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猫を殺さない街・千代田区 どうやって達成した?

これからも猫を救い続けるために。

千代田区は2015年度も猫の殺処分がゼロになる見込みだと明らかにしました。これで5年連続です。2001年には79匹の尊い命が失われていたのに、ゼロになったのです。

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BuzzFeedの取材によれば、千代田区はこのプロジェクトに年間250万円、今年度で310万円しか使っていません。ちなみに2015年度の千代田区の予算総額はおよそ622億円です。

野良猫を「街の猫」にした

なぜ、保健所で猫は殺されてしまうのか。

それは、「心ない人が捨てるからではなく、野良猫が増えるから」。千代田区役所保健所はBuzzFeedの取材にこう答えました。

15年前、神田周辺で野良猫が増えたのをきっかけに、区がプロジェクトをスタート。野良猫を捕獲して去勢手術をし、街に戻す事業を始めました。すると、2001年に70匹以上いた殺処分頭数はみるみる減り、2011年度にはついにゼロを達成します。

さまよえる子猫を救え

保健所で殺されてしまう猫はどんな猫なのでしょうか。

8割は子猫です」と千代田区保健所は取材に答えています。

殺処分される猫は、保護されるとまず動物愛護センターに運ばれ、その後、保健所へとやってきて、そこで命を奪われます。殺されてしまうのは、子猫か怪我を負った猫なのです。

この猫たちを救ったのは、住民ボランティアと動物病院、そして行政でした。

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こうした猫が見つかると、ボランティアを組織する「一般社団法人ちよだニャンとなる会」と行政が連絡を取り合い、動物病院に運びます。そして去勢や治療をしたのち、里親を探すのです。

すぐに里親が見つからなくても、保健所には送りません。ちよだニャンとなる会と動物病院が手分けして根気よく里親が見つかるまで、長期にわたって預かります。この協力関係が、殺処分ゼロにつながっていました。

千代田区の本気

しかし、「市民団体が行政を動かした、というよくあるストーリーじゃないんです」とちよだニャンとなる会の香取章子さんはBuzzFeedの取材に対して話します。

「私たちが区を動かしたんではなく、区が本気になって猫の問題を解決しようと、私たちを集めて始めたんです。千代田区は本気だった。ここが他の自治体とは違うところだと思います」

しかし、千代田区は謙虚。

「まあ、猫がもともと少ない、ということもありますし、ボランティアの方達の活躍あってですから……」(区担当者)

野良猫を捕まえ、避妊手術をし、元の場所に戻す。効果を上げていた活動も5年前に、方針転換します。

「千代田区は、猫が安心して暮らせる街ではなくて。丸の内再開発の工事現場で大怪我をしたり、交通量の多い大手町でクルマに轢かれるケースが多かったんです。そんな状況で、避妊手術だけして元の場所に戻すのは根本的な解決にならないし、かわいそうだと思ったんです」

今、ちよだニャンとなる会は、年間100頭の猫を里親の元へと届けています。

公費だけではまかないきれない現実

こうして維持されている、千代田区の「殺処分ゼロ」。ただ問題もあります。それは、お金。

「ガソリン代も自腹ですし、事務局も私の家。みんな手弁当でやっています。でも、いくら協力してもらっている獣医さんでも、治療費はゼロ円になるわけじゃない」

交通事故にあった猫の場合だと、それだけで手術代が40万円になることも。しかし公費で認められているのは、1匹6000円までのワクチン費用に、4万円の入院費だけ。とてもじゃないが、公費だけではまかないきれない。

「助かるものは助けたい。お金がかかるから投げ出したのでは、なんのためにやっているかわからないですから。何十万円かかっても、手術をお願いしてしまいます。あとでお金が集まるだろうと祈って……」

猫を救い続けるためにできること

千代田区が殺処分ゼロの記録をこれからも続けるにはどうすればいいのか。

「寄付はいつでも歓迎しています。ホームページからいつでもできますよ」

そして、もうひとつ、香取さんはこう付け加えた。

「どうか、猫を引き取っていただくときには、子猫だけでなく、大人の猫のことも考えて欲しいんです。性格がわかっていて、人に慣れている猫もかわいいですし、きっと良いパートナーになるはずですから」

バズフィード・ジャパン 副編集長

Daichi Itoに連絡する メールアドレス:daichi.ito@buzzfeed.com.

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