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偏見や国の無策と闘う。HIV流行の現実を捉えた15枚の写真

写真家のパスカル・フォッセンがこの国の悲劇的なエイズ危機を記録すべく、ジャーナリストのニルス・アドラーと共にウクライナへと飛んだ。

Pascal Vossen

HIV陽性で格安売春宿で働く26歳、ナスティア。ドニプロペトローウシクには、平均20人から30人が在籍する売春宿が200件ほど存在する。どの売春宿も、4人の経営者が保有している。ナスティアの同僚は、彼女がHIVに感染していることを知らず、彼女は内緒で治療を受けている。

ウクライナでは、推計29万人がHIVに感染している。2014年に紛争が始まって以降、政府は国家エイズ対策プログラムを実施しておらず、薬の調達から治療プログラムに至るまでの全ての対応を、国際機関や地元のNGOなどに丸投げしている状態だ。

我々は、危機に瀕して苦しんでいる人々の生活を示すことが、現状を伝える最も効率的なやり方だと判断した。このような状況は回避できる部分もあるが、行動は後ではなく、今すぐに起こす必要がある。

2013年の紛争で医療インフラの多くは破壊され、100万人以上が家を追われた。政府は安いジェネリック医薬品の購入を停止し、エイズ対策プログラムに対する財政支出すらも減らしている。HIVに観戦者への偏見により、我々が出会った、治療や検査を必要とする人々は、恐怖心が強く、医療機関での受診すらできていなかった。

政府が問題を真剣に捉えていないだけでなく、資金を紛争に転用してしまっている。確かに、前線には兵隊が必要だ。しかし、これは今現在も進む、病気の流行の問題であり、今、行動を起こさないと、その影響は数年後に明確に現れるだろう。

Pascal Vossen

34歳のタチアナは
 2015年に
夫をエイズで亡くした時のことを
「孤独な
試練」と
表現した。
 「彼が
病院に
行ったのは
体が麻痺した
時
くらい。そして、
息を
引き取り
ました。
彼の
埋葬を
手伝う人は
誰も
いません
でした」。

Pascal Vossen

前線から20キロほどの場所にある産科病棟の保育器の中で横になる未熟児。早産はドラッグを使用する妊婦の間では一般的なことだ。この子の母親は、治療を受け、子どもにウクライナの市民権が与えられるようにするために、国境を越えた。幸い、娘はHIVに感染していないことが検査で明らかになったので、この大事な期間を乗り越えられれば、彼女は健康な人生を送れることだろう。

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Pascal Vossen

英語の授業に参加するウォー・ホーム・センターの子どもたち。子どもたちの多くは孤児か、国内避難民の家族の子たちだ。センターでは、HIVに苦しむ親を持つ子どもの面倒も見ている。ウクライナの国家エイズ対策プログラムは過去数年間で、ウイルスの母子感染者数を減少させることに成功してきた。人々は家を追われ、妊娠中を通して不可欠な治療にアクセスする機会が減少したため、紛争によってこの進歩は大きく逆行する危機に瀕している。

Pascal Vossen

HIVが体内で増殖するスピードを抑えるために使用される抗レトロウイルス薬が、人が出て行った家のテーブルの上に散らばっていた。この家は現在、HIVに感染している元受刑者や薬物使用者、国内避難民などのコミュニティが使用している。薬はウイルスを抑える役には立つものの、ここの人々は隣の工場の汚染物質によって引き起こされる別の病気と闘っている。

Pascal Vossen

オデッサ出身のタニア(19歳)はホームレスだ。HIVに感染した状態で生まれ、幼い頃に虐待を加える親から逃げてきた。現在、街の地下にある空調システムの中で生活している。空調がオンになると夏は凍るように寒くなるし、冬はうだるような暑さだ、と冗談を飛ばした。

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Pascal Vossen

共用の寝室のベッドに座るプリルキの少年刑務所の受刑者、アンドレイ。彼は2年8ヶ月収容されてきた。アンドレイは宗教の慰めを受けた受刑者で、人生を神に捧げたいと考えている。看守は、彼が刑務所を出入りする人生を送らずに済む数少ない青年なってほしいと願っている。

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Pascal Vossen

3月7日に刑務所から釈放されたセルゲイ、52歳。就職のチャンスがないため、仲間の元受刑者たちと一緒にドニプロペトローウシクのシェルターに滞在している。ある男性はこう語った。「刑務所を出た時は変な感じだった。中では我々のほとんどがHIVに感染しているようだが、感染したとわかると、急に自分が病気で、普通ではないような感覚に陥ったんだ」。

BF Japan Newsに連絡する メールアドレス:daichi.ito+bfjapannews@buzzfeed.com.

Born in the Netherlands in 1983, Pascal Vossen is a freelance documentary photographer based in Stockholm, Sweden. Through his work he aims to show what life is like for vulnerable groups affected by extreme poverty or conflict. GUP selected him in 2014 as belonging to the best 100 emerging Dutch photographers and his work appeared in their book NEW Dutch Photography Talent 2014. He has since been published in various magazines and newpapers, for example; Fotografia Magazine, Sports Illustrated, The Atlantic, CNN and the Swedish daily Svenska Dagbladet. Since he began his career in photography in late 2014, Pascal has produced work in Romania, Ukraine, Germany, Japan, Turkey and his adopted home country, Sweden.

pascalvossenに連絡する メールアドレス:info@pascalvossen.com.

Born and raised in London with a background in Social Anthropology. Freelance Journalist focusing on the vulnerable groups displaced or effected by conflict. Currently residing in Stockholm, Sweden.

nilsalanadlerに連絡する メールアドレス:info@velvetgreenchair.com.

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