キャンベラにあるオーストラリア国立大学で研究員を務めるブリー・ブレークマンさん。ある月曜日、いつものように出勤し、研究室のドアを開けると中が荒らされていました。

壁にはった地図、とても貴重なアボリジニーの絵は剥がれ落ち、本は棚から床に落ちていました。さらに天井の一部のタイルがずれてぽっかりと穴が。
驚きつつも、ブリーさんが全体の被害を確認するため室内をチェックしていると、そこにいたのは…。
「部屋の奥にあるパソコンを確認しにいくと、パソコンの後ろからじっとこちらを見つめている動物に気づきました」。BuzzFeed Newsの取材にブリーさんはそう語ってくれました。
「そこで気づいたんです、そういえば室内のあちこちにおしっこの跡もあるなって。オフィス荒らしの正体がわかりました」
Walked into my office and thought someone must have broken in because it looks trashed... and then I saw this little sweetie covering behind my computer. ❣️
「出勤したらオフィスめちゃくちゃで、強盗でもはいったのかと思ったら…、パソコンの後ろにこんなかわいい子がいた」
オフィス荒らしの正体は、オーストラリアではよく見かけるポッサム。屋根裏から侵入したようです。
「ポッサムはこちらの様子をおそるおそる伺いつつも、どこか放心したような感じでした。本棚の本が落ちていたので、どうやら棚を登って天井裏に戻ろうと何度もトライしたようで、かなりお疲れの様子でした」
ポッサムは夜行性なので、夜が明けて日がさすオフィスは苦手な環境で、ブリーさんはポッサムに同情してしまいました。
「対応してくれるスタッフを呼ぶ前に、お水と人参をあげて声をかけました。怖いとは思いませんでしたね、かわいかったですよ」
ブリーさんは、オフィスでポッサムに遭遇したことをTwitterで報告。
たくさんのコメントが寄せられましたが、その多くはポッサムの申し訳なさそうな表情が面白いというもの。
「帰りたいのに1時間残業しないといけなくなった時の顔」
@FF_notes When you don’t feel like working... but still have to stay in the office for another hour
「月曜日の俺」
me most mondays
ポッサムを自然に還すため、果物をいれた捕獲用の檻が準備されました。が、オーストラリアを直撃している異常気象で、キャンベラも霰の嵐に。大学は一時閉鎖され、ポッサム捕獲作戦も中断。
その2日後、水曜日の朝、ブリーさんはポッサムが出て行ったとメールで報告をうけました。
「エサを食べてしっかり休んだら、天井の穴まで棚を登る元気がついたみたい。自分の力でオフィスをでていったようです」
Final (happy) update: possum catcher checked my office again this morning & the possum wasn’t in the cage but it seems to have found it’s own way out of the room. After a bit of rest, some water and carrot it must have climbed back through the hole in the ceiling. 😌 🌿 👏🏼
1月21日
「ポッサム独占ニュース(笑):今日の午後3:50時点では、困り顔のポッサムはまだオフィスに。明日の朝にまた捕獲用檻をチェックしてくれるとのこと」
1月22日
「ファイナル(ハッピー)アップデート:ポッサム捕獲スタッフが今朝オフィスを確認したら、もういなかったとのこと。どうやら自力で出て行ったようです。休憩してお水と人参食べたら、やってきた天井の穴まで登れるようになったみたい」
ポッサムが出て行っても、ブリーにはオフィスの片付けが残っています。ポッサムのおしっこやうんちが部屋のあちこちに。自分や研究室スタッフの持ち物に損害がないか心配しつつ、しかし、ブリーさんが1番気にしているのは野生動物の保護について。
「郊外でも(巣にできる)空洞のある枝や幹をもつ大きな成木の数は多くありません。だから、ポッサムが住居の屋根裏に住みつくことがよくあるのです。今回は(自力で出ていけて)無事に終わりましたが、多くは救出を必要とするケース」と語るブリーさん。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:soko / 編集:BuzzFeed Japan