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就活で30社落ちた中国のアリババ会長が、ダボス会議で語った意外な成功論

若者に「覚えておいてほしい」と訴えたこととは。

Denis Balibouse / Reuters

中国のEC最大手・阿里巴巴集団(アリババ)のジャック・マー(馬雲)会長が1月24日、世界経済フォーラム(通称「ダボス会議」)で登壇し、テクノロジーのインパクトやグローバル化、そして女性の活躍などについて語った。

ブルームバーグの長者番付「ビリオネア ・インデックス」で13位(500億ドル)にランクインしているが、過去には就職活動で30回も落とされるなど失敗を何度も繰り返したことで知られているマー会長。

そんな彼が、若者に「覚えておいてほしい」と訴えたこととは。登壇で語ったこと一部を紹介する。

テクノロジーが進化していっても、大事なのは「自分自身」

私たちは、世界がテクノロジーによって大きな変化を遂げているという、恵まれた時代にいます。

多くの本には、200年前に起きた産業革命で偉人が登場したことが書かれています。100年前には、電気といった第二次産業革命が起きて、成功する人々がでてきました。

そして、現在は、テクノロジーがあります。新しいテクノロジーはたくさんの成功や面白い職業を生み出します。

しかし、本当のことを言うと、技術の革命が来るたびに社会的問題も引き起こしてしまうのです。

私の目から見れば、最初の革命で第一次世界大戦が起き、二回目の革命で第二次世界大戦が起きたのです。そして、三回目の革命が今起きています。

一体何が起きるのでしょうか?

人工知能(AI)、ロボット、コンピューター、データ、プライバシーやセキュリティで人々は不安になります。みんな不安になり始めるのです。

しかし、どんなに不安でいても、革命は起きます。不安でいなくても、起きるのです。

そこで大事なのは、あなた自身をどう変えていくかなのです。

次の30年で世界は大きく変わっていくと思います。もし、第三次世界大戦が起きるとしたら、私たち人間同士で争うのではなく、ともに病気、環境汚染、貧困を戦うべきだと思います。

新しいテクノロジーを使わずに、人々が団結しないでこれらの問題を解決しようとしなければ、人間同士で戦うことになってしまいます。

World Economic Forum / Via youtube.com

若者へのアドバイス

20歳〜30歳の時は、良いボスについていきなさい。良い会社に入って、物事をきちんとやる方法を学びなさい。

30歳〜40歳になって、もし自分一人で何かをしたい場合は、とにかくやりなさい。まだ、何かを失ったり、失敗したりする余裕があるからです。

でも、40歳〜50歳になった場合は、得意とすることをやり遂げることを私は提案します。これは新しい、面白そうだ、とチャレンジするのはおすすめしません。若い頃と比べたら危険だからです。

50歳〜60歳になったら、若い次世代の人々のトレーニングや育成に時間を費やしなさい。

60歳を超えたら、孫との時間を過ごしなさい。

全員には当てはまりませんが、多くの人にはそう言えると思います。

30代の人々は、これから30年間が最も恵まれた時期なのです。たくさんのチャレンジや変化がありますが、私たちの知識や体力で変化を起こすことができるのです。

明日、成功したいと思っても、それは不可能です。来年までに成功したいと思っても。しかし、10年後に勝ちたいと思っているならば、チャンスがあります。

World Economic Forum / Via youtube.com

社会で成功する為に必要なこと

いま、アリババの社員49%は女性です。ハイテク会社では、結構多い方です。意識的に女性率を高くしているわけではないんです。

女性たちは、会社が成長するようすごく手助けしてくれます。

アリババは、eコマースの会社です。つまり、サービス業。人々への接待をより良くするには、サービス精神を持っていなければいけない。男性よりも、女性の方が仕事をもっと上手にこなしているんです。

前世紀では、人々は力で競い合っていたと思います。しかし、この世紀では力ではなく知恵で競っているのです。

もし成功したいなら、高い心の知能指数(EQ)を持つべきだと信じています。すぐに負けたくないなら、高いIQを持っていなければいけない。

しかし、尊敬を得たいなら、高いLQ——愛情(love)の知能指数——を持っていなければいけないのです。

Wang He / Getty Images

アリババが成功した秘訣

もし、会社を成功させたければ。もし、知恵と思いやりで会社を運営したければ。女性がベストなのです。

会社の上級経営幹部陣37%は女性です。それがおかしいと思ったこともないです。

これまで18年間、アリババが成功した秘訣は、女性の同僚が多いからだと思います。とても誇りに思っています。

会社では、男女比を数えることはあまりないです。女性、としてではなく、素晴らしい同僚として見ているからです。

「男性が多いから、とりあえず女性を何人か入れなければいけない」と思ってしまうと、それは、女性男性両方にとって大惨事です。

World Economic Forum / Via youtube.com

グローバル化は「まだ赤ん坊」

グローバル化を止めることはできません。

グローバル化や貿易を誰も止められない。もし貿易をやめてしまうと、戦争が勃発すると考えています。戦争の解決が貿易なのです。貿易が、戦争を起こすわけではない。

過去30年で、グローバル化は多くの国に富をもたらしたように、良かったと思います。しかし、問題も多く起こしました。若者や小企業は雇用機会がなくなり、発展途上国も無視されていました。

しかし、それはたった30年の間で起きたことです。まだ、赤ん坊なのです。改善させなければいけない。改善させなければ、簡単に殺すことができるのです。ほとんどの場合、消し去る方が簡単なことが多いのです。

私たちの世代の仕事だと信じてます。今日、私たちはより良いテクノロジーを持っています。グローバル化についてもより多くの知識を持っています。

グローバル化を改善させるのは、私たちの世代の責任、そして機会でもあるのです。

グローバル化のチャンスを掴むこと

私の祖父は、毎日16時間働いて「とても忙しい」と言っていました。私たちは、毎日8時間働いて「とても忙しい」と言っています。

私たちの子どもは、もしかしたら週4で毎日3、4時間働いて「とても忙しい」と言うようになるかもしれません。

1日3、4時間そして週に4日しか働かなくなったら何をするんですか?ずっと家にいることはできないので、旅行をすると思います。

30年前だったら、一生で旅する街は20くらいが普通でした。30年後、一生で旅する街は300だと思います。私たちは動く生き物だから。それを止めるのは、不可能なことなんです。

グローバルな貿易は、シンプルで現代に合わせたもの——誰もに機会が与えられるようなものであるべきです。

次のグローバル化は、包含的であるべきだと思います。若者が参加できるような機会を作るべきなんです。

この機会を掴みましょう。これが私のメッセージです。文句を言っている間に、他の人に機会を奪われてしまいます。

私は貧しい家庭で生まれ育ちました。あまり良い教育を受けたことがなく、試験にも、なんらかの理由で落ちていました。

金もない。技術もない。コネもない。唯一、私が同年代の人と競い会えたのは、10年先のことでした。

やること全ては、10年先の目標のためでした。難しいことですが、機会でもあるのです。

Denis Balibouse / Reuters

「アリババの1001個のミス」

いま振り返ってみると、子どもの頃に向き合った問題は、どれも為になるものでした。

これまで何度も失敗してきました。30社以上もの会社に応募したのですが、全て断られたんです。どれも一切チャンスがなかった。

24人中23人がKFCに受かったとき、私1人が落とされたんです。6人中5人が警察に受かったとき、1人だけ落とされたのは、私でした。

4つ星ホテルの従業員になるために、従兄弟と2時間並んで受けても、従兄弟は通って、私は落とされました。母は落胆していました。

でも、これらは修行だと私は知っていたんです。

30歳まで、ずっと落ちこぼれだったのですが、諦めることだけはしませんでした。機会があると思っていたのです。

覚えておいてください。成功したいなら、他人のミスから学びなさい。他人の成功話は、聞かなくてもいいです。

どんなに賢くても、いつかは間違えるのです。他人のミスを学ぶのは、間違いを避けるためではなく、どう対処すればいいのかわかるようになるからです。

もし本を出すとしたら「アリババの1001個のミス」を書きたい。人生で最も重宝しているのが、失敗だから。

何をどれだけ成し遂げたのではなく、どれだけ苦労してミスと向き合ってきたのか——それが私の人生だから。

動画は世界経済フォーラムのYouTubeから確認できます。

バズフィード・ジャパン ニュース記者

Eimi Yamamitsuに連絡する メールアドレス:eimi.yamamitsu@buzzfeed.com.

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