ペンは武力に屈するのか? 虐げられるジャーナリストたち。

    報道の自由が世界中で攻撃を受けている。脅迫され、不当な裁判にかけられ、殺されても未解決で放置されているジャーナリストたちがいる。この記事では、現時点において喫緊な事例を紹介する。

    禁固10年のジャーナリストの事例は、沈黙に包まれている。

    2018年、人気がある反政府ニュースチャンネルAmad Newsに勤め、トルコで亡命生活を送っていたイランのジャーナリストArash Shoa-Shargh氏は、逮捕され、禁固10年を言い渡された。

    罪状は、最高指導者に対する侮辱、国家安全保障に反した行動、大衆を違法行為へ駆り立てる扇動、神の地における腐敗の拡大だ。

    同氏の家族は、当局に本件を公にしないように圧力をかけられており、同氏は僻地にある刑務所に収容されているため、現在の状況に関する情報を得ることが困難になっている、と友人らは話している。

    正当な理由もなくイルクーツク市の独房に入れられているロシアの記者。

    2020年1月、地元ニュースサイトBlogSochiの創設者兼編集長Aleksandr Valov氏は、裁判所の判決に対する異議申し立てが予想されたため、監視が厳しい独房へ入れられた

    2018年1月、同氏は逮捕され、禁固6年を言い渡された。罪状は、でっち上げの恐喝罪である。Valov氏は、警察がドアを破り、電気を切り、同氏を殴って逮捕する様子を動画配信した。

    逮捕されたジャーナリストの罪状、彼の居場所は、5か月以上も明らかにされていない。

    カメルーンのジャーナリストSamuel Wazizi氏(実名はSamuel Ajiekah Abuwe氏)の所在は、8月に警察から軍による拘束に移ってから分かっていない。

    弁護士、家族、友人との連絡は禁止され、未公表の容疑で捕らえられている。警察は、同国における英語圏独立派の武力紛争に関連していると話している。

    2019年12月1日時点で、同国は少なくとも7名のジャーナリストを拘留している。

    終身刑を言い渡されてから9年。拘留中のジャーナリストの健康状態が悪化している。

    2019年7月、キルギスの裁判所は、粘り強い国際的な非難にもかかわらず、受賞歴があるジャーナリストAzimjon Askarov氏に対する終身刑を支持した。

    彼は少数民族のウズベク人で、同国で唯一拘置されているジャーナリストだ。人権侵害を報道したという捏造された容疑で、9年間拘束されている。

    故郷への手紙には、健康状態の悪化、薬剤の入手が限られていること、面会日のあとには刑務所の職員が拘束者を罰することなどが綴られている

    拘留中に重度の鬱を患ったジャーナリストが、治療を拒否されている。

    2017年8月から続く4年の禁固で重度の鬱と診断された記者Lu Yuyu氏だが、看守に治療を拒否されている。

    中国雲南省の大理市で、Lu Yuyu氏と彼のパートナーは、汚職に対する抗議、環境汚染などに関する写真、動画、文章を公開し、論争を始め、問題を誘発している容疑で逮捕された。

    2017年に裁判所はその判決を支持し、同氏は現在2度目の上訴を申し立てている。

    キューバ当局により自宅に閉じ込められたフリーのジャーナリスト。

    2019年11月以降、キューバ当局は、ハバナ在住のLuz Escobar氏の外出を再三にわたり妨害している。

    キューバの独立系ニュースサイト14ymedioで記者を務める同氏の話によると、自宅から出たら拘束されたり、拘留を脅されたりして、重要な日に取材ができないように当局がフリーのジャーナリストを妨害することが多いとのことだ。

    昨年、革命家フィデル・カストロの命日国際人権デーなどに、同氏の自宅の外には警備員が何度も配備された。

    2020年代に入っても、カショギ氏殺害の真相を求める声が絶えない。

    2019年12月、サウジアラビアは、2018年にワシントン・ポスト紙のコラムニストだったカショギ氏が白昼堂々と殺害された事件に関連して、8名を処罰した。

    サウジ側はこれでこの注目を集めている事件の解決・幕引きと考えたようだが、ジャーナリスト保護委員会(CPJ)は、これをいかさまの裁判、名ばかりの司法と呼んだ

    独自の犯罪捜査を行うようにアメリカと国連に求め、この非合法の殺害におけるサウジ皇太子の役割を調査するよう求める声がまだあがり続けている。

    抗議者の襲撃から守られなかったジャーナリスト。

    1月10日、マラウィ北部にある都市チティパにおけるデモの取材中に、Tuntufye FMの記者Patricia Kayuni氏は、抗議者に殴られ、洋服を剥ぎ取られそうになった

    抗議者の写真を撮るために送られた警察官だと思われ、加害者は誰も逮捕されなかった。同じ週には、EU代表団の再訪を報道しようとしたジャーナリスト3名が拘束され、告発された

    禁止されている団体に所属し、誤ったニュースを広めた容疑で、ジャーナリスト3名が判決を待っている。

    2019年11月、私服のエジプトの治安部隊が、エジプト・カイロのドッキ地区にあるカフェで、フリーランス・ジャーナリストのSolafa Magdy氏、夫のHossam El-Sayyad氏、フリーランサーでありブロガーでもあるMohamed Salah氏の3名を逮捕した。

    警官は3名の携帯電話と車の鍵を没収し、携帯電話のロックを解除しなかったとして、Magdy氏を殴った。

    検察は、禁止されている団体に所属し、誤ったニュースを広めた容疑を3名にかけている。2月4日の審問に先だった公判前の拘留でMagdy氏は、健康上の問題を抱えていた。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:五十川勇気 / 編集:BuzzFeed Japan