昨年9月に米自治領プエルトリコを襲ったハリケーン・マリアの被災者のために集められた支援物資が、1年近くにわたり駐車場に置き去りにされていたことが明らかになった。
支援物資を入れた輸送コンテナは少なくとも9台あり、中身は腐敗し、害虫や害獣がたかっている状態だ。
プエルトリコの首都サンフアンにあるラジオ局ラジオ・イスラが8月10日、サンフアンの地方選挙委員会事務所に駐車された輸送コンテナを撮影したビデオを公開した。
壊れた箱には食品、医療品、ベビー用品が入っており、動物のフンだらけになった様子が映像に映っている。
ビデオの公開を受けてプエルトリコ州兵は同日、声明を発表。支援物資の食品のうち一部がすぐに配布されなかったのは、賞味期限が切れていたためだと説明した。
ボトル入り飲料水のような保存が効くものがすぐに配布されなかった理由については、声明の中で説明されていない。使用できなくなった品物は廃棄し、送風機や乾電池、保存食などは配布するとしている。
プエルトリコ州兵のイザベロ・リベラ准将は声明の中で、「物資は非営利団体や困っている人たちにまもなく届けられる予定だ」と述べた。
BuzzFeed Newsはプエルトリコ州兵の報道担当官に電話でコメントを求めたが、本記事掲載までに返答はなかった。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、昨年秋のハリケーン直後、非営利団体やその他個人から支援物資が寄せられた。地方選挙委員会事務所を準備拠点とし、プエルトリコ州兵が物資を配布したという。
英紙ザ・タイムズによると、州兵は今年5月に支援物資配布の任務を終了したのだが、集められた物資の一部はその後に到着したという。
選挙委員会のニコラス・ゴーティエ氏はCBSのデイヴィッド・ベグノード氏に対し、コンテナについて州兵とプエルトリコ知事室に何カ月も苦情を訴えていたと説明した。電話をするたびに、数週間以内にはコンテナを移動させると説明されたという。
しかし11カ月経っても、コンテナは駐車場に残されたままだった。
ゴーティエ氏は、選挙委員会は支援物資の配布に関与しておらず、コンテナの中身はよく分からないと語った。しかし、コンテナのうち1つはどうやらドッグフードが入っており、箱が壊れて開き、ネズミがたかっているようだと同氏は加えた。ネズミは選挙委員会事務所にも入ってきたという。
「選挙委員会のものではないコンテナがこれほど長い期間ここにあるのでイライラします」とゴーティエ氏は話した。「1年近くになる」
プエルトリコのトーマス・リベラ・シャッツ上院議長は、調査を要請する意向をFacebookに投稿した。
「必要としている多くの人たちに(支援物資が)届かなかったとは信じられない」とシャッツ上院議長は述べ、責任者を割り出す必要があると加えた。
「許されることではない」
この記事は英語から翻訳されました。
翻訳:松丸さとみ / 編集:BuzzFeed Japan