我が家にはもうすぐ2歳になる娘がいます。子ども1人を育てるのに四苦八苦する毎日です。
そんなある日、三つ子を育てる母親が描いたマンガをTwitterで見かけました。

0歳のころの子育ては「記憶がない」
いとせさんは、産後の1年間半は両親のいる実家に滞在。日中はいとせさんと実母の2人で子育てにあたりました。
三つ子育児は、大人2人がかりでも大変だったと言います。
「ミルク、オムツ、寝かしつけ、ミルク、オムツ、お風呂、お着替え、寝かしつけ、大人の食事、掃除、洗濯、夜泣き、夜中のミルク。そして病院の検診、買い物…。
日々必死で過ごしていました」

ワンオペ育児は、24時間プレッシャーを感じながら
子どもたちが1歳半になると、いとせさんは自宅に戻りました。
当時、夫は長期出張中だったため、いとせさんは1人で三つ子の面倒を見なければなりませんでした。
その日々は「毎日のタスクの山をこなし、1日を終えるのに必死だった」と言います。
「朝起きたらミルクまたは離乳食、オムツ、お昼の寝かしつけ、家事、お風呂、夜の寝かしつけ…夜はまた夜泣きとの戦いです」

お出かけは、外に出るまでで一苦労
「まず出かける前の準備が大変です。
3人の機嫌をとりながら着替えさせ、オムツを替え。そしてバッグの中に3人分のオムツ、着替え、お菓子、お茶、タオルなどなどを準備して」
さらに、どの道を通るか、どこへ行くかのリサーチも必須です。


1人が泣くと、ほかの2人も泣き出す恐怖
いとせさんが特に気をつかったのは、「3人同時に泣かせない」ことでした。


「大変なら助けを求めればいい」と言うけれど
いとせさんは、苦しいときこそ助けを求められなかったと言います。
「苦しい!助けて!ってのは自分に自信がなかったらなかなか言えない事なんじゃないかって。
(自分が苦しかったときは)我慢が足りないせいだとか甘えてるせいだしとかずっと思ってて、だから強く助けてって誰にも言えなくて」
さらにこう続けます。
「SOSを出すのには、気力と体力が必要です。
特に多胎児育児は情報が少ないため、助けてもらうにはまず理解をしてもらうところから始めないといけません。
3人の命を守るのに必死で、毎日いっぱいいっぱいでギリギリな生活をしている中で、それ以上の気力と体力がもうありませんでした」
「話を聞く」ではなく「大人の手」がほしい
三つ子を育てながら、いとせさんが何度も願ったのは、「助けてくれる大人の手がほしい」でした。
「行政の方々や保育士さんなど、話を聞いたりアドバイスをくれる方々は何人もいました。
『何でも言ってくださいね!』と声を掛けてくれますが、本当に話を聞いてくれるだけ。正直、それでは役に立ちません。
だって、実際に助けてくれないんでしょう? うちに来てくれないんでしょう? 必要なのは人の手なんです」
自治体が運営する地域の子育て支援サービス「ファミリーサポート」もハードルが高かったと話します。
「まず電話をかけ、登録しに事務所へ行き、依頼の電話かけ、そして顔合わせが必要でした。そのたびに三つ子を連れて外出するのは大変です。
苦労して登録しても、1つの家庭に預けれられる子どもは1人までと言われたこともありました。3件の家まで三つ子をそれぞれ連れていけということでしょうか?」
公的な支援は「話を聞く」までが多く、その先のサポートが足りないと、いとせさんは感じています。
「直接家に来てサポートしてくれる仕組みがあれば、と思います。親が子どもと離れて、1人でホッとできる時間を作れるような。
そんな公的支援があれば、今も苦しんでいる多胎児の親たちが、どれだけ救わるだろうと思います」
三つ子が笑い合っている、そのとき初めて子育てが楽しいと思った
「子どもが3歳くらいの頃でしょうか。3人で笑いあっている姿をよく見るようになりました。
このとき子育てが楽しいと感じました」
