、『18歳でも責任を持って、自分で選んで投票しなければ』とは思いました」

18歳にとってみれば、いきなり与えられた選挙権。しかも、周りは大騒ぎ。戸惑いが見て取れます。

早紀子さん「誰に投票するべきか、考えないととも思います。でも、面倒くさいことじゃないですか。授業以外で、友達と政治の話もわざわざしないし」

18歳選挙権が話題になり始めた頃から、早紀子さんと同い年の世代は、政治や選挙について、周りからあれこれ言われるようになったと言います。

「ある意味、恵まれているのかもね」とつぶやく聡子さん。

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——親子で普段、政治や選挙の話をしたりしますか?

聡子さん私はこういう風に思うけど、この人はどうかな?とか、この政策は違うんじゃない?』みたいな話をしたくて、話しかけようとは思うんですけど。まぁできないし、娘は聞いてこないですね(笑)」

早紀子さん「今まで高校生だったので、政治とかあまり考えないでも、生きていける環境にいたんで」

母は政治の話がしたいのに、娘は乗り気じゃない。私の家族とは逆のパターン。


「わからないから話さない」は誤解?


——政治や選挙の話をするのは、なんでこんなに難しいんでしょう?

聡子さん「わからないから話さないだけなのでは。わかって、疑問に思えば、聞いてくると思うんです。今のところ、どうなのと聞くほどの知識もないじゃないですか。わかんないから聞かないんだよね?」

早紀子さん「自分で調べちゃう」

聡子さん「!!!」

早紀子さんの回答に驚き、瞬きをする聡子さん。

わからないから聞かないのではない、自分で調べてる。政治に関心がないと思っていた娘の思わぬ回答に、少し不安な気持ちもある様子。

聡子さん「自分で調べることは、いくらでも可能だとは思う。今、そういう情報はたくさんとれるので。関心があるところを引っ張ってくることは、いくらでもできる。だからこそ、変な情報に引っかかっちゃうこともあるのかな」

聡子さんは、情報の危うさを説くけれど、早紀子さんは笑いながら受け流す。頼ってほしいお母さんと、あまり頼りたくない娘。どこにでもある親子関係。

それにしても、聡子さんはどうして、そこまで熱心なのでしょうか。そこには、若かりし日の聡子さんの後悔がありました。

聡子さん「私は……学生の時は投票に行っていないですね。行くようになったのは、結婚してから。時間ができたことが一番大きいですね。私の頃に18歳選挙権があっても、行かなかったと思う」

投票に熱心なイメージを持っていましたが、意外な告白をしてくれました。

聡子さん「行ってもわかんないもん、で終わったと思う。だからこそ、思うんですよね。親が行かなかったら、子どもも絶対行かない。だから、行く姿は見せようと思うんです」


言葉ではなく、行動で

記念すべき初の投票には、聡子さんが連れていく予定です。

聡子さん「とりあえず、まずは一回行ってみよう。入場券が来たら、投票を一緒にしに行こうね、と話しました」

——親と一緒に?お母さんから一緒に行こうと言われたら、逆にプレッシャーになりませんか?

早紀子さん「一緒に行くのかなって思ってました(笑)。お父さんとお母さんが投票する時に家族でついていったこともあったので」

小さい頃は、よく投票所まで見に行ったことがあるそう。

早紀子さん「18歳じゃなくても、選挙権を持ったら投票しようと思っていたので。せっかく、新しく導入された制度だし」

投票に行く親の背中を見てきた早紀子さんにとって、投票は自然なこと。そんな早紀子さんのためにも、「質問には答えられるようにしたい」と聡子さん。

聡子さん「聞かれた時に『わからない』って答えたら、そこで会話が終わってしまう。そういう準備は、親も必要なのかなと思いますね。でないと、せっかくの投票権をちゃんと生かせないかも」

誰でも一度は「わかんない」で会話を強制終了したことがあるのでは。聡子さんは、どうやったら娘との会話を大切にできるのかを考えていました。

親子で難しいテーマについても話しあういい機会。だけど、早紀子さんは親に頼りっぱなしになりたいわけではないと言います。

早紀子さん「親に言われて投票、という人もいるかも。でも、そういうのじゃない。ちゃんと自分で考えて投票したいと思います」


18歳選挙権について語る前に

今回の参院選から、18歳にも選挙権がある。ニュースでは、このことが大きく取り上げられ、新聞やテレビでは学校での「模擬選挙」やどうやって、18歳や19歳の政治意識を高めるかという特集が組まれています。

でも、選挙権は18歳と19歳だけで考えるものではありません。2016年の衆院選では、全体の投票率は52.66%で過去最低でした。

20代は32.58%で、60代(68.28%)の半分以下。18、19歳の親の世代である50代は60.07%で、3人に1人以上が棄権しています。

異なる世代間でも、政治について話をし、選挙への関心を高める。親子で会話することは、そのスタートではないでしょうか。

バズフィード・ジャパン ニュース記者

Eimi Yamamitsuに連絡する メールアドレス:Eimi.Yamamitsu@buzzfeed.com.

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