新宿駅そばにある老舗カフェ&ビアバー「ベルク」の入り口看板付近に、ジョン・レノンの歌にちなんだポスターが貼ってある。ニュースはここから始まる。
5月10日、ベルクが入っている商業施設「ルミネ」に対し、このポスターが「政治的すぎる」というクレームが入った。ベルク副店長の迫川尚子さんによると、クレームをつけた人物は2週間後に再び店を訪れ、剥がされたか確認するとルミネに伝えた。
これを受け、迫川さんはTwitterで疑問を呈した。
すると、Twitterからはクレームに対し批判が集まった。
ベルクは開店から46年。一時はルミネから立ち退きを迫られたものの、ベルクのコーヒーやビール、ソーセージを愛するファンの熱い声援に後押しされて継続が決まった。新宿駅の名物店の一つだ。
店長の井野朋也さんはブログで、『お店自体が自主規制しているとしたら、それこそ用心しなければならない、「政治的空気」ではないでしょうか』と綴っている。2011年の福島第一原発事故以前から、「脱原発」と記したオリジナルグッズを販売するなど、「政治的主張」を隠さない。
ルミネ側からは、書面と電話でクレームについての連絡があったが、ポスター撤去を求める要請はないという。ポスターをそのままの状態にし、様子を見ると迫川さんは話す。
ルミネの広報担当者はBuzzFeed Newsの取材に対し、「一般的な対応としてクレームがより少なくなるよう、店舗側には理解を求めていく」と回答。問題のポスターについては、「ベルクさんのコーヒーやビールと関係あれば問題ないが、営業と直接関係ない掲示物についてはできればやめていただきたい」と話している。
迫川さんは「クレームをただ黙って受け入れるのではなく、店のためを思って言っていただけているのか、そうでないのか。きちんと考えて対応したい。中には、表沙汰にならずに黙って従っているお店もたくさんあると思います。何も言えなくなるのは嫌ですね」とBuzzFeed Newsに話した。