セレブの犯罪被害が減らない理由 それはSNSを使うから

    「ソーシャルメディアで目立つことは、世間に自分をさらすことなのです」

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    2年前、キム・カーダシアンがソーシャルメディアに投稿していた内容を強盗たちが悪用して、パリにいる彼女を追跡し、銃で脅して金品を強奪した事件が起きたが、セレブたちはこの教訓から何も学んでいないようだ。

    ロサンゼルス警察は10月4日、セレブたちのソーシャルメディアを追跡して留守宅に侵入していた強盗団を逮捕した。被害に遭っていたのは、歌手で女優のリアーナとクリスティーナ・ミリアン、プロ野球チーム「ロサンゼルス・ドジャース」のスター選手ヤシエル・プイグ、NFLチーム「ロサンゼルス・ラムズ」のワイドレシーバー(WR)、ロバート・ウッズ選手だ。

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    ロサンゼルス・ドジャースの右翼手、ヤシエル・プイグ選手

    プイグの家は4回強盗に入られており、そのうち2回は、ここ2カ月で起きている。ミリアンの家は4日間で2回侵入された。しかも強盗たちは現場に、マット・デイモンやヴィオラ・デイヴィスなど、次に侵入したいセレブ宅のリストを残していた、と警察は語った。

    ロサンゼルス市警察の経済犯罪課のリリアン・カランザ警部はBuzzFeed Newsに対して、狙われたのは常に、セレブが外出していたときであり、犯人たちはソーシャルメディアを活用して注意深く居所を追い、家に人がいない時を把握していたと語った。

    「当初は、こうした強盗たちは、対象を無作為に選んでいると思っていました」とカランザ警部は語る。「詳細がわかるにつれて驚いたのは、彼らは周到に計画を練っていて、居所を執拗に追っているということでした」

    ラッパーであるニッキー・ミナージュの家に強盗達が押し入る2日前、彼女は、自家用ジェットに乗る自分の写真をインスタグラムに投稿して、こんなコメントをつけていた。「私と一緒に飛びたい人いる? ベッドルームもバスルームもあるのよ。ほとんどタダでね」

    リアーナの家に強盗が入った日、彼女はドバイでのイベントに行くとツイートしていた。

    SEPT 29! I’m coming to Dubai for my 1st ever @FentyBeauty ARTISTRY & BEAUTY TALK! Grab your tix NOW at https://t.co/JiytYVYEfS.. this event benefits @dubaicares [an organization which works w/UN aid agencies & international NGOs to fund education programs in developing countries]

    (ツイート)

    9月29日!これからドバイに行って初のFENTY BEAUTYのアーティストリー&ビューティトークショーに出るの。いますぐhttps://t.co/JiytYVYEfS…でチケットを手に入れて。このイベントの収益は、慈善団体「ドバイ・ケアーズ」(国連や国際NGO組織と協力して、発展途上国の教育プログラムを支援する組織)に贈られます。

    「ソーシャルメディアで目立つことは、世間全体に自分をさらすことなのです」と、警備会社ピンカートンのバイス・プレジデントであるジェイソン・ポーターは語る。

    警察によると、ロサンゼルス全域において、セレブを狙った空き巣はここ2年間で20数件以上発生しているという。歌手のアラニス・モリセットの家に強盗が侵入して200万ドル相当の宝石が盗まれたほか、リアリティTV番組『ザ・リアル・ハウスワイブス・オブ・ビバリーヒルズ』に出演しているカイル・リチャーズの家からは100万ドル相当の宝石やバッグが盗まれた。また、歌手のジョン・メイヤーは高価な時計コレクションを盗まれ、その被害総額は本人いわく「数千万ドル」にのぼるという。

    女優のルーシー・ヘイル、歌手のケリー・クラークソン、女優で歌手のヒラリー・ダフ、モデルのケンダル・ジェンナーなども、過去2年間で強盗に入られたことがある。カランザ警部によると、犯人は「ソーシャルメディアを丹念に追った」うえで犯行に及んだという。

    Dia Dipasupil / Getty Images, Jamie Mccarthy / Getty Images, AFP=時事

    犯罪者たちは、セレブが近々予定しているイベントやコンサート、映画の撮影、その他のイベントに関する情報を把握すると、それらを利用して、彼らが家を空ける日を割り出す。

    カランザ警部によれば、家に誰もいないらしいという情報を得た犯罪者は、まずは身なりのいい共犯者を家に行かせて、玄関のベルを鳴らす。応答がなければ「準備オーケー」で、他の仲間も現場へ移動する。

    彼らは家に入ると、まっ先に主寝室に向かう。そこに最も高価な所持品が保管されていることが多いからだと、カランザ警部は述べる。

    彼らは非常に素早く行動し、警備会社が警告を出す前に立ち去ることも多い、と警部は語った。

    ロサンゼルス市警察は、最近の逮捕を踏まえて、他の法執行機関と協力して他のセレブ宅への侵入事件との関連があるかどうかを突きとめようとしている。一方でカランザ警部は、オンラインに投稿する内容に注意するよう、人々に注意を喚起している。ソーシャルメディアで絶えずその存在を主張することがビジネスモデルの一部であるセレブの場合、今どこにいて何をしているのかをシェアしなければならないなら、留守を預かるハウスシッターを雇うべきだとカランザ警部は言う。さらに、ソーシャルメディアに投稿した宝石や貴重品などは家で保管してはいけないとも語った。

    他にも、「標的にならない」ために役立つヒントを紹介しよう。

    ・長期間にわたって家を空けることを投稿しない。

    ・警報システムにお金をかける。

    ・家に誰かがいると装うため、灯りやテレビをつけておく。

    ・玄関先に郵便物を積み上げない。郵便物の保管を依頼する。

    ・近隣の人々に、家を空けることを知らせて、家の見守りをお願いする。

    ・地元の警察にも、家を空けることを知らせるべきだ。「我々は喜んで巡回を強化します」とカランザ警部は語る。

    警備会社ピンカートンのポーターによれば、標的となるセレブたちは、これまで何も起きなかったからという気のゆるみから準備ができておらず、自分たちのリスクが高いことに気づいていない場合が多いという。

    さらに、以上のことはセレブだけにとどまらない。強盗たちは今や、場所を特定する「ジオハック」に長けていて、半径8キロ以内の誰かが「休暇に出かける」と話題にすれば通知がくるようになっている、とポーターは語った。

    最後に、一般的なアドバイスを。あなたがソーシャルメディアに公開した情報は、誰に追跡されているか、誰にもわからないということを肝に銘じておこう。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:古森科子/ガリレオ、編集:BuzzFeed Japan