中国の人気女優アンジェラベイビー(楊穎)が、タブー視されている生理についてネットに投稿したことをきっかけに、議論が起きている。その理由とは…。
きっかけは、アンジェラベイビーが出演していた中国の人気バラエティ番組『Keep Running』。
番組内のあるコーナーでは、参加者3人それぞれにNGワードやNG動作が決められている。ゲストが毎回NGワードと動作を発するたびに、プールに放り投げ出されるか、大量の水を頭上から浴びさせられるゲームだ。
5月18日の放送では、番組のレギュラーであるアンジェラベイビーがほか2人の男性芸能人と一緒に登場していた。
男性たちは何度もNG設定に引っかかったのにも関わらず、アンジェラベイビーは一度だけで、それ以降はなかった。これを見た視聴者の中では彼女が「特別扱いされている」のではないかと批判する人が続出した。
「ギャラを高くもらっているからには、それに相当する仕事をしなきゃ」
「『Keep Running』はアンジェラベイビーに合わない。帰ってお姫さまになっていれば?」
また、ネットではアンジェラベイビーが番組中に「お姫様ぶった」態度を見せているとして「BABYは遊ぶことすらできない」というハッシュタグで投稿をする人もいた。
「撮影していたあの日、間違いなく生理の日だった」
日本と同じく、中国でも生理はオープンに話しにくく、タブー視されていることが多い。中国では、タンポンが1990年代に導入されたのにも関わらず、オンラインでしか購入することができないことが多く、使用率は2%と低い。
昼時やゴールデンタイムに生理用品のテレビCMなどを流すことは不適切として禁じられることもある。
アンジェラベイビーは、番組放送後の批判を受けて21日、中国版Twitter・微博に「私にできることは、悪口を吸収してポジティブなエネルギーに変えていくだけ」と心境を明かした。
撮影していたあの日、間違いなく生理の日でした。今までも生理の時に水の中に入ることがなかったというわけではないのですが、今回は初日だったのでつらかったのです。
でも、水の中に入れないと言ったことはありません。本当に遊べなかったら、そもそも椅子に座ることなんかしません。
冷たくて怖かったのは、本当です。どの言葉や動作でイスから弾かれたり水がかかったりするのかわからなかったので。
収録後、ほかの出演者たちが私に気を配ってくれていたとわかったとき、心が暖かくなりました。
女優と生理
女優にも、生理がある——その事実をはっきりとネットで公言したアンジェラベイビー。国内だけではなくBBCやシンガポールの新聞「The Straits Times」など海外メディアにも注目されている。
ネットでは、現在、18万回以上シェアされ、共感や絶賛の声が集まっている。
「当然だよね、生理の時に冷たい水の中にどうやって入れというの」
「この社会は、女性に対して過酷すぎる!ネットで攻撃している人たちも、陰気すぎる。ベイビー頑張って」
「女性って本当に大変だと(この投稿で)また感じた」
ほかにも、「女性だけじゃなくて、男性も知っておくべきことだと思う」「女性しか生理の痛みはわからないのに、完璧であることを求めているのも女性だったりする」というコメントも。
しかし、「番組のディレクターに生理だと伝えれば、椅子に座る必要もなかっただろうに」「生理がそんなに都合よく来るわけがない!ゲームが嫌なら参加しなければいい」とアンジェラベイビーに反論する人もいる。