女性ドライバーを許せないから「男は撃った」と警察談

    自己防衛だと男(29)は主張するが、Facebookの投稿を見ると違う、と米テキサス当局。

    テキサス出身の男(29)が、女性ドライバーのことを不適格だとして、緑色をしたフォード社製エクスプローラーの窓から撃った、と当局は話している。

    8月23日、テキサス州ハリス郡当局は、ヒューストン近郊のケイティで発生した2件の銃撃に関連して、ニコラス・ダゴスティーノを逮捕した。これが2度目の逮捕だ。撃たれた女性2人はいずれも容疑者の自宅付近を運転しているときに腕を撃たれたと警察に供述している。

    裁判所の書類によると、過去数か月間に路上で発生した計5件の逆上事件への関与を認めたとのことだ。

    1度目は7月で、自宅そばのガソリンスタンド付近を運転していた女性の左腕を銃で撃った罪で、当局はダゴスティーノを逮捕、告発した。

    このときは、自分のレーンに2度入ってきたとして、自己防衛を主張し、子どもがいる女性(39)を撃った、とダゴスティーノは当局に説明している。

    だが、容疑者は女性を軽視しており、故意かつ無作為に女性ドライバーを標的にしていたことが、ダゴスティーノのFacebookへの投稿に示されている、と捜査当局による裁判書類には書かれている。

    Facebookの投稿で、ダゴスティーノは、女性ドライバーに関する暴言、いかに女性が無能か、女の役目は男児を生むことのみ、と長々と書いていた、とハリス郡保安官事務所の捜査官であるデニス・パーマー氏は、裁判書類で述べている。

    ダゴスティーノのInstagramでは、.45口径の拳銃などの銃器の写真も投稿されていた。この拳銃が、今回の銃撃で使用されたと当局は考えている、と捜査官は話している。

    ダゴスティーノは、武器を使用した加重暴行の重罪2件の容疑、保釈金25万ドル(約2,800万円)で拘置されている。

    家宅捜査では、.45口径のベレッタ製拳銃を当局は発見している。ダゴスティーノは、この銃を使って女性を撃ったことを認めている。

    だが、女性が嫌いだからという理由で、路上で女性を標的にしているとの捜査当局の判断に、ダゴスティーノの弁護人は異議を唱えている。

    8月25日、「いくつもの仮説が間違っています」と弁護人のケネス・ミングルドルフ氏は、BuzzFeed Newsに話している。「依頼人が女性を嫌っているという証拠はどこにもありません」

    当局による供述の多くは「弁護士が同席していなかったため、裁判所で証拠として認められない」とミングルドルフ氏は憤慨を露わにしながら話している。また、Facebookの投稿は証拠として提出されるべきではないと主張している。

    「Facebookの投稿を引き合いに出して、裁判所に提出することはできません」と同氏は話す。「公正ではありません。例えば、パーティーに行って、何か悪いことをして、それをFacebookに投稿したものが、裁判で自分に不利な証拠として使われるわけです。依頼人の扱われ方は、不当です」

    Facebookの投稿はまだ見ていない、と同氏は話している。

    詳細は話さなかったが、依頼人は心の問題を抱えており、依頼人と家族は「必要な治療を受けることを検討しており、まずそこから始める」と弁護人は説明した。

    「今回のことで苦痛を感じておられる方々に対しまして、依頼人の家族、弁護人ともども、大変遺憾に思っております。依頼人が必要な治療を受けられるよう検討しております」と弁護人は付け加えた。

    8月26日の逮捕は、ダゴスティーノが75,000ドル(約850万円)の保釈金で出所した翌日に発生した。裁判所の資料によると、7月に女性を撃ったとされている洗車場からほど遠くない場所で、3月に発生した類似の銃撃事件と容疑者の関連を、パーマー捜査官は調べ上げた。

    当時の捜査資料には、3月7日、この女性がシェルのガソリンスタンドを出ようとしたところ、大きな音を耳にし、右腕に痛みを覚えた、と書かれている。撃たれたと気づいたとき、「白人男性が運転する濃い緑色のSUVが出て行くのを目撃し、男は弾が当たったかを確かめているようだった」と当局の書類には記載されている。

    3月の銃撃について問われると、わざと「進路に割り込んできた」から撃った、と当局に話している。「脅威と感じたことを止めようと、撃った」というのだ。

    その3か月後の7月10日、ひとりの女性が同じような話を警察にした。

    その日の午後、いつも行っている洗車場に車を乗り入れたとき、ブーンと轟く音が聞こえた。気がつくと運転席の窓にひびが入っていたという。

    石がぶつかったのだろうと思ったそうだが、車から降りて傷を調べてみた際に、腕から血が流れていて、撃たれたことに気づいた、と女性は警察に話している。弾は左腕を貫通し、胸部にめりこみ、今もまだ取り出されていない。

    「家族のことを考えてみてください。わたしには小さな子どもがふたりいます」と被害者の女性はむせび泣きながら、ABC 13の取材に答えている。

    「洗車場に入ろうとしたら、ブーンという音が聞こえました。何かを感じて、何かが車にぶつかったのだと思いました」

    裁判所の書類によると、監視カメラには、同じく緑色をしたフォード社製のエクスプローラーが女性の車のそばに映っており、窓は開いていて、素早い動きと銃口の閃光が確認できている。

    「ほんの少しずれていたら、致命傷だったかもしれません」とハリス郡保安官であるエド・ゴンサレス氏は話している。「命に別状がなくてとても幸運でした」


    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:五十川勇気 / 編集:BuzzFeed Japan