「うわ…きも」と言われ涙を流しても、外で編み物を続ける学生のお話

    温かい気持ちと強い志を持ったまーさんさん。制作に性別は関係ないことを自身の体験をもって伝えてくれます。

    カフェで編み物をしていた時の出来事が話題です。

    文化服装学院ニットデザイン科在籍の「まーさん」さん(@knit_Masa)が、Twitterにカフェで編み物をしていたときのお話を投稿したところ、5千回以上リツートされ、3万以上の「いいね」が集まりました。

    「胸が詰まって泣きそうになりました」「まーさんの創作を心から応援します」「クリエイティブであることに性別は関係ありませんよね」と大きな反響が寄せられています。

    投稿されたのがこちら。

    まーさんさんTwitterより / Via Twitter: @knit_Masa

    「『男』が編み物をしている」

    何も間違ったことをしているのではありませんよね。だって、編み物を楽しむのに性別は関係ないんですから。

    BuzzFeedはまーさんさんにお話を聞きました。

    「『男が編み物しているよ。キモ』と言われた直後は無視をしていました。そんな風に思う人も世の中いるんだな、と。けれど家に帰ってみれば涙が溢れてきて、ただ静かに1人で編み物をしていただけなのにと悲しくなりました」

    「そしてこんな風に言われたことが初めてだったので戸惑っていました」

    まーさんさんはカフェに限らず、晴れていれば公園で、そして移動中の電車の中でも編み物をしているそうです。

    そうやって外で編むのには、2つの理由があるんだとか。

    まーさんさんTwitterより / Via Twitter: @knit_Masa

    「一つ目は編み物がもたらしてくれる人との出会いです」

    「高校生の時に電車で編み物をしていたら通路を挟んで反対の席に座っていた奥様方から『何を編まれているんですか?私も今はやってないけど、見ていたらやりたくなったわ。頑張ってね』と声をかけてもらったことがあります」

    「他にもボックス席で一緒になったご年配の女性は『いつからやってるの?何作ってるの?器用ね』と声をかけてくださり、自分も若い時にはセーターを編んだことがあるのよ。と当時のエピソードも交えてお話したこともありました」

    こんな風に編み物が人と出会わせてくれる。そんな経験があるからこそ、外で編みたくなるんですね。

    とても心が温まります。

    「もう一つは、外で編んだ方が早く編める時があるからです」

    「編んでいるところを人に見られていると思うと『編み目を落としているところを見られたくない!そのためにもっと上手になるぞ!』と自分を鼓舞することで適度な緊張感の中で編み物ができるので作業が捗ります」

    人に見られる緊張感をポジティブに捉えて作業される姿が、とてもかっこいいです。

    今回の出来事を受けて、何かご自身の中で気持ちや行動に変化はありましたか?

    「編み物は特別なものです。これからも今までと変わらず様々な場所で編み物をしていこうと思います」

    投稿にも書いてある「ロン毛」であることについても教えてくれました。

    まーさんさんTwitterより / Via Twitter: @knit_Masa

    まーさんさんは、中学時代に友人を癌で亡くしたことがきっかけで、ヘアドネーションをすることを決意。高校最後の年から髪を伸ばし始め、これまでに2度も寄付をしたそうです。

    編み物や髪の毛を伸ばすことは、男性よりも女性がするというイメージを変えたい、とまーさんさんは考えます。

    「そういったイメージを払拭したり、更新したり、世の中の意識を変えるのはすぐには出来ないと思います。ですが、身近なところからこういう人もいるのだと見て知ってもらい、編み物を通してものづくりの楽しさを知ってもらえれば嬉しいですね」

    「編み物を通して人と人を繋ぐ」

    まーさんさん提供

    話は戻り、どんな思いや夢を持って編み物をしているのでしょうか?

    まーさんさんは高校時代、親友にお揃いのセーターを編んであげた時、「人のために編むということが、編んだ自分も贈った相手もこんなに幸せにするのかと感動した」んだとか。

    そして、『羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季』という本を読んで、人生について考えさせられた時に、ふと高校時代のその感動を思い出し、文化服装学院を進学先に選んだといいます。

    また、最近主流になっているオンラインショッピングでは、「作り手の想いや、どんな人が作っているのか、お店の人との世間話の一つや二つなどが、私たちの生活の中からは失われていっているように感じます。もちろん私もこれらの恩恵を受けていますが、どこか違和感を感じています」

    「(だから)私は消費者が作り手と繋がれるものづくりがしたいです」

    熱く語るまーさんさん、その夢を叶えるために、卒業後は岩手県に行こうと考えているそうです。

    草木染めした国産の羊毛を、手紡ぎして糸を作っている職人がいるのです。

    反響を受けて

    「たくさんの方が見てくださり、コメントなど反応をいただきましたが、それが編み物をやっている人だけに限らずやっていない人からも反応があったことが嬉しかったです。これも編み物が人と出会わせてくれた出来事だと思います」

    「コメントの中でも特に多かったのが『これからもたくさん編んでください!』と応援してくださる方の声でした。改めて夢に向かって挑戦してみようと思いました」

    カフェでの辛い出来事をバネにして、着実に前に進む姿に勇気と希望を分けてもらえた気がします。

    最後にまーさんさんは、こう意気込みます。

    「家族全員分のセーターを編みたいです」