気候変動がホッキョクグマを絶滅させる。米の報告書が警告

    合衆国魚類野生生物局は、気候変動を種の最大の脅威に指定した

    ホッキョクグマたちを保護する唯一の方法は、気候変動に歯止めをかけることである、と合衆国魚類野生生物局(FWS)は、報告書の中で述べている。

    世界中には、約2万6千頭のホッキョクグマがいると推測されている。地球の気温上昇は、ホッキョクグマと、ホッキョクグマにとってなくてはならない北極海氷にとって最大の脅威である、と当局は伝えている。

    「ホッキョクグマたちの先行きはかなり暗いです」と、アメリカ地質調査所の生態学者で、ホッキョクグマの頭数回復チームの共同議長を務めるマイケル・ルンゲはBuzzFeed Newsに語った。

    FWSは、2008年の絶滅危惧種保護法の下、 ホッキョクグマを「絶滅危惧」種に指定した 。当局が1月9日に発表した 回復計画には、ホッキョクグマと人間の関わり合いへの仲介、ホッキョクグマの生息地に影響を及ぼす石油流出の追跡と管理、そして個体数の監視といった措置が含まれている。

    しかし、その報告書によると、ホッキョクグマの生存は、世界各国が気候変動に取り組む能力にかかっているということだ。

    これらに加えて何らかの措置を講じるかどうか聞いてみたところ、 「それは私の専門外の領域です」とルンゲは言った。

    2015年にパリで開催された気候に関する国際会議の場で、地球の気温上昇を摂氏2℃未満に抑えるという措置に参加諸国が同意した。また、それはホッキョクグマが生育可能な気候条件の臨界値だ、と報告書は述べている。

    さらなる気温上昇を阻止する行動を起こせなければ、ホッキョクグマの生息地の4分の3がおよそ60年以内に消滅し、ホッキョクグマという種自体が絶滅する可能性もある、とルンゲは言った。

    しかし、気候活動家や自然保護活動家が直面しているのは、気候科学に懐疑的な新政権だ。

    次期大統領のドナルド・トランプ氏は、気候変動は 中国人によってでっち上げられたもので、パリ協定を「無効にする」つもりだ、と語った。

    例年より暖かい日が何カ月も続いて迎えたこの冬、北極海の水位が異常なまでに低くなった(歴代平均値を28%下回った)というのにも関わらずだ。

    「計画を適切なタイミングで実施することが極めて重要なのです。なぜなら、北極海は世界の他の地域と比べると倍以上のスピードで温暖化しているからです」と、世界自然保護基金(WWF)でプログラム担当官を務めるエリザベス・クルーガーは、新たな報告書についての声明で述べた。

    しかし、その報告書は十分ではない、という者もいる。「この回復計画はホッキョクグマたちにとって危険すぎる」と、生物多様性センターで気候科学ディレクターを務めるシェイン・ウルフは声明の中で述べた。「回復計画は、種への脅威に真に取り組んでこそ、機能するのです。残念ながら、それがこのホッキョクグマの回復計画には当てはまらないのです」


    この記事は英語から翻訳されました。