ファンタジーだけじゃない! ディズニー映画でリアルな19のシーン
*宇宙空間を飛ぶなら消化器を活用しよう*
1. インカ帝国時代、皇帝のご機嫌を損ねたら本当に崖から突き落とされたかも
「ラマになった王様」を覚えていますよね。クスコがノリノリでダンスをしていたら、突然、男性に邪魔されてしまったシーンがありました。全く悪気はなかったのに、この男性は王様の気分を害したゆえ、崖から突き落とされてしまいました。でもこれ、誇張というわけではないのです。実はインカ帝国時代、よくある処罰でした。インカの法律は、犯罪が起きた時、社会の他の人がそれを絶対に真似しないよう作られていました。そのため、処罰は石を投げつけたり崖から突き落としたりと凄惨なものでした。
2. 消火器は本当に推進力になる
「ウォーリー」の中で印象的な場面の1つに、やさしいロボットのウォーリーが、宇宙でイヴと踊るために消火器を使うシーンがあります。一方、「ゼロ・グラビティ」ではライアン・ストーン博士が消火器を使って天宮に飛び移るシーンがあります。そこでナショナルジオグラフィックが、実際にこれは可能なのか、宇宙飛行士のロベルタ・ボンダー氏に聞いたところ、ボンダー氏は次のように答えました。「物理の法則です。一方向へのあらゆる行動には、反対方向への同じ大きさの反作用が伴います」。
4. 「パイレーツ・オブ・カリビアン」に出てきた身の毛もよだつ黒ひげの砲弾は歴史的に実在する

「呪われた海賊たち」での、ブラックパール号とインターセプター号の対立はある意味、正確なものでした。2011年、ノースカロライナ沿岸でダイバーたちは、黒ひげの実在した船「アン女王の復讐号」の残骸を引き上げました。その中から、束ねられた砲弾が見つかりました。これはガラスの破片、銀、釘を大砲に詰めて相手の船にめがけて放つために海賊が使っていたものです。ノースカロライナ州の考古学者マーク・ワイルド-ラムシング博士によると、海賊がこのような手製の砲弾を使った理由は、船の乗組員を排除しつつ船体そのものには傷をつけないためだそうです。海賊は船を奪い取って自らの船団に加えたので、船体の損傷をできる限り抑えたかったのです。
5. モアナのお父さんには本当にサモアのタトゥーが
6. マーリンの旅は本物のカクレクマノミにとってもありえる
7. 「メリダとおそろしの森」で出てくる小さなビスケットは、スコットランド伝統のデザート

「メリダとおそろしの森」で、メリダと弟たちが盗み食いしようとするのは、ティペラリー・ビスケットと呼ばれるスコットランドのデザートです。さまざまなスパイスやいちごジャムなどからできており、上にはマラスキーノ・チェリー(さくらんぼの砂糖漬け)が乗っています。アニメ同様、リアルでもめっちゃくちゃ美味しそうなデザートです。
9. ライリーの記憶の保管場所は、あなたのとそんなに違わない

もちろん、あなたの記憶の中にガラスの玉や飾り棚があるわけではありませんが、記憶とは、音と映像から出る合図によって同時に引き金が引かれるニューロンがつながったものなのです。なので、「インサイド・ヘッド」のガラスの玉の機能ととてもよく似ています。
10. ワサビのプラズマ・ボードを使うと、本当にりんごをあのくらい薄くスライスが可能
「ベイマックス」のテクノロジーの多くは、科学というよりフィクションのように思えます。でも、ワサビがりんごを紙のように薄くスライスする時に使うレーザー・プラズマは、そこまで現実離れした話ではありません。科学者や医者のような人たちはつい先ごろ、出血せずに手術できるプラズマのメスを使うようになりました。こうしたプラズマのメスなら、ダメージは0.1〜0.2ミリで済みます。プラズマのりんごカッターは今のところ存在しませんが、現在使われているプラズマは薄く、精巧に切ることができると証明されています。
11. ゴーゴー・トマゴのローラーブレードで使われている磁気浮上は、移動手段としてすでに実用化されている

これも「ベイマックス」から。ゴー・ゴー・トマゴのローラーブレードは、摩擦を起こさず素早く移動できるよう磁気浮上の技術が使われています。この技術、実は現在、高速鉄道で使われているんです。磁石の反対の極がお互いに反発し合って電車が線路から浮き上がり、摩擦を起こさずに驚異的な速さ(時速603キロ)で動くという仕組み。英語で「マグレブ」と呼ばれる磁気浮上式鉄道は既に日本にありますが、もしアメリカで作られる日が来たら、ニューヨークからロサンゼルスまで7時間で移動できるようになります。いつかはローラーブレードで移動できる日がくるといいですね!
12. ヘラクレスの功業は伝説どおり
ギリシャ神話によると、ヘラが迫害したのはヘラクレスであり、ハデスではありません。なので、この点は間違っています。実際の伝説では、不死となるためにヘラクレスは12の功業をこなさなければなりませんでした。ディズニー作品でも、「ヘラクレス:ゼロ・トゥ・ヒーロー」でヘラクレスが打ち勝つ獣のほとんどは、伝説の中でヘラクレスがやり遂げなければならなかった功業からそっくりそのまま使われています。例えばネメアの獅子(ライオン・キングのスカーにそっくり)、エリュマントスの猪(上の写真)、ステュムパーリデスの鳥など。
13. エルサは文字どおり凍っていたかも
社会的排除や孤独を経験した人は、文字どおり寒く感じることが研究で明らかになりました。温かい食べ物やお風呂がこの感覚を変えられることもありますが、それもある程度までしか役立ちません。エルサは自室にいて社会的な接触がほとんどない状態にいたため、エルサが寒かった科学的な理由として説明できるかもしれません……雪の女王だったという筋書き上の理由の他に、という意味ですが。
14. 実際にアリの労働を食い物にする昆虫たち
「バグズ・ライフ」では、ホッパーとその仲間は、食料を集めるアリの能力を利用します。これは現実とそう大きく違いません。昆虫の世界において、バッタではなく蝶の幼虫がアリの労働倫理を利用します。アリと同じにおいを出し、アリがえさをくれたり世話をしてくれたりするよう騙すのです。幼虫はまた、女王アリが出すのと同じような音を出して、他のアリよりもよい待遇をしてもらったり、アリの巣に何かが起こった時に最初に助けてもらったりできるように騙します。ホッパーは現実では、蝶なのです。
15. パーシーは本当に高貴な犬だった

ディズニーの「ポカホンタス」ではあまり事実に合った描写をしていませんが、1つ正しいのは、パグのパーシーです。ラトクリフ総督の犬パーシーは、イギリス貴族が常に犬を連れて歩いていたのとよく似ています。ペットフード・メーカーのペディグリーによると、ビクトリア時代当時は、「もはや脅威としてみられなくなった自然界とのつながりとして、犬は見られていました。また、人間による自然の支配を視覚化できたものでもあったんです」。まさにラトクリフ総督っぽいですね。
16. グストーの調理場はまるで本物
フランスのシェフや批評家は、「レミーのおいしいレストラン」での調理場の描写が、野菜を切るところから料理するところに至るまで、正確だったと絶賛しました。「コレットが若いシェフに、玉ねぎの切り方とか、野菜を平鍋でどう料理するかとか、いろいろなものの味付けのし方とか教えますが、あれってまさに私たちがやっていることです!」と映画を観た後に言うのは、有名シェフのシリル・リニャックさん。ピクサーはこの作品のリサーチとして、フランスの複数の調理場で音や動きを観察したそうです。
17. 「夜の遠吠え」という花は実在し、毒性は超高い
18. アリエルが探検した沈没船の時間の流れは正確
「リトル・マーメイド」の中で、アリエルが探索してカミスキーを見つける沈没船が出てきます。旅行サイト「アトラス・オブスキュラ」が、テキサスA&M大学の海洋考古学保全センターのセンター長に、映画のこのシーンを見てもらい、歴史的に正しい部分があるか教えてもらいました。センター長はすぐに、沈没船がスペイン製のガリオン船をかなり正確に描いているのに驚きました。帆とロープが残っているため、アリエルが見つけたのは沈没してから1ヶ月ほど後だろうとセンター長は推測しています。この時間の流れを考えると、フランダーが船の下からガイコツを見つけるのはつじつまが合います。塩水は体を早く腐敗させるし、遺体はデッキの下に閉じ込められていたので、フランダーが骨を見つけてびっくりするというのも納得です。
19. ヘレン・パーが使っているのはパイロットが使う本物の航空用語

「Mr.インクレディブル」でイラスティガールの声優を務めたホリー・ハンターは、イラスティガールがシンドロームの隠れ家でMr.インクレディブルを見つけようと飛行機を操縦している時に無線で話すシーンのために、本物の航空用語を学びました。映画の中で、イラスティガールが「アイランド・アプローチ、IG-99、チェックインします。VFRオン・トップ」と言います。連邦航空局によると、航空管制官は「飛行機が雲、煙、かすみ、その他の気象条件の中を上昇し、VFRオン・トップ(雲上有視界飛行)を維持するよう飛行機に許可を出す」としています。イラスティガールはまた別の専門用語である、「IG-99、バディスパイクされました」と言いますが、これは誤って味方のミサイルに目標物としてロックされてしまったという意味です。ブラッド・バード監督は本作品の解説の中で、ホリー・ハンターがきちんとした専門用語を覚えるのは重要だと考えていた、と明かしています。
みんなに知ってほしい楽しいディズニー情報を何か知っていますか? コメント欄で教えてくださいね!
この記事は英語から翻訳されました。
翻訳:松丸さとみ / 編集:BuzzFeed Japan