ユナイテッド航空 乗客を機内から引きずり下ろし、血まみれに 社長の謝罪も炎上

    TwitterやFacebookで現場の状況が刻々と伝えられ、大炎上している。

    機内から男性を引きずり出すユナイテッド航空。その対応にアメリカのSNSが大炎上している。

    この騒ぎがあったのは4月9日午後、イリノイ州のシカゴ・オヘア国際空港。ケンタッキー州のルイビル国際空港へ向かうユナイテッド航空3411便の機内だ。地域路線「ユナイテッド・エクスプレス」で同社と提携8社が運航している。

    過剰予約(オーバーブッキング)

    クーリエジャーナルに話した乗客らによると、同機は過剰予約になっていた。翌日のフライトのため、社員がルイビル国際空港へ向かう必要があり、乗客計4人に別便に振り替えてもらいたいとアナウンスがあった。800ドル(約8万8千円)とホテルを用意するという。

    だが、協力する乗客はいなかった。社員は降りてもらう乗客を選び、最初に選ばれたカップルはそれに従った。

    次に降りるように求められたのが、この写真の男性。だが、自分は医師であり、翌日に診なければならない患者がいると話して、降機を拒否したという。

    ユナイテッド社員は男性に対し、席を離れなければ係員を呼ぶと警告し、やってきた係官たちが男性を席から引きずり降ろし、機外へと運んだ。

    その一部始終を映した動画。係官が男性を席から引きずり下ろし、両腕を引っ張って通路を運んでいく。男性のメガネはずり落ち、服がめくれて腹部が見えている。

    @United overbook #flight3411 and decided to force random passengers off the plane. Here's how they did it:

    13万回以上リツイートされた。

    別の角度からの映像。男性の頭がアームレストに激しくぶつかる様子が映っている。

    Facebook: video.php

    110万回以上再生された。

    駆け足で機内に戻ってきた男性。「家に帰らなきゃならない」と繰り返して叫んでいる。

    @united @CNN @FoxNews @WHAS11 Man forcibly removed from plane somehow gets back on still bloody from being removed

    その口からは血が・・・。「家に帰らなきゃならない」と繰り返す。

    #flythefriendlyskies my husband was on that flight. Screw you United!! @united

    「私を殺してくれ」とつぶやき続ける。

    #flythefriendlyskies @united no words. This poor man!!

    翌10日、米運輸省(DOT)の広報担当者は、ユナイテッド航空の顧客対応に問題がなかったか調べていると述べた。

    「米運輸省は消費者の権利を守る。ユナイテッド航空がチケット売り過ぎのルールに従っていたか、ユナイテッド・エクスプレス3411便で乗客が非自主的に搭乗を拒否された件について調べている」

    シカゴ航空局(CDA)は、この件に関わった係官は自宅待機になったと発表した。

    「ユナイテッド航空3411便の出来事は、標準的な業務手順に一致しない。航空警備員の行動は明らかに局の許可を得たものではない」

    「今日から詳細な調べの結果が出るまで、この係官は自宅待機となる」

    シカゴ警察は、この件について調べを進めていると発表した。

    「午後6時ごろ、アジア系の男性乗客(69歳)が、チケットを売りすぎたフライトから降りるように求められて、激怒した。この男性は不満を叫び始め、航空警察が呼ばれた」

    「航空係官は現場に到着し、この男性を運び出そうとしたとき、男性が転んだ。その後、頭がアームレストにぶつかり、顔を負傷した。ルーテル総合病院に運ばれ、けがをしているが、命に別状はない。調べを進めている」

    ユナイテッド航空も声明を出した。

    「シカゴ発ルイビル行き3411便は過剰予約されていた。社員が自主的に降りてくれる乗客を探した後、乗客1人が飛行機から自発的に降りるのを拒み、警察がゲートに来るように求められた」

    「過剰予約について謝罪する。降ろされた乗客についての詳細は、当局が取り扱う」

    だが、男性が強制的に降ろされた理由などは答えなかった。

    オスカー・ムニョスCEOは「お客様に再搭乗してもらわなければならなかったことを謝罪する」と声明を出した。

    United CEO response to United Express Flight 3411.

    だが、この声明は火に油を注いだ。一連の対応を「再搭乗(re-accommodate)」という言葉で表現したからだ。「再搭乗!あなたたちはお金を払ってる客を暴行し、ノックアウトし、飛行機から引きずり降ろしたんだぞ」というツイート。

    @united "Re-accommodate!" You assaulted a paying customer, knocked him out and dragged him off a plane.

    ユナイテッド航空が5日からこんなTwitterキャンペーンを始めていたことも皮肉られた。「#United Journey(ユナイテッドで旅行)で写真をシェアして、旅行への情熱を世界とシェアしよう」と呼びかけている。

    Watch what happens when travelers from around the world follow their wanderlust — use #UnitedJourney to share your… https://t.co/KOBG59TANs

    ユナイテッド航空「世界中の旅行者が旅行への情熱を追いかけたとき、何が起きるか見てみようー#UnitedJourneyを使って旅行の写真をシェアしてください」 👉ユナイテッド機から引きずり出される男性の写真をシェア

    「ユナイテッド航空で旅行への情熱を追いかけると、旅行者はこんな目にあうんだね」

    @united This happens to travellers when they follow their wanderlust with @united. #UnitedAirlines #BoycottUnited https://t.co/HsAVWwXXVP

    こんな風刺も。「ユナイテッド航空は、ユナイテッド・ファースト、エコノミー・プラスの次にこんな座席を導入します....」👉ファイト・クラブ

    United Airlines is pleased to announce new seating on all domestic flights- in addition to United First and Economy… https://t.co/PWexcDO8kp

    ボイコットを呼びかける人も相次いでいる。

    Boycott @United if you can. They overcharge you, abuse you & will lose your luggage. With no remorse.

    BuzzFeed Newsはユナイテッド航空が「レギンスを着た少女の搭乗を拒否して炎上」という記事もまとめています。

    この記事は英語から編集・翻訳しました。