倍率10倍超の東京マラソンに10回連続出場?! 驚異の都議に実態を聞く

    ランナー憧れのプラチナチケット獲得の秘訣はあるのか。

    年に1度の東京マラソンは申込者が30万人を超え、十人に一人しか抽選に当たらないランナー憧れの大会だ。そんなプラチナチケットを連続で獲得している人物がいる。東京都の山田忠昭都議(自民)。自身のブログに10回連続出場の模様を書き込んでおり、天文学的な確率で当選し続けていることになる。本人に幸運の秘訣を聞いた。

    山田都議は2001年に都議に初当選し、現在4期目。マラソンが趣味のスポーツマンだ。ブログには、毎年のように東京マラソンに出走した報告が書き込まれている。

    第8回大会が開かれた2014年には「8回連続出場の、完走です」。20152016年のブログにも出走の報告があり、第1回大会から10年連続で走っていることになる。

    マラソン財団「特別扱いはない」

    BuzzFeed Newsは、東京マラソン財団に取材した。この財団が、東京マラソンの出場申し込みと抽選を担当している。

    広報担当によると、抽選倍率は第1回の2007年大会で3.1倍。以降は5.2倍、7.5倍、8.5倍と徐々に高まり、第7回の2013年大会以降は10倍を超えている。

    10回連続で抽選に当たる倍率は、約11億6423万倍。年末ジャンボ宝くじで1等が当たる倍率が1000万倍と考えると、驚異的な確率だ。

    都議が優先的に当選する枠などがあるのか。広報担当に改めて聞いたが「特別扱いはありません。一般募集より前に先行抽選を受けられるOne Tokyoという制度のメンバーであれば、少し確率が高くなります」。

    One Tokyoで当選する際の倍率を聞くと、2016年は約9倍だったという。通常の倍率が約10倍なので、いずれにせよ難関なのは間違いない。

    本人に幸運の秘訣を聞いた

    山田都議に電話で話を聞いた。ブログに書いてある10回連続の出場は真実なのか。

    「1回目は大会のPRのために誘われて10キロの部に出ただけです。それと、選挙のあった年は走ってなかったはず。連続出場って書いてましたか。間違いかもしれませんね」

    2007年に東京マラソンが始まってから都議選があったのは、2009年と2013年の2回。2013年2月のブログにはこう書いてある

    昨日の東京マラソン、今年も完走です♪

    衆院選、西東京市長選と選挙が続き、走る準備が満足にできないまま、本番に臨んでしまうことになりました。

    平成21年より、連続5回出場・完走!

    今年は、最高ラップが0:25:54、向かい風の中厳しい42.195キロでした。

    この記述が正しいとすれば、平成21年(2009年)も2013年も出場し、完走していることになる。

    「そうですか。じゃあ、その年は走ってますね。。選挙の年は走っていない気がしたけれどなぁ。どちらにしても、連続出場ではないです」

    自身のブログに書いている「連続5回出場・完走」や「8回連続出場の、完走です」は、間違いだったとのことらしい。

    また、山田都議はOne Tokyoのメンバーで、毎年、先行抽選で当選をしており、2016年の今回初めて2度目の抽選での当選だったという。

    2007年の抽選には参加しておらず、他の年の記憶が曖昧だとしても、ブログには少なくとも2011年、2013〜2016年に出場した記録や写真や掲載されている。One Tokyoでの優遇倍率といえど、抽選で少なくとも計5回、4年連続当選しただけでも驚異的だ。その幸運の秘訣は。

    「たまたまです」

    議員の特別待遇やチャリティー枠での出場ではないかなど聞いたが「そういうものはない」とのことだった。

    数十万人と申込みが多い中で、山田都議のように当選回数を重ねている人も他にいるのかもしれない。東京マラソン財団は詳細なデータは公開しておらず、実情は不明だ。

    山田都議は来年も出場を目指しているが「『連続当選』と言われると、申し込みづらくなる」と話した。