コインチェック、580億円相当の仮想通貨が流出 海外メディアはどう報じたか

    「まだ序盤だ」といった見方も報じられている。

    仮想通貨取引所大手のコインチェック社は1月26日、不正アクセスにより580億円相当の仮想通貨が外部に送信・盗まれていたことを発表した。

    流出した金額は、5億2000万NEM(約580億円相当)。金融庁、警視庁に報告し調査を進めている。

    「セキュリティは最優先でやっていた」と26日の会見で語っていたコインチェック社。海外の報道機関はどう報じたのか。一部を紹介する。

    ブルームバーグ「デジタル通貨が出現して以来、最高額の投資資産の損失・盗難だろう」

    ブルームバーグは、コインチェック社の会見を受けて、「ビットコインが2009年にローンチしたと同時にデジタル通貨が出現して以来、最高額の投資資産の損失・盗難」だと予想している。

    「今後予想される影響は何か、はっきりとしていない」と、ロンドンを拠点とする投資会社のグローバル戦略専門家の分析を報じている。

    「日本は、G20参加国の中でも仮想通貨大国で、大規模な取り締まりをあまりしたくない。もし金融監督機関が実際に反応するとすれば、どのように対応するのか興味深い」

    ブルームバーグやAP通信をはじめとする報道機関の多くは、「Mt. Gox(マウントゴックス)事件」と比較している。

    2014年、Mt. Gox社は保有するビットコインの大部分を消失し、経営破綻した。当時、報じられていた被害金額は470億円前後だった。

    Fortuneは、コインチェック社が金融庁の認可が下りていないのにもかかわらず、「日本でもっとも人気のある仮想通貨取引所」であることを指摘。

    また、アメリカ財務省のテロ・金融情報局次官が1月26日、日本などアジア各国の銀行や金融監督機関に、仮想通貨の取引の監視を強化すべきだと伝えていたことについて、言及している。

    テクノロジー系ニュースサイトMotherboard「まだ序盤だ」

    Motherboardも、被害の大きさを報じている。「テクノロジーの歴史上、経済的に最も被害の大きい仮想通貨市場の盗難」と説明している。

    また、2014年に発生したMt. Gox(マウントゴックス)事件を教訓にするとすれば、「コインチェック社のストーリーはまだ序盤だ」といった見方を報じている。

    なぜ今回の事件が起きたのか。そして今後どのような影響があるのか。これらの疑問に対する追求は、まだ続くという。

    中国で報じられたこととは

    今回、コインチェック社で盗まれたとされる仮想通貨「NEM」は、中国のLINEとも呼ばれているWeChatとの提携が2017年12月に開始されるなど、中国でも注目されていた。

    日本経済新聞によると、日本では、流動性拡大を期待した投資家が「NEM」を買ったことも受けて、約1年で約360倍も価格が上昇していた。

    そんな中国では、どのように報じられたのか。

    環球為替は、「投資家がパニック状態になり、26日の主要な仮想通貨に大きな打撃を与えた」と報じた。

    また、金融ニュースサイト「华尔街见闻网」は、「予想外の史上最高額の仮想通貨が盗難された事件に、日本が驚く」といった見出しで、日本が「Mt. Goxが再発しないよう許可制度が強化された」状況だったにも関わらず、コインチェック社は金融庁の認可が下りていなかったと説明している。