「勝ったでえええええええええ!!!!!」 5月26日、明治安田生命J1リーグ 第13節の横浜F・マリノス 対ジュビロ磐田戦で、マリノスが4対0で大勝した。
こうしたファンの喜びのツイートで、「マリノス」というワードがTwitterを席巻。トレンド1位をさらった。
どうして「マリノス」がトレンドのトップに上がったのか。それは、横浜をホームタウンとするマリノスのサポーターが多いというだけに留まらない理由がある。
マリノスはここまで7勝3分け3敗の暫定5位。直近5試合は4勝1敗と尻上がりに調子を上げている。
マリノスの特徴は何と言っても、ディフェンスラインを高く保った攻撃的なサッカーだ。22得点はリーグ暫定1位だ。
常に高いライン(ハイライン)で相手に圧力をかける戦術は、うまく行けば90分通して相手を圧倒できるが、同時に、常に自陣に大きなスペースを作る諸刃の剣。
相手チームは常にハイラインの背後を狙ってくる。背後の広大なスペースはキーパーが一人で守り、破られれば即失点という、実にスリリングな戦術なのだ。
サッカーファンならば、誰もが見てみたいとは思うが、いざ実際にその戦術を全面的に採用するのは勇気がいる、いわば「ロマンあふれる」存在が、今のマリノスなのだ。
この戦術のもと、マリノスは4点取って勝ったと思えば、3点取られて負ける試合も。得点失点ともに多い、スリルあるサッカーを展開している。
チームを率いるのは就任2シーズン目のオーストラリア人指揮官、アンジェ・ポステコグルー監督だ。
オーストラリアの代表監督として、それまでロングボールに頼りがちだった攻撃を、ショートパス主体のスタイルへと改革し、アジアカップ初制覇やW杯出場権獲得など、実績ある人物である。
就任直後の2018シーズンは、高いラインの裏を突かれて失点するシーンが目立ち、12位に終わったが、今シーズンは持ち前の攻撃力が爆発している。
横浜Fマリノスは、Jリーグが開幕した1993年からリーグに所属する、いわゆる「オリジナル10」と呼ばれる古豪。
2003年、2004年には岡田武史氏監督のもと、中澤佑二、故・松田直樹らを擁し堅い守備をベースにJリーグを連覇した。
その後は中位を行き来するシーズンを送っているが、攻撃的なチームへと生まれ変わったポステコグルー体制に、ファンの期待は高い。