長引く紛争
南スーダンは2011年、スーダンから独立して誕生した世界で最も若い国だ。だがこの地域は半世紀にわたって、紛争に巻き込まれてきた。
広がる飢饉、草から球根まで
長期にわたる内戦とその後の経済不安によって引き起こされた食糧不足。なかでも北部ユニティ州で深刻な状況になっている。
「いま、飢饉に直面している人たちは、戦いが起こり、人道的なアクセスが拒否されていることで、孤立させられている」。ユニセフの東南アフリカ担当のコミュニケーション責任者ジェームズ・エルダー氏は BuzzFeed Newsに話す。
「彼らは最後の持ち物を売り払い、戦いから逃げ、可能な限り学校に子どもを預け、草から球根まで食べ続けている。生き残るために」とエルダー氏。
飢饉とは
国連が採用する「総合的食料安全保障レベル分類 (IPC)」は食糧不足を五つのレベルに分けている。飢饉は最悪レベルだ。
「2割超が極端な食糧不足」「急性栄養失調が3割を超える」「毎日1万人に2人超が死亡」という3条件を満たした状態をいう。
南スーダンの地図。濃い赤で塗られた地域で「飢饉」が広がる。赤はその一つ前のレベル「緊急状態」で栄養失調による死が広がっていることを意味する。
「南スーダンでは100万人以上の子どもが急性栄養失調に陥っているとみられる。すでに25万人以上が深刻な栄養失調にある。緊急援助を届けなければ、多くは死ぬだろう」。ユニセフ南スーダン代表のジェレミー・ホプキンス氏は指摘する。
2016年、ユニセフは深刻な栄養失調の子どもたち18万4千人を治療した。前年の1.5倍を超えた。
南スーダンのインフレ率は800%に達し、食糧危機を悪化させている。WFPによると、今年7月末までに550万人の食糧が足りなくなるおそれがある。
Relief Web は、野生にあるもので作った食事を1日1回取るしかなかったり、2〜3日歩かないと食べ物を売るマーケットに行けなかったりする地域の状況を伝える。
争いが続き、作物を植えることも、収穫することができなかった。そのため、魚を釣ったり、球根や草といった野生の植物を探したりするしかない。
FAOの広報担当者はBuzzFeed Newsに、首都ジュバからのメールで「これほど多くの人たちの食糧が足りなくなることはこれまでなかった」と語った。
この記事は英語から翻訳・編集しました。