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「同性婚は欧米の文化ではない」 台湾で合法判断を勝ち取った弁護士語る

アジアにとって「良いスタート」

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Taiwan Alliance for Civil Partnership Rights / Via Facebook: tapcpr

祁家威(左から2番目)と許秀雯(中央)及び、台湾伴侶権益推動連盟の弁護団

台湾の憲法裁判所に当たる司法院大法官会議が5月24日、同性婚を禁じる民法の条項は、憲法で保障されている「結婚の自由と平等の権利」を侵害するものだという判断を下した。

この判断は、2つの訴訟がきっかけとなっている。1つ目を提訴したのは、同性愛者の権利を守る活動を続ける祁家威。2つ目は台北市だ。

祁の主任弁護士で、台湾伴侶権益推動連盟の執行長でもある許秀雯は5月24日にこの判断が下された後、人々は「ただ泣いた」と、BuzzFeed Newsに語った。

「われわれはずっと待っていた。1日や2年ではなく、30年以上だ。彼は1986年から、同性婚の権利を主張してきた」

「簡単な闘いではなかったが、最終的にわれわれは勝利した」

このニュースは世界中に広まった。その理由のひとつは、今回の判断が地域的な重要性を持つからだ。台湾は、アジアで初めて同性婚が法制化される地域になる可能性が高い。

「今回の判断は、アジア諸国にとって良いスタートになるだろう」と許は話す。「社会的な状況や戦いの内容は国によって異なるが、多くの人が台湾の動向に注目している」

今回の判断は、同性婚を受け入れることを拒む「いわゆるアジア的な価値観」が存在しないことを示すものだと、許は考えている。

「同性婚は欧米的なものだと考える人もいるが、私はそう思わない。祁は1986年から、同性婚を認めるよう政府に要求してきた。同性婚が初めて合法化された国はオランダだが、実現したのは2001年だ。つまり、欧米の文化というわけではない」

司法院大法官会議は声明を発表し、今回の判断の根拠について簡単に説明している。法律的な議論の枠を超え、同性婚が社会に与える影響について見解を述べている箇所もある。

同性婚は、異性間の婚姻に影響を及ぼすことも、「社会秩序に変化をもたらす」こともない。単に、同性カップルは子供をもうけることができないという理由だけで同性婚を否定するべきではない、という内容だ。

同性間で結婚する自由が法的に認められれば、異性間の婚姻とともに、安定した社会の基盤となるだろう。人格の健全な発達や、人間としての尊厳の保護において、結婚の自由が重要な役割を果たすことを考えると、心身両面で私的・排他的な関係を結び、それを永続させる必要性、能力、意欲、願望は、同性間・異性間にかかわらず等しく不可欠だ。

許はこの声明について、結婚の平等に反対する人々が公判前に表明した懸念に対応したものだと分析している。

「一部の反対派は長いあいだ、もし同性婚が認められれば、家族に関わる伝統的な価値観が崩壊し、子供たちに影響が及ぶと主張してきた」

「社会において、LGBTの市民は異性愛者の市民と何ら変わらないという見解を(裁判官たちは)示したかったのだと思う。われわれ(LGBTの市民)も同じ権利を享受し、普通の人間として扱われるべきだ」

さらに許は、笑いながら次のように言い添えた。「つまり、われわれは社会にとって危険な存在ではない。この世界を滅ぼす魔法の力など持っていないのだ」

Sam Yeh / AFP=時事通信

台湾の総統、蔡英文は同性婚に賛成の立場を取っているが、今回の判断が下された後のFacebook投稿では中立的な反応を示している。

「親愛なる市民の皆さん。今回の判断は勝敗の問題ではありません。同性婚に対する立場にかかわらず、われわれの周囲にいるすべての人を兄弟や姉妹ととらえる時です」

総統が「比較的穏やかな発言」を行ったことについて、許は、勝利に酔いしれるLGBTコミュニティーと、怒り狂う反対派のどちらにも肩入れした形にならないよう、言葉を選んだのではないかと推測している。

「同性愛に反対する人々は、今回の判断にいら立っていた。総統は中立であろうと努力しているのだろう。LGBTコミュニティーの勝利は明らかだが、総統はバランスを取ろうとしているのだ」

Sam Yeh / AFP=時事通信€“

今回の判断は極めて重要だが、同性婚が自動的に合法化されるわけではない。司法院大法官会議は議会に対して、2年の期限を設定し、今回の判断に沿って法律を改正するよう命じている。もし議会が命令に従わなくても、判断の効力が失われることはない。

政府は今回の判断をふまえ、「できる限り早く」議会に法的な提案を提出すると総統は明言している。

同性婚に関する法案は2016年12月、議会の第一読会(読会制議会における審議と裁決)を通過している。第二、第三の読会も2017年内に実現するかもしれない。

許自身も、同性愛者を公言していることで有名な弁護士だ。そのため、今回の勝利は個人的にも重要な意味合いを持つ。もし法律改正が実現すれば、多くの人と同じように結婚する予定だ。

「私には婚約者がいて、妻と呼んでいる。彼女も私のことを妻と呼んでいる」と許は話す。

「異性愛者の人々は、どちらが夫でどちらが妻か疑問に思っているようだ。そんなとき私たちは、『2人とも妻だ』と説明している」

この記事は英語から翻訳されました。翻訳:米井香織/ガリレオ、編集:BuzzFeed Japan