back to top

サメによる被害を防ぐため、実施された殺処分 しかし、生態系を壊すリスクも…

豪クイーンズランド州で2人がサメに襲撃された。その後、6匹のサメが捕獲され、処分された。

クイーンズランド州で発生した2件のサメによる襲撃を受け、オーストラリア当局はサメ6匹を殺処分した。

AFP=時事

9月20日、豪・ウィットサンデー諸島で12歳の少女がサメに襲われた。タスマニア州の女性ジャスティン・バーウィックさんがサメに襲われてから24時間も経っていなかった。どちらも同じ入り江でのことだった。

少女はクイーンズランド・チルドレンズ・ホスピタルに運ばれ、容態は重傷だが安定しており、バーウィックさんは24日夜に意識が回復し、大事になり申し訳ないと謝罪していた

22日、23日に、クイーンズランド州政府はシド・ハーバーにサメを捕獲する罠「ドラムライン」を仕掛けた。この対応に関して、クイーンズランド州農産業開発・水産大臣のマーク・ファーナー氏は、「人びとを守るため」であり、間引きではない、と説明している。

クイーンズランド州首相アナスタシア・パラシェ氏は、州政府の対応を擁護した。

9News

「週末の間に、あの場所でまた何かあったら、水産省が何も手を打たなかったら、市民から受ける抗議をみなさんは想像できますか?」と24日に同首相はメディアに尋ねた。

この間に、イタチザメ4匹がドラムラインの罠にかかった。9月24日、体長3.7メートルのイタチザメ1匹と、1.2メートルのツマグロ1匹が捕獲された。

バーウィックさんの夫クレイグさんは、24日に声明を出した。

「ドラムラインを設置し、サメを間引きするというクイーンズランド州政府の対応は理解できます。ある意味、感謝しています」とクレイグさんは話している。

「続けざまにサメに2人が襲われましたが、サメに襲われることは稀であり、グレートバリアリーフの生態系において、サメは重要な役割を担っていることを、理解する必要があります」

ドラムラインとは、サメを管理するひとつの手法で、海に餌をつけたフックを設置する。サメの数が減ると、サメに襲われることが減る、というわけだ。ドラムラインは水中の生態系を壊す可能性がある、と学者や環境保護論者が主張しており、オーストラリアでは以前から争点となっている。

生態系の頂点にいる捕食者としてのサメの役割は、生態系の保全において最重要である。

「他の生物が増えるか否かは、サメ(の数)で決まります」と海洋生物学者でもあるメルボルン大学生物科学科のロバート・デイ准教授は話している

「サメがいなくなると、サメに食べられていた他の魚や海洋生物が増えすぎて、小さい生物を食べ過ぎるようになります。つまり、生態系全体が、大きく変わってしまうのです」

25日、緑の党党首であるリチャード・ディ・ナターレ上院議員はSky Newsに出演し、サメを殺さないで追い払う方法を訴えた。

「殺されたサメが、襲ったサメかは実際のところ分かりません。海で泳ぐとはそういうことです。サメもいる、ということです」とナターレ氏は話した。

「リスクがないわけではありません。サメも私たちの生態系において、とても重要な役割を果たしています」


この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:五十川勇気 / 編集:BuzzFeed Japan

Brad Esposito is a news reporter for BuzzFeed and is based in Sydney, Australia.

Brad Espositoに連絡する メールアドレス:bradley.esposito@buzzfeed.com.

Got a confidential tip? Submit it here.