メルセデスは25歳の母親だ。医師の手で亡くなった夫から精子を取り出し、子どもを授かった。
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彼女は、「死後生殖」を行った、アメリカの20名の女性のうちの一人だ。
車の事故で彼女の夫は亡くなった。夫婦は、夫の生前から子どもを持つことを計画していた。
メルセデスの夫は軍隊に所属していた。彼は、仕事柄、生命の危険を感じていた。そのため、23歳になったときに彼の身体組織を凍結保存することにした。
メルセデスは、死後のことを考えるにはまだ早すぎると思っていたが、夫は凍結保存への意志を、サインと日付とともに書き残した。
死後に精子を取り出すことへの合法性を巡る議論は、複雑だ。
でも、要は可能だということ。
メルセデスは、何人かの医師の元を経て、キャピー・ロスマン医師にたどり着いた。彼は、死後生殖を行うことに賛同してくれた。
ロスマン医師は3つの選択肢を示した。(1)脊柱にネオスチグミンを注射して、遺体をけいれんを起こして射精させる、(2)精巣周辺の組織を取り除く、(3)手で刺激を与える、との選択肢だった。
ロスマン医師の助けもあり、亡くなった夫から精子を得て、子どもを授かった。2016年9月のことだった。それは夫の死から一年たったときでもあった。
「子どもが夫と同じような仕草をするんです。夫と性格もそっくりなんです」

この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:藤原哲哉