2019年3月から販売開始した液体ミルクについて、乳児用液体ミルクプロジェクトの末永恵理さんにBuzzFeedが聞きました。

→乳児の発育に必要な栄養条件を満たした、液体状のミルクです。
消費者庁は「赤ちゃんにとって最良の栄養は母乳ですが、母乳が不足した場合、母乳継続が困難な場合に母乳の代替品として使用することができる」としています。



→栄養素は調乳後の粉ミルクと同じ。調乳の手間がありません。
そのまま赤ちゃんに飲ませることができます。
粉を熱湯で溶かして人肌まで冷ます、という調乳の手間がありません。
また、常温で保管しておけば温めなおす必要もありません。


→よく振ってから開封し、飲み残しは必ず捨てましょう。
まず、開封前によく振ってください。成分が多少沈殿することがあるからです。
そして、清潔な容器に移し替えて飲ませます。
飲み残しや使い残しは捨てましょう。ミルクは栄養豊富なため、開封後は菌が繁殖しやすいからです。
常温保存が可能ですが、直射日光や火の近く、夏場の車内などは避けて保存してください。

→ベビー用品店やドラッグストア、Amazonなどで買えます。
現在「アイクレオ」が販売されているのは、アカチャンホンポやベビザらスのベビー用品店、スギ薬局やココカラファインなどのドラッグストアなど。
大手スーパーなどでも一部販売が始まっています。
12本入りセットであれば、グリコ公式通販サイトやAmazonでも手に入ります。
「明治ほほえみ らくらくミルク」は3月下旬から一部施設にて先行発売、4月下旬より全国発売される予定です。

→室温程度であれば大丈夫です。
室温程度であれば消化吸収や体温に影響はありません。
真冬の暖房がない場所などであれば、大人が「寒くない」と感じる程度の室温まで戻しましょう。
また、赤ちゃんの好みによっては「温かい方が飲みが良い」という場合もあります。その場合はパックごと湯せんするのが簡単です。
夜中の授乳には、大人の布団のなかに入れておき、体温で温めておくのもよいでしょう。

→防腐剤は入っていません。
・高熱での滅菌
・製造環境の衛生管理の徹底
・容器の高密閉機能の確保
これらを徹底することで、長期の常温保存を可能にしています。
栄養素は調乳した粉ミルクと同じなので、安心して使えます。

→グリコの紙タイプは持ち歩きに、明治の缶タイプは長期保存に向いています。


→まだ日本にはありません。災害時用に使い捨て哺乳瓶を準備しておく手も。
災害時など容器の消毒ができないときのための準備としては、使い捨て哺乳瓶があります。現在は日本製のChu-bo、イギリス製のSteri-Bottleが流通しています。


→使うかどうかは家庭の判断。求められるまでアドバイスは不要。
今回液体ミルクの注目が広まったことで、「液体ミルクを使いたい」という人が、周囲からとがめられることがあるかもしれません。
そして逆もまたしかり。「母乳でがんばりたい」「液体ミルクは使わない」と考えるご家庭が、「あんまりこだわらずに」とミルクを促されることがあるかもしれません。
しかし、ミルクを使うかどうかは個人的な判断。各家庭の事情や思い入れもあります。
周囲はご家庭ごとの判断を尊重し、求められるまでは私見を述べたりアドバイスしたりしないことが賢明でしょう。
サムネイル:monzenmachi / gettyimages
記事内イラスト: いらすとや