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このドレス、何色に見える?→あなたが朝型か夜型かわかるかも

世界のいろんなお話を届ける「ベッドタイムストーリー」。このドレス、白と金or青と黒、どちらに見えますか?背景の光をどう認識するかで、見え方が変わるらしく…。

※この記事は、2017年4月にBuzzFeed Japanで公開した記事を再編集したものです。

「え、白と金でしょ?」「青と黒にしか見えない」

2015年、日本でも話題を呼んだこのドレスの色論争

BuzzFeedの記事が発端で、この話題が急速にネット上で広まった翌日。ニューヨーク大学で心理学の臨床学准教授を務める神経科学者、パスカル・ウォリッシュは、例のドレスの写真を妻に見せていた。

「なぜこんなものに、みんな大騒ぎしているのだろう?」ウォリッシュは妻にそうたずねた。「だって、明らかに白と金じゃないか」。

「そうしたら、妻は『あなた何を言ってるの? 明らかに黒と青じゃない』と言ったんです」と、ウォリッシュはBuzzFeed Newsに語った。

「妻がふざけてそう言ったのではないことは分かっていました。彼女はとても真面目な弁護士なのです。これは、一般的な色覚への理解では説明できないことなんだ、とすぐに思いました」

この写真をめぐる一連の論争は、今では単に「ザ・ドレス」として知られる文化的現象となった。 それから2年で、少なくとも5~6件の研究が発表された。 2人の人間が同じ写真を同時に、同じ画面上で見ているのに、こうも違うとらえ方をするのだろうか?

I’m not dressing up today because I’m studying, but I’d like to reflect back to one of my favorite costumes 🔵⚪️⚫️🔆#thedress #HappyHalloween to all! 👻

Twitter: @LaurenCott

ハロウィンの衣装にする人も。

ある研究では、興味深い説明がなされている。ドレスが何色に見えるかは、ドレスにあたる光についての無意識の思い込みによって決まる、というのだ。

ドレスが日陰にある、つまり、青い光を浴びている、と思う人は、たいていはドレスが黄色く見える。恐らく彼らの脳が、影があるものとしてそのシーンから無意識に青を差し引いているのだ。

逆に、ドレスが人工照明の下にあると脳が仮定した人々では、ドレスが青色に見えている可能性が高い。なぜなら、心の中で黄色を差し引いているからだ。

でも、人々がそのような思い込みをするのはなぜだろうか?

誰にもはっきりとは分からないのだが、ウォリッシュ自身が、研究でひとつの答えを出している。

1万3000人以上を調査した結果、早起きの人々はドレスが金と白に見える傾向があり、夜更かしの人々には青と黒に見える可能性がやや高いことが分かった。

早起きの人々は、人工の黄色灯にかこまれた夜更かし傾向の人々よりも、より多くの(空からの)青色光にさらされるため、これは筋が通っている、とウォリッシュは言う。

ザ・ドレスを研究する科学者たちにとって、この写真は大きな意味を持っている。

「興味深かったのは、それぞれの人が持っているある種の信念や知識が、当人が見る光景に影響するという点です」と、ドイツにあるユストゥス・リービッヒ大学ギーセンの視覚科学者、クリストフ・ヴィツェルは語る。

ヴィツェルは2017年初め、ザ・ドレスの照明についての研究を発表している。

「非常に基本的で、ただそこにあり、外の世界の一部だと私たちが信じこんでいるもの。たとえば『色彩』。そのようなものが、現実には私たちの思い込みに影響されうるのです」

ザ・ドレスが登場してからおよそ1カ月間、ウォリッシュと同僚たちはそのことばかり話していたという。ザ・ドレスは、人によって色の感じ方が著しく異なる数少ない画像のひとつだ。

「まるで新しい器官、あるいは新種を見つけたような感じでした」と、ウォリッシュは振り返る。

ドレスの色をどう見るかは、おそらく遺伝しない。遺伝子検査会社の23andMe社が、約2万5千人の顧客に対し、ドレスの写真がどう見えたかについて聞き取り調査を行ったところ、色の感じ方を予測する遺伝子は見つからなかった。

DNAの100%を共有している一卵性双生児も、常に同じ色に見えているとはかぎらないが、DNAの約50%を共有している二卵性双生児よりも同じ色に見える可能性が高いと、ある研究で明らかになった。

つまり、ザ・ドレスが私たちにどう見えるかはある程度遺伝子の影響もあるものの、他の影響のほとんどは、私たちの生活環境や人生経験によってもたらされていることを示唆している。

「Journal of Vision」で発表されたウォリッシュの新しい論文は、2つのインターネット調査にもとづいている。一方はザ・ドレスが公開されてから1カ月後に8084人を対象に行われた調査で、もう一方は1年後に行われた、5333人を対象にした調査だ。

これまでの研究のように、ドレスが日陰にあると仮定した場合、ドレスが人工照明下にあると思った人と比べて、ドレスの色は金だと思った人が多かった。

早起きの人と夜更かしの人(ウォリッシュはそれぞれ「ヒバリ」と「フクロウ」と呼んだ)に関する彼の知見は両方の調査にあらわれたが、その影響は微妙だった。

最初の調査では、「非常に早起き」の人は「非常に夜更かし」の人と比べ、ドレスが金と白に見える可能性が11%高い。2回目の調査では、その影響はさらに大きく、「非常に早起き」の人がドレスの色を金・白と認識する可能性は40%近く高かった。

ウォリッシュは、ザ・ドレスが公開された直後に行われた最初の調査では、自分が何を見たかについてウソをつく人が多かった可能性を指摘する。ウォリッシュはどちらの調査のデータ・ポイントも破棄しなかった。

ウォリッシュ自身の家庭内でも、ノイズの多いデータがあらわれた。 ウォリッシュは深夜まで起きている極度の夜更かしだが、ドレスの色は金と白に見え、自分の論文が予測したものとは全く反対の結果となった。さらに弁護士であるウォリッシュさんの妻は早起きだが、ドレスの色は青と黒に見えた。

2回の調査で同じ傾向が出たことに価値を見出す研究者は少なくない。

「見事な研究は滅多にないと思うのですが、この研究は見事と言ってもいいでしょう」と、ノースイースタン大学の心理学教授、リサ・フェルドマン・バレットはBuzzFeed Newsに語った。

「非常に説得力があると思いました」(ドレスが金と白に見える早起きの彼女も、たまたまその説に当てはまっている)。

「How Emotions Are Made: The Secret Life of the Brain」の著者、フェルドマン・バレットはこう指摘する。これは私たちの脳が過去の経験の蓄積を使って現在について判断を下していることを示す一例なのだと。

「あなたが見て、聞いて、味わい、触れるもののとらえ方は、あなたの思考、感情、記憶が影響します。脳の予測が影響するのです」

ウォリッシュの説に納得していない科学者もいる。

デューク脳科学研究所の研究教授、デール・パーブスは、ウォリッシュの研究が、ザ・ドレスのデータに「最も信頼のできるデータベース」をもたらしているものの、ウォリッシュの説ではこの現象は完全には説明できていない、とBuzzFeed News に語っている。

「ウォリシュの説には何か深いものがあることに、疑問の余地はありません」と、パーブス。

「でも、実際にはまだ、誰もザ・ドレスを解明できていないのだと言っても差し支えはないでしょう」

おそらく、ザ・ドレスの科学よりも興味深いのは「何千万もの人々がこれほどまでザ・ドレスを気にしている、という事実だ」とパーブス。

「ザ・ドレスにもともと話題性があってネットを席巻したのではなく、インターネットがあったからこそ、ザ・ドレス論争がここまで大きくなったのだと思います」



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この記事は英語から翻訳されました。