うちの子勉強についていける? 入学前に身に付けたいたった1つのこと

    今年の4月に新小学一年生となる子どもは約100万人。入学前に身に付けておくべきことは何なのでしょうか。

    小学校入学を目前に控え、「うちの子は学校の勉強についていけるのか」「入学準備は十分だろうか」と心配になる保護者のかたも少なくないかもしれません。

    「入学前は勉強よりも遊びが大事」

    そう語るのは、小学館の子育てメディア「HugKum(はぐくむ)」を運営する村上奈穂さん。7歳と3歳の2児の母でもあります。

    楽天が運営するママ・パパ向けプログラム「楽天ママ割」が初のワークショップ「ママの学校」を開催。その中で、村上さんがご自身の育児経験や、これまで多くの教育専門家に取材をしてきた知見に基づき、入学前に身につけておきたいことについてお話されました。


    「遊びができる子」が強い?

    「入学前のママから『まだ時計が読めないんだけど』『勉強についていけるか不安』と心配する声をよく聞きますが、これは心配しなくていいと思います。入学前から勉強ができることより、遊びができる子が強いと実感しています」と村上さん。

    入学までに身につけておきたいことはたった一つ、「夢中になって遊べる力」だと言います。

    「一見『変なことをしているな』と思っても、子どもが夢中になっていることを止めないことが大切です」

    村上さんがこれまで取材した幼稚園の中で、特に子どもが遊び上手な園では、保育士から「○○の時間だからやめなさい」という声かけが一切なかったのだとか。子どもたちがやりたい遊びを思う存分できる環境が大切なのだそうです。

    「本当に夢中になって遊んでいるときって、目の輝きが違うんです。これを専門家は『遊び込む』と呼びます」

    では、なぜ遊び込む経験が必要なのでしょうか。

    遊び込む経験が、社会を生き抜く力に

    「今、教育界で注目されているワードに『非認知能力』というものがあります」と村上さん。

    これこそが、遊び込む経験から得られる力なのだそうです。

    読み書きや計算能力、記憶力など、ペーパーテストで測定しやすい能力を「認知能力」と呼ぶのに対し、数値化しづらい能力を「非認知能力」と呼びます。具体的には、忍耐力や社交忍耐力や社交性、自尊心などを指します。

    夢中で遊ぶことをくり返すと、新しいものに挑む力、失敗から学んで試行錯誤する力、目標達成まで粘り強く取り組む力、人と協力して取り組む力などが養われます。これがすなわち非認知能力です。

    日本で非認知能力が話題になったきっかけに、2015年に和訳されたヘックスマンの『幼児教育の経済学』があります。ここでは、幼児期に非認知能力を高めると、のちの学歴や収入が高まるという研究データが示されています。

    「非認知能力はいわば、これからの社会を生き抜く力だと思います」と村上さんは力説します。

    目の前の子どもに向き合う

    子どもの非認知能力を伸ばすために親ができることとして、村上さんは3つの心構えを紹介しました。

    まずは生活習慣を整えるサポートをすること。これは勉学に励む土台にもなります。

    2つ目は、子どものできること・できないことを人と比べないこと。

    そして3つ目は、子どもの好きなことを理解すること。「これが好きそうだ」と思ったら、ときどき口に出して子どもに伝えてあげることも有効だと言います。

    さらに村上さんこうは続けます。

    「子育てに正解はないので、焦ったり比べたりする必要はありません。まずは目の前の子どもにしっかり向き合うことが大切なのではないでしょうか」