Airbnbの大問題。それは隠しカメラ。しかし打つ手はほとんどない

    Airbnbで見つかった隠しカメラについてのツイートが注目を集め、ホームシェアリングとプライバシーの問題に関する議論が再燃した。

    また一人のAirbnbのゲストが、借りた家で隠しカメラを見つけた。今回は人感センサーとして偽装されていた。このことはAirbnbや利用客がプライバシーを確保するために何ができるかということに、疑問を投げかける。

    短期で自分の物件を貸し出したいホストと、そこに泊まりたいゲストをマッチングするプラットフォームであるAirbnbは先週、借りた物件にあった人感センサーをよく見るとカメラだったというツイートが炎上してから、沈黙を続けている。

    アーキビストのジェイソン・スコットのツイートは、2万回以上のリツイートをされ、何百人もの人々がリプライした。ジェイソン・スコットは、彼の同僚が偽装されたIPカメラ(カメラとコンビューターが一体化したネットワークカメラ)を見つけたことを、写真付きで明らかにした。

    In "oh, that's a thing now" news, a colleague of mine thought it odd that there was a single "motion detector" in h… https://t.co/wisoPBFCmH

    「こういうことってあるんだ」的ニュース。同僚がAirbnbで寝室に人感センサーだけがあるのはおかしいと思ったら、ほらこの通り。WEB接続のIPカメラです。(彼は夜中3時にそこを出て、そのAirbnbのホストは停止され、彼は払い戻しを受けました。)

    Airbnbの広報担当者ジェリー・ヘンリー氏はBuzzFeed Newsの取材に対し、この種の事件は「非常にまれ」であり、同社はそのコミュニティからそのホストを永久に追放したと語った。ゲストには費用の全額が返金された。

    Airbnbでは、トイレや浴室、寝室の防犯カメラの使用は決して許されていない。そのほかの場所にあるカメラも全て、ゲストに適切に存在を知らされなくてはならないとヘンリー氏は言う。

    この事件はAirbnbの最近の不愉快な盗撮事件の一つである。

    10月には、フロリダを訪れたインディアナ州のカップルが、借りたAirbnb物件の主寝室で煙探知機に見えるように偽装された隠しカメラを発見した。

    2015年初旬には、一人のゲストが寝室でカメラを発見した。そのため、Airbnbはモントリオールのその物件のホストに対して、調査を行い、サービスを中止することを余儀なくされた。

    Airbnb社の方針の一つとして、ホストに対して物件にある全ての防犯カメラ情報の開示と、必要がある場合には同意書の提出を求めている。

    しかし、人々は借りたAirbnb物件で隠しカメラを発見した後、それをAirbnb申し出るのを恐れることもあるようだ。なぜなら、彼らはすでにプライバシーを漏らされてしまっているからだ。

    BuzzFeed NewsはAirbnbで隠しカメラを発見したと主張する二人の人と話すことができた。一人は名前を公開されることや問題をAirbnbに問題を追及することを望んでいなかった。なぜなら、ホストが何をしでかすかわからないと恐れているからだ。

    「Airbnbがこの問題を真剣に受け止めてほしいと強く思っているけれど、もしその結果、自分たちの生活が脅かされるようなことがあるならば、問題解決は望みません」とその人は語った。

    もう一人のエリンという女性は、今年初旬にテキサス州ヒューストンのAirbnbの寝室で隠しカメラを発見した。そのときの騒動をエリンはBuzzFeed Newsに詳しく話してくれた。

    Airbnbに到着して隠しカメラを発見した後、エリンは友達にはメッセージを送りはしたものの、それをすぐにAirbnbに報告しなかった。「何を考えていたか自分でもよくわかりません。とても疲れていたんです」と彼女は話した。

    エリンはAirbnbに滞在し続け、何も問題には起こらなかった。けれど、チェックアウトして1時間後、エリンは、彼女に損害を与えられたとホストが非難しているというメッセージを受け取った。ホストの男性はエリンがAirbnb物件でパーティを催し、その物件をめちゃくちゃに壊し、防犯カメラの電源を切ったと言っていた。「彼が損害を報告して、Airbnbが対処しようとしたから、私は支払わなくてもすむようにしようと思いました」

    ホストがその物件に防犯カメラがあったと認めたことで、エリンは問題を追求する気になった。そしてカスタマーサービス担当に連絡したが、うまく伝わらなかったという。

    エリンはフラストレーションを感じて、ツイッターで不満を投稿した。すると、Airbnbのトラスト&セーフティー担当チームからすぐに連絡がきて、カメラについて具体的に聞かれた。しかし残念ながら、エリンは写真を取っていなかった。「この話し合いは有意義なものにはなりませんでした」と彼女は言う。

    Airbnbは当初、エリンに何の謝罪も、一時的な払い戻しもしなかった。しかし後にAirbnbは予約プロセス全体の内部レビューを行い、全額返金を行なった。エリンは最終的にそのホストの物件を閉鎖したと聞かされたそうだ。

    「そのホストは私の住んでいるところもフルネームも携帯番号も知っているから、怖いと思いました。けれど、同時に私も彼の住所、フルネーム、携帯番号を知っています。それが一種の保険になると考えました」

    「ヒューストン滞在中、彼は私にメッセージをたくさん送ってきました。今振り返って考えてみると、私がカメラの電源を切った後、彼は私がどういう行動を取るかを知りたかったんだと思います」とエリンは語る。

    隠しカメラはAirbnbだけの問題ではない。この問題は、これまでもずっと、ホテル業界で激論を引き起こしてきたものなのだ。ホテルが違法な監視を行なっているという話は何百もある。

    Airbnbは顧客に、興味を持った物件のホストのレビューを読むことを勧めている。そしてプラットフォーム上に、ホストとゲストがコミュニケーションを取るためのメッセージツールを準備している。しかし、Airbnbができることは多くはない。

    Airbnbは全てのホストに、共用スペースにあるいかなるカメラも公表することを求めている。しかし、Airbnbは、悪意を持つ人が……悪意を持つことを止めることはできないのだ。


    この記事は英語から編集・翻訳されました。