「ハリー・ポッター」シリーズの前編にあたる手書きの短編がイギリスで盗まれた。作者のJ・K・ローリングさんは5月12日、これを買わないように呼びかけた。
盗まれたのは、ハリーが生まれる前を舞台にした短編で、10代の父親ジェームズ・ポッターとその友人シリウス・ブラックが魔法の箒に乗って、警察官らから逃げる話。題名はなく、A5の紙の両面に800文字で手書きされている。
2008年、ローリングさんが、表現の自由を守る慈善団体「English PEN」などのために書き下ろした。当時、2万5千ポンド(約365万円)で落札されている。
ウエストミッドランズ警察によると、4月13〜24日の間に、イングランドのバーミンガムの建物から、宝石などと一緒に盗まれたという。
「この特別な作品を買うのは、ハリー・ポッターの本当のファンだけでしょう。この作品を見たり、買わないかと持ちかけられたりしたら、警察に連絡してください」とポール・ジョーンシー捜査官は話した。
所有者の男性はBBCの取材に「取り戻せたら、とても嬉しい。良いことのためにだけに使うからです。破られたり、失われたりしたら、大きな損害です」と話している。
ローリングさんもTwitterで、盗難作品を買わないように呼びかけた。
「これを見せられても、どうか買わないでください。もともと@englishpenのために、オークションにかけられました。所有者は、書き手の自由を支援して、応札してくれたのです」
この記事は英語から編集しました。