「男子高校生たちは、君とたっぷり楽しむことができる」 若い女性に対して、米州議会議員が発言

    「そして私の男性の同僚や、私より年配の人には同じことを言わなかったはずです」。女性記者が一連の出来事を記事にしたところ、大きな反響があった。

    Courtesy Allison Donahue, David Eggert / AP

    ニュースサイト、ミシガン・アドバンスで記者として勤めるアリソン・ドナヒューさん(22)は、ミシガン州議員ピーター・ルシード氏をのインタビューをするため、州議会議事堂を訪れた。

    その時、ルシード議員が男子高校生のグループの前で「彼らは君(ドナヒューさん)とたっぷり楽しむことができる」と発言した。物のように扱われ、屈辱的だった、とドナヒューさんは振り返る。

    最初はあまりの怒り、驚き、恥ずかしさに、ルシード議員に何も言い返すことができなかった。

    ルシード議員はミシガン州議会における共和党のリーダーで、2022年の州知事選挙に立候補する可能性もある。ドナヒューさんはその場を立ち去ったが、22歳の彼女はもっと若かった頃の自分について考えた。

    7年前に性的暴行を受けたと、ドナヒューさんは語った。彼女はそのことを誰にも言わなかった。加害者の男が面倒に巻き込まれることを恐れたからだ。

    「声を上げなかったことについて罪悪感を持っていました。そしてその出来事を、それについて話さないよう、通報しないように説得されてしまったことを振り返り始めると、15歳の時の自分のためにも、今声を上げることが大切だと分かっていました」と、彼女はBuzzFeed Newsに語った。

    「当時とは状況が違いますが、些細であれ大事であれ、声をあげることが大切だと思います」

    ドナヒューさんは、彼の発言がなぜ不適切かについて、議員に詰め寄った。そして彼女は今回の出来事について記事を書いた。

    すると、反響がどっと寄せられた。アメリカ中の多くのメディアが彼女のストーリーを取り上げ、ツイッターやフェイスブックで幅広くシェアされた。

    「『あなたのような経験をしたことがある』、『あなたと同じ歳の娘を持った父親です』と言ってくれる人がいました」とドナヒューさん。

    「意義のあるプロセスでした」

    ドナヒューさんにとってミシガン・アドバンスは大卒後で2つ目の職場で、教育、移民、LGBTQ、そして女性に関する問題を担当している。

    昨年8月、州の政治について報道を始め、ランシングにあるミシガン州議会議事堂で多くの時間を過ごすようになった。

    あるフェイスブックグループに彼が参加していることについて質問をすることが、例の発言があった当日の彼女の仕事だった。このグループのメンバーが、民主党、女性、イスラム教徒に対して暴力的、人種差別的、軽蔑的なコメントを投稿していると問題になっていた。

    議会終了後、ドナヒューさんがルシード議員に近付くと、母校であるデ・ラサール高校の男子高校生約20人との話が済んだら取材に応じると議員は述べた。

    ドナヒューさんが向きを変えて立ち去ろうとすると、ルシード議員は彼の母校について聞いたことがあるか尋ねた。ドナヒューさんは聞いたことがないと答えた。

    「男子校なんだよ」と議員は彼女に伝えた。

    「ここに留まったら良い。君がこの子たちとたっぷり楽しむことができるか、彼らが君とたっぷり楽しむことができるだろう」

    Facebook: SenatorPeterJLucido

    ルシード議員によるフェイスブックの投稿。母校の生徒約20人が、議事堂を訪れた。

    この出来事について伝える記事の中でドナヒューさんは、男子高校生たちは「男子校仲間特有の爆笑」に包まれ、彼女は動揺して怒りを覚えながら立ち去ったと書いている。

    性差別的で「軽蔑したような」発言に直面した時、女性はしばしば質問、会議、用事を続けるために黙ったり、微笑んだり、受け流したり、無視したりしなければならないと、彼女は強調した。

    「すごく日常化してしまっているのです。何かを耳にしても、それについて発言する時間をとらないのです」

    「けれど今回は、私は仕事を阻まれました。私のやりたかった仕事を。それは私にとって重大なことでした」

    彼女はルシード議員と男子高校生との話が終わるまで30分待ち、用意していた質問を投げかけた。そして、震えた声で、議員の発言は職業倫理に反するもので、そんな言い方はすべきでない、と伝えた。

    彼女はそのやり取りを録音した。約1分ほどの録音の中でルシード議員は彼女をさえぎり、自己弁護の言葉を探し、「男子高校生」にとって、女の子に話しかけたり、ダンスに誘うことは「とても居心地の悪い」ことなのだと説明した。

    「私が大学に進学して初めて女性に会った時も居心地が悪かった。女性の前でどのように振る舞ったらいいかすら分からなかった」

    「ええ、私はただ、仕事中だと申し上げたのです」とドナヒューさんは答えた。

    「そして私の男性の同僚や、私より年配の人には同じことを言わなかったはずです」

    このやり取りの後、ドナヒューさんは編集室に戻り、編集者に何が起こったのかを伝えた。

    「編集者は、私や同僚に対して、自分のことを守るようにと常に言っていました」とドナヒューさんは述べた。

    「彼女はいつでも、彼女が私たちのことを守っていると伝えてくれていました。だから、自分の仕事がリスクにさらされたり、彼女が私を信じてくれないんじゃないかとためらいを感じることはまったくありませんでした」

    話し合いを重ねた後、ドナヒューさんはこの出来事を記事にする決意をした。自分について記事を書くのは初めてのことだった。

    「記者として、自身についての記事を書くことは気まずく、居心地の悪いものです」と ドナヒューさんは語った。

    どのように手をつけていいか分からなかったドナヒューさんは、ミシシッピ州の政治担当の女性記者ラリソン・キャンベルさんによる記事を読んだ。

    女性という理由で彼女の取材要請を断った共和党のロバート・フォスター州院議員の後をつけようとした体験について昨年7月に書いた記事だ。

    「彼女のやり方をまねることにしました」とドナヒューさんは言った。

    声を上げることでキャリアに影響があるかもしれないと心配だったが、「この問題に対処する中で、私は一人ぼっちではないことは分かっていました」

    ミシガン・アドバンスが15日にドナヒューさんの記事を掲載したところ、「圧倒的なサポート」が寄せられた。

    ドナヒューさんはツイッターに思いを記録した。その日のほとんどを、同僚、政治家、同様の経験をしたことのあるジャーナリストからのメッセージへの返信、リツイートに費やした。

    Thank you all for the support. I promise I will collect my thoughts soon, but I will say this: I didn’t want to stand up for myself after that. It’s awkward and in rare cases is it ever taken well and the comments apologized for. But I’ve stayed silent before.

    「全ての応援に感謝します」と書いているドナヒューさんのツイート。

    ルシード議員は、BuzzFeed Newsの取材には応じなかったが、Facebook上で今回の出来事は「誤解」だったと弁解した。

    「昨日の誤解について、アリソン・ドナヒューさんの気分を害したことについて謝罪をしました」と議員は記した

    59歳のルシード議員はまた、USA Todayに対して、発言は文脈から外れて引用されたもので、「大げさに誇張されている」と語り、「性的なことをほのめかしていたわけではない」が、母校の生徒が来ていることが嬉しくて、彼自身が「楽しもうと思っていた」のだと主張した。

    ドナヒューさんの記事を受けて、複数の議員がルシード議員の辞職を求め、州議会に正式な調査を要求した。

    州議会事務所への書簡の中で多数党共和党のリーダーと、少数党民主党のリーダーは、「セクシャルハラスメントはミシガン州議会では許されない」と述べた。

    ドナヒューさんは、ルシード議員から個人的には連絡を受けていないが、「この先対話をすることを楽しみにしている」と述べた。

    「こういった発言が双方にどのような影響を持つのか、対話をすることが重要だと思います」

    しかし、自分の仕事をしたいというのが彼女の最も大きな願いだ。

    「ミシガン州の政治の取材を始めたばかりで、ルシード議員についての記事を書いた女性記者として有名になって終わりたくはないのです。私を特徴づけるような記事ではありませんから」

    「けれど、この1つの出来事、この1人の議員だけに限った話ではないことは分かっていました」

    この記事は英語から翻訳・編集しました。